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【詩物語】「年末退職の扉の先に」/豪華絢爛仕事納め

誰もいない会社の事務所
一人書類をまとめる
いつもしているこの作業
最後の日でも変わらない

みんなにキツく言っていた
みんなに煙たがられていた
隠れて鳴らす舌打ちを
無視して陰で泣いていた

みんなに嫌われていたから
みんなに遠ざけられていたから
最後になるこの日でも
一人になるのは知っていた

脳裏に浮かぶ思い出と
一緒に開けた最後の扉
まばゆい光が降っていた
見渡す限りのイルミネーション
消え行く影を照らしていた



会社の事務所の灯が消える
みんなに送る合図
陰で内緒でする作業
最後の夜を彩ろう

みんなキツく言われていた
みんなが煙たがっていた
舌打ちしたくなることも
陰口叩きたくなることも

脳裏に浮かぶ思い出は
一緒に歩んだ日々の証
助けてくれたあなたの姿
みんなの密かな尊敬の念
すべて照らして伝えます


"ありがとう"の文字が輝く
満天の灯火に包まれて
うしおとなって寄せる喝采
手に手に送る花束の山

共に過ごした今までを
今日のこの日を忘れぬように
豪華絢爛仕事納め
溢れる感謝を輝きにして



(410字)


こちらのお題2に、詩のような物語で参加させて頂きました!

年末最後の仕事→仕事納め
退職→ある意味「仕事納め」

……という、「ダブル仕事納め」で考えてみました!

今年一年、本当に助けて頂きました。ありがとうございます😆
来年も何卒よろしくお願い致します🙇


#毎週ショートショートnote
#豪華絢爛仕事納め

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