#003 とことんまっすぐ。「シロ」が大好きだ
せっかくnoteにチャレンジしているので、お題にも挑戦してみる。(参加の方法があっているかわからないけれど)私が大好きなシロについて、熱い思いをぶつけたい。
「人生を変えた一冊」「私の推しキャラ」
私はかなり優柔不断だ。自分のことでもなかなかうまく決められないことが多い。でも「人生を変えた一冊」「私の推しキャラ」という問いかけに対しては、揺るがない明確な答えが決まっている。
私は「かってにシロクマ」というマンガの「シロ」というシロクマの主人公が大好きだ。
相原コージさんの有名な動物ギャグ漫画。笑いや動物の生態が中心だが、愛、恋、お色気、考えさせられるシーン、エモいシーンまで随所に散りばめられているとんでもない作品だ。もちろん他にも楽しい好きな漫画はいくつもあるが、この漫画だけは群を抜いて特別で私の中でとても大切に思う漫画になっている。
主にクマの一家の日常を切り取ったストーリーで、母親・弟・主人公「シロ」3匹が母子家庭で暮らす物語だ。毛並みが茶色の母・弟に対し、1匹だけ毛色が白いシロ。出来の良い弟とちょっとマヌケなシロ。そこに理由あって子どもイノシシも一緒に暮らし始め、なかなか複雑な家庭環境だ。その中で一家がワチャワチャする何気ない日常のやりとりが本当に本当に可愛くて愛おしい。基本的にはギャグ漫画なので大笑いシーンの連続だがどこか心が温かくなる。何度見ても最高の作品だ。
「シロ」との出会い
私は今年で47になるが「シロ」との出会いは中学生に遡る。友達がこっそり学校に持参した「かってにシロクマ」をみんなでまわし読みをしたのがはじまりだ。なかなか刺激的すぎて目を伏せたくなるシーンもちょこちょこあるが、面白さがダントツ凌駕していて、どんどんのめり込んでいった。その時代は確か3巻くらいまでしか発売されていなかったが、友達に返却後もどうしても忘れられず、自分でも購入したのだった。
その後、4〜6巻と「よりぬきかってにシロクマ」というダイジェスト本が出たが、もちろんそれも迷わず手に入れた。あまりの面白さを誰かに共有したかったが、当時はSNSなどあるはずもなく、高校生の私はアナログだが友達に貸してはオススメしていた。読んだみんなが「シロ」を好きになってくれてとても嬉しかったが、同時に悲劇も起こる。友達に貸したつもりが、知らないうちに友達の友達の層までわたり、最終的にどの巻を誰が持っているのかもわからなくなったのだ。大好きな「シロ」が手元からいなくなり、その後二度と帰ってくることはなかった。「よりぬきかってにシロクマ」は装丁までめちゃくちゃこだわった限定品。なかなか手に入らない特別仕様でそういう意味でもあきらめるしかなく、本当に残念で悲しかったのを今でも鮮明に覚えている。
そのまま月日が流れ社会人に成長したがどうしてもシロを忘れることができず、もう一度一から揃えなおした。当時はまだネットショップなど普及しておらず、本屋に数冊あっても同じ巻ばかり並んでいたりして全巻揃っているところは見つからず、何件もまわってようやく全巻を揃えなおした。もちろん「よりぬき」はすでに販売されているわけもなく、こちらはブックオフを何件もまわり、なんとか発見。ようやく大事にしていたすべてのシロをもう一度手にすることができ、その後何度かの引越しも無事乗り越え、私にとっていまだに大切な宝物になっている。
まっすぐで素直に生きる「シロ」に心惹かれすぎて
何でこんなに惹かれるのか?理由はたくさんあるがあえて1つあげるなら、主人公「シロ」の超越した感情表現だと思う。シロは喜怒哀楽がとにかく豊か。まぶしいくらい正直でまっすぐなのだ。もちろん動物だから当然なのかもしれない。でも絶妙に人間臭く、さまざまなシーンでとても共感してしまう。私はあまり自己表現が得意でないので、そんなシロがまぶしく憧れてしまうのだ。
多感な時期の出会いから心をガッツリ掴まれた私は実際かなりの影響を受けていて、外面はなんとかとりつくろい生きているが、私の中での表現はほぼほぼ「シロ」のリアクションで完成されている。たとえば何か疑問があるとき、心の中ではあの「お?」がでるし、感銘を受けたときはあの「ぴゃー!」がでる。何か訴えたい時はあの「うりうりうっりっり」がでるし、気配を消したい時はあの「わたしは木」がでるといった具合だ。何かあるたび、内面ではシロまんまの表情と表現で物事を受け止めている自分がいる。自分でもどんだけ影響されてんの状態だが、それだけ心の奥まで刺さった作品なのだと思う。
大人になるたびますます自分を出すのが難しく、人に合わせ過ぎて自分を見失うことが多くなったが、このシロとリンクする感情表現のおかげで、ふと自分を思い出すことができている気がしている。シロのおかげで今日も笑える気がしている。とにかく感謝しかない。
やっぱりシロは最高なのだ。
6巻以降のものがたり
「かってにシロクマ」は6巻で大変意味深に終わっている。いつか続きがでるんだろうとずっと心待ちにしていたが、調べてみると別作品「さるまん」と「真・異種格闘大戦」という作品に登場し、すでにひと段落を迎えているらしい。調べているうちになんとなく結末も知ってしまった。
ひと段落を迎えたくない私はまだ読めずにいる。いつか決心できたら読んでみようと思う。ちなみに「かってにシロクマ」と別作品だが「こびとねこ」は空気感が似ている。読んでいて嬉しくなった。
相原コージ先生
こんなにステキな作品を生み出せる天才ゆえの苦労が多々あるご様子で鬱になり漫画がかけない時期もあったとのこと。最近はその痛みさえも笑えるコンテンツしてくださっている。さすがです!ありがとうございます!としか言いようがない。でてくる奥さまもステキ。笑って泣けて心動かされる多くの作品にとても感謝している。ファンとしてこれからも応援していきたい。
#マンガ感想文 #私の推しキャラ
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