誰も語らない潜在意識の謎 ーその3:プロジェクションの罠ー
私たちの心の中には、自分自身が認識していない不安やコンプレックスが存在します。これらは、外界の人々や出来事に投影されることがあります。これを「プロジェクション」と呼びます。これはまさに、潜在意識の罠とも言える現象です。
例えば、自分がやりたいことを他者が成功しているのを見て、「ルールを破った」「手段を選ばない」と非難してしまうこともあります。この場合、他者への批判は、実は自分自身への否定感情の表れであり、プロジェクションが起きています。
また、自分の長所を認められないのに、他者の長所を貶めてしまうことも同様です。自分の短所に敏感になりすぎるあまり、他者の短所に目が行きがちになるのです。
さらに、自分が失敗を恐れているのに、他者の失敗を喜ぶような気持ちが芽生えることもプロジェクションの一つと言えます。失敗を許されない自分自身の厳しさが、他者への非難に向かうのです。
このように、潜在意識の罠であるプロジェクションは、誰もが陥りやすいものです。自己の闇の部分を他者に投影するプロジェクションを繰り返すと、他者との関係は悪化の一途を辿ります。
しかし、プロジェクションを意識することで、自分自身と他者をより深く理解することができます。次回は、これまでを踏まえ、なぜ私たちは変わることが難しいのか考えてみます。
(その4へ続く)