朝起きるとすでに夫の姿はなく、布団の上に生後まもない息子とふたり。 安物の薄いカーテンから「はよ起きて洗濯せいよ」と、真夏の太陽がプレッシャーをかけてくるが、起きない。 目覚めた息子の顔を見ながらニヤニヤすること1時間。そうこうしているうちにお腹が空いたのか、のどが渇いたのか、そんな感じになってくる息子を見てガバッと起床! おむつを替えてミルクを飲ませ、手足をバタバタさせてご機嫌な様子をチラ見しながら洗濯。なんとここまでが午前中の出来事。実に平和そのもの。 昼に菓子パ
羊羹が入っていたかわいい箱からパワーストーンをひとつまみ。 シャラりと散らばる石の中でコロンと顔を出した幸せを呼ぶラピスラズリに アクアマリンもキラキラ〜 小粒でも存在感のあるペリドットがバランスよく並びました。 光の届かない深海のようなブルーのラピスラズリは、アフガニスタンやロシアでも産出される石。 和名は瑠璃。 そう、歌にもあったようにまさしく地球の色ですね。 誇り高きこの石をみていると、前に進む勇気がわいてきます。 あれ?前置きが長くなりました…。 私
季節の変わり目になると、決まって嵐がやって来る。 そうなってくると、いよいよ大好きな海に行ってビーチコーミングだ。 嵐のあとの砂浜にはいろんなものが打ち上げられていて、琥珀やメノウなどが「あら、見つかっちゃった?」みたいな顔で、あたかも拾われるのを待っているかのようにキラキラしてたりする。 ビーチコ仲間には、ウオッカの瓶、ハングルの書かれた何か得体のしれないものなど、目についたものを片っ端から持ち帰り、家の人に激怒されているらしいが、私はそんな節操のないことはしない。 た
お昼を少し過ぎたまだ温かいちゃぶ台には、2日前あたりから早生ミカンとかりんとうが置いてある。 何度か台所とちゃぶ台を行き来したものの、食後にチヤホヤされていた頃の面影はない。 ひと月前に、82歳の兄が死んで「次は俺の番だ」と思い込んでいる爺さんは元気がなかった。 「そうかもね」くらいな顔をした婆さんがお茶を出したが、爺さんは長年の勘でそれを察していて、すぐには口をつけない。 少し冷めたお茶をすすり終えた爺さんは「散歩に行ってくる」といって、 行き先も告げずに帽子をか