ただ完璧主義をやめただけ②
心理学の本のなかに「完璧主義」という単語を初めて見つけたのはまだ派遣社員として大宮に通っていたころだった。
この本の中に「完璧主義者タイプのグズ人間」という変な語が出てくるのだ。
完璧主義者のくせに「グズ人間」とはどういうことなのだろう?
派遣社員時代のことは、今ではほとんど覚えていない。記憶が朦朧としている。あの頃は、ビールばかり飲んでいて、大宮で酒を飲んでいた記憶が圧倒的なのだ。
しかし不思議とそういう時代には良書に出会う。
『グズの人にわけがある』は今も手元にある。この連載に登場してもらうかもしれない『暴力から逃れるための十五章』もこのときに大宮で出会った本だ。アメリカ留学になんとなく身の危険を感じて渡米前に手に取ったのだ。
この一文に今でも不思議な魅力を覚える。