📘️ Book Club：ユーザーの本当のニーズを知るためにできること。ユーザーインタビューの大切さを理解するためのフレームワーク

誰が、何を、そしてなぜ？ターゲット・オーディエンス向けのデザイン

製品やサービスをデザインする人なら誰でも、ユーザーの心でデザインすることがいかに重要かを知っています。ルック、フィール、スタイリッシュなUIだけでなく、機能、ユーティリティ、価値の創造も含まれています。しかしながら、皮肉なことに、数年前まで、ユーザー調査はほとんどの企業であまり重視されていなかったようです。

人は人を無視するデザインを無視します。—フランク・キメロ（著者、デザインの形）

ユーザーがやりたいタスクをこなせなかったり、時間がかかりすぎたり、ナビゲーションで迷ってしまったり、迷った時に適切なサポートを受けられなかったりしてしまうと、それは欠陥デザインなのです。

私の会社にもUXリサーチャーがいなく、ユーザーに関する洞察を得るのに十分なリソースも十分ではありませんでした。UXリサーチは、チームメンバーによって行われました。ただそれでは十分でなく、多くの組織では優れたUXリサーチを行うのに必要な時間と労力を過小評価しており、また調査ツールが誤って解釈されていました。

これまで、このようなイニシアチブに従った組織は、欠陥のあるツールだけでなく、チームメンバーが行った適当な調査はユーザーの本当のニーズを理解するのに全く役立しませんでした。

プロジェクトを開始する前に、良いUXリサーチを取り込み、目的を念頭に置いて開始する必要があります。ターゲットオーディエンスを絞り込み、問題点を特定し、ニーズに基づいたソリューションを作成する必要があります。

UXリサーチとは、ユーザー体験に関する調査の総称です。 ユーザーファーストのシステムやサービスを提供するためには、ユーザー体験からユーザーニーズを掴むUXリサーチは欠かせません。 UXを重視する企業では、UXリサーチは積極的に行われています。

UXリサーチは今でも問題が発生したときにのみ振られる「魔法の杖」と見なされています。 仮説の検証を通じて問題に挑戦するためではなく、ユーザーの仮定の確認を強制するために使用されます。

UXリサーチはユーザーの本当のニーズを理解するために、製品チームがより良い研究文化を育むために必須です。

『参照記事』

How to Know Your Users’ Real Needs?

WHYを理解するためのフレームワーク

基本的な考え方は簡単です。「なぜ」と尋ねる前に、「なぜ」を理解する必要があります。 「なぜ」を理解するために、リサーチを行うチームメンバーは、「なぜ」と尋ねる前に、理論を形成するか、参加者の行動の理由について少し考えておく必要があります。 「何を/誰が、いつ/どこで、どのように」と尋ねることによって形成されます。

これらの質問に答えて、人々の行動の理由が少しわかったら、チームメンバーは、なぜ理論を検証し、ユーザーの本当のニーズについて検討する必要があります。

優れたデザインは、それが誰のためのものかを理解することから始まります。ユーザーのニーズを理解することは、実際の設計プロセス中に情報に基づいた証拠に基づいた意思決定を行うために不可欠です。

「何を/誰が、いつ/どこで、どのように」

このフレームワークを実践しましょう

実際のリサーチを開始する前に、またインタビューのセッションを確実に成功させるには、リサーチの目的を設定することが不可欠です。 そのためには、チームはユーザーと話す前に一連の質問に答えて調整する必要があります。

→このセッションを開催する目的は何ですか？
→ユーザーについて何を知りたいですか？
→製品の決定に役立つ情報は何ですか？

リサーチ目標の準備ができたら、実際の研究から始めることができます。 

あなたがオンライン食料品サービスのユーザー調査インタビューを主導していると想像してみてください。

1. 「なぜ」とは聞かずに「何で」や「誰」へ

年齢、性別、場所、家の収入、職業などの人口統計から始めましょう。これは、ユーザーのプロファイルを作成し、リーチを絞り込むのに役立ちます。次に、次のような質問を取り入れてみてください。

彼らは誰ですか？
何が彼らを動かしますか？
彼らの信念と価値観は何ですか？
彼らはどのような製品を使用していますか？
彼らのライフスタイルはどのようなものですか？

サイコグラフィックプロファイルは、ペルソナの「何」と「理由」の詳細を識別します。

💡サイコグラフィックは、心理的属性に関する人間の特性を説明するために使用される定性的な方法論で、個人またはグループのサイコグラフィック構成の比較的完全なプロファイルが作成される場合、これは「サイコグラフィックプロファイル」と呼ばれます。

最終的に、これらの差別化ポイントによって、人々が製品やサービスを購入し、あるブランドを別のブランドよりも好む理由が決まります。

リサーチが詳細である限り、ユーザーがあなたの競争相手よりあなたを選ぶように影響を与えるあなたの製品のための効果的な差別化要因を掘り下げることができるでしょう。インタビューで最初に尋ねる質問は、常に「何」と「誰」であるかです。これらは、インタビュー中に焦点を合わせ続けることができるように、目的語と主題を明らかにするのに役立ちます。

対照的に、最初から「なぜ」と尋ねると一般的にリサーチ目的に対するコントロールが喪失される恐れがあります。 

なぜオンラインで食料品を購入するのですか？
の代わりに…

オンラインで食料品を注文する前と後で何かすることはありますか？
オンラインで食料品を購入するとき、何かうまく行った経験と、そう行かなかった経験はありますか？
オンラインで食料品を購入するとき、誰と一緒にしますか？どんな時にその人に相談しますか？

主な目標は、主題が誰であるか、トピックに近づくときに人々の行動を促進するオブジェクトが何であるか、そしてそれらが人々の生活にどのように適合するかを理解することです。

最も重要なことは、「何で」や「誰」への質問をすると、競争を超えたユーザーの動機を明らかにする機会が得られることです。 人々が現在使用している製品にあまりにも早く「なぜ」と尋ねるとそのリサーチは、新しいソリューションに対する人々の動機ではなく、競合他社の機能に焦点を当てることになるかもしれません。

「人々は、現在使用している製品がどのようにニーズを満たしているかを認識しています。しかし、新しいソリューションが現状のものとどのように異なる方法で表現できるかについては認識していません。」

2.「なぜ」から「いつ」または「どこ」へ

「何で」や「誰」の質問を尋ねた直後に、「なぜ」という質問に陥りやすくなります。 しかし、代わりに、「いつ」「どこで」という質問を代わりに投げかけてください。

「なぜ」かと尋ねてしまうと、後々インタビュー中に矛盾が出てきてしまうことがあります。人々が発言することは、必ずしも彼らが行っていることではありません。

例えば

ソニーがラジカセを導入したとき、同社は潜在的な消費者のグループを集め、新製品の色（ブラックまたはイエロー）に焦点を当てました。 見込みのある購入者のグループ間で話し合った後、消費者は黄色に反応する方がよいことに全員が同意しました。 

セッション終了後、ファシリテーターはグループに感謝し、ボーナスとして無料のラジカセをプレゼントすると話しました。そこにはイエローとブラックの2つのブームボックスの山がありました。

すべてテスターがブラックのブームボックスを持って帰りました。

ユーザーは常に正しい：Web用のペルソナを作成および使用するための実用的なガイド　Steve Mulderから引用

オンラインで食料品を購入することが役立つ解決策である理由は何ですか？
の代わりに…

食料品をオンラインで最後に購入したのはいつですか？
オンラインで食料品を購入するのに最適な時間はいつですか？
どこにいオンラインで食料品を購入しますか？
などと聞いてみてください

主な目標は、コンテキストを理解することです。 いつどこで質問するかは、人々の過去の経験について学び、意思決定プロセスを理解し、最終的には彼らの行動を明らかにするのに役立ちます。

インタビューセッションの前に、ユーザーに関する定量的なデータを収集して、コンテキストを最初に理解することができますが、人々が発言することは、必ずしも彼らが行っていることではないという矛盾に陥らないように注意してください。 定量的なデータと定性的なデータを混合することで、ユーザーの実際のニーズをよりよく理解できます。

3.「なぜ」から「どのように」へ

リサーチ対象、オブジェクト、およびそのコンテキストが組み立てられると、「なぜ」を尋ねたくなりますが、ここで「どのように」関連の質問を知っていきます。 これにより、特定のコンテキストの微妙な状況が明らかになります。

インタビューのこの時点で「なぜ」かと尋ねると、テスターがその場でストーリーを構成することとなります。 たぶんテスターは私たちが聞きたいと思うことを発言しようと思います。行動の背後にある本当の理由を私たちは知りません。ほとんどの人は、自分の行動を分析して振り返るのが苦手です。

なぜオンラインで食料品を…（コンテキスト）から購入するのですか？
の代わりに…

オンライン食料品の買い物はあなたの家族生活にどのように適合しますか？
週末にオンライン食料品の買い物をするときはどのようなプロセスを取りますか？
これはあなたがよくする方法ですか？

最後の質問は人々の行動を安心させるのに役立ちます。 人々が物語を発明するときを簡単に見つけて、希望する現実と与えられた現実の違いを見つけることができます。

まとめ

すべてのプロジェクトに異なるアプローチを取りますが、ターゲットオーディエンスを理解するためのプロセスを定義することに時間を費やすことは、顧客の生活についてより深く理解することを意味します。洞察はイノベーションプロセスの基礎であり、顧客に新しい価値を生み出すための触媒です。ビジネスとユーザーのニーズのバランスをとるのは難しい場合がありますが、それでもデザインはブランドの認識に影響を与え、製品にバリューの影響を与えることができます。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。