5月3日「能を知る会鎌倉公演」船辨慶
5月3日の県民のための能を知る会・鎌倉公演は、今年が伝教大師最澄の大遠忌1200年とのこともあり、比叡山の僧が活躍する2曲を選曲致しました。
朝の部は私の父・中森貫太が「船辨慶」を勤めます。ワキが比叡山の遊僧であった武蔵坊弁慶であることからの選曲です。
筋としましては、
壇ノ浦の合戦後、兄・源頼朝と不仲となった九郎判官義経が、兄の追手から逃れるために大物浦(淀川旧河口付近)から四国へと渡ろうとする。
船に乗る前、女連れだと世間の目も厳しくなるとの弁慶の諫言から、義経は静御前と別れることを心に決める。
義経から直接京都へ帰るよう言い渡された静は、義経の出立の酒宴にて涙ながらに舞を舞う。
涙の別れの後、義経の心が未だに揺れ動いていることを見抜いた弁慶は、すぐさま船を出させる。
出船した後、はじめは快晴だったがどんどん天気が悪くなる。
船頭を始め、船乗りたちがなんとか船を動かすが、やがて波間から平知盛をはじめとした平家の落人の亡霊が現れる。
義経が太刀を抜いて応戦するが、亡霊が相手では埒が明かない。
そこで弁慶が数珠を揉み、経文を唱えると太刀でも応戦できるようになり、やがて亡霊たちは立ち去り、再び元の静かな海に戻るのであった。
という内容となっております。
前半部分は、義経と静御前の恋慕のやりとり、酒宴となったあとの舞、そして別れが見どころとなっております。
後半部分は、間狂言の「波頭」という特殊な所作、義経と知盛の戦いが見どころです。
シテが前後で全く違う人格、ましてや「男女」というのが能の中では数少ない演出となっております。
まだまだチケットはたくさんございます。感染症予防対策にも気をつけてお客さまをお迎えしておりますので、どうぞ鎌倉まで足をお運び頂けましたら光栄に存じます。よろしくお願いいたします。
◆お申し込み・お問い合わせは鎌倉能舞台まで。
電話 0467-22-5557
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