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字引散歩してみた #1 名古屋

きっかけは書店で見かけた雑誌「東京人 2月号」

その記事の中の1つ「阿佐谷で用例採集散歩」を読んでいて、とても知的好奇心を掻き立てられた。

街中で見かけた面白い書体や手描き文字を見たり、写真を撮って記録に残したりするのは元々好きである。決して口には出さないが、心の中で「この雰囲気にその書体なの!?」「高級感がより強調されるような書体だ」というように勝手に考察するのが堪らない。

この記事で紹介されているのは、街中を歩きながら目に留まったり、違和感を感じたりした単語や熟語などをその都度立ち止まり辞書を開いて調べる、というとてもシンプルなもの。

辞書、それも国語辞典は学生以来使っていなかった。和英や英英辞典はまだ社会人になっても使ってはいたのだが・・・。

形から入るのは苦ではないので、雑誌内でも紹介されている「辞書 by 物書堂」をダウンロードして使ってみることにした。アプリ内で三省堂国語辞典を買った。そういえば、有隣堂のYoutubeチャンネルでも紹介されてた。

早速、スマホの辞典を持って外出。

名古屋に行く機会があったので、大通りっぽいところの写真を1枚撮って、じっくり調べてみることにした。記事内のように、歩きながら調べてもいいのだが、全然歩けないことが分かった。進まない。


少し肌寒い日であった。

何となく目に映った単語を浮き出してみる。
Affinity Photoで簡単にサクッと。

タイルの目の色が同じはずなのに、違う色に見える錯覚の絵みたい。
チェッカーシャドウ錯視ってやつ

抜き出すと

  1. 長者町繊維街

  2. 葱屋平吉

  3. カブ韓

  4. Magical

・・・旅先でふと思い出して撮った写真だからか、辞書で出てこなさそうな文字列だ。

辞書アプリで調べてみる。

  1. 長者町繊維街 → なし

  2. 葱屋平吉 → なし

  3. カブ韓 → なし

  4. Magical → なし(そもそも英単語)

まあ、そりゃそう。文字を分解して細かくみてみる。



長者ー町ー繊維ー街

  • 長者:金持ちの人。富豪。徳のある。穏やかな人

  • 町:人家や商店などが多く集まった所。

  • 繊維:極めて細い、糸のような物質。筋。

  • 街:商店が並んだ賑やかな通り、所。都会

この「街」には「町」が含まれている。お金持ちの人が営む繊維のお店が奥集まった所、という感じなのか。何となく「街」の方が都会っぽいなと思っていたが、どうやら感覚としては正解のようだ。

葱ー屋ー平吉

  • 葱:苦味があり、刻んで薬味にしたりする、普通細長い野菜。

  • 屋:〜に関する仕事をする店、人。

  • 平吉:なかった

カブー韓

  • カブ

  • 韓:韓国。

Magical

  • これは英単語


撮った写真に居酒屋がめっちゃ映ってた。あとから見てみると面白い。
雑誌内ではリアルタイムで辞書を引いていたが、フィルムカメラで現像するかのように、何となく風景を撮って、後で自宅でゆっくり調べるのもいいかもしれない。

アプリも良いが、紙の辞書も欲しくなった。
英英版もやってみたいぞ。面白い。

2025年、字引散歩の年にしてみようかなと思った。


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