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「書かない人のためのライター講座」に書く人として参加した

先日、こちらのイベントに参加してきました。

2021年4月16日(金)17:00-19:00
『書かない人のためのライター講座 生活のなかでの「取材・執筆・推敲」とは』

授業の詳細は、今後「ほぼ日の學校」アプリで配信されることになると思うので触れません。A5の手帳(ほぼ日手帳カズン)に19ページもメモしたんですけどね。ここではちょっとしか触れません。

参加の動機

私はシステム開発会社にいて、主に、会社のブログなどを通じて社内の情報を社外に発信する仕事をしています。「書く」ことで、社会や会社に貢献したい気持ちから、SNSのプロフィールではライターを名乗っていますが、書くことが中心となったのはここ2年くらい。それまではシステム開発に関わる仕事をしていました。ライターになるために特別な訓練や指導を受けたことはありません。2年も経てばそんなことも言ってられないですけどね。

今回の講座は、「書かない人のための~」というタイトルですが、とにかく「書く」ことに悩んでいるものとして、参加せずにはおれませんでした。講師の古賀史健さんが書かれた本も読んでいますが、直接お話を伺う機会はどうしても逃したくなく。ほぼ日からのニュースレターのメールのイベント紹介を見て、即、申し込みました。「ためになるなー」だけじゃいけないと思いつつ、古賀さんのお話にうなずくばかりの2時間でした。

古賀さんが出されたばかりの本『取材・執筆・推敲――書く人の教科書』はこちら。

今回の講座は、本のタイトルにある「取材」「執筆」「推敲」の中で、特に「取材」「執筆(書く)」についてのお話でした。ライターとしての視点や考え方は、きっとライター以外の方にも役立つはず、ライターとしての視点や考え方を身に付ければ、人生がもっとおもしろくなるはず、という古賀さんのお考えから、今回の講座のタイトル「書かない人のためのライター講座」になったそうです。

「取材」

「取材」は、何かを知ろうとする態度から生まれます。
さらに誰かに伝えようとして聞く(取材する)ことで、取材対象の人やモノについて、自分だけでわかった気にならず、深堀りした理解ができるようになります。そして相手の回答を想像をして話を聞くことで想定外の答えが返ってきたときに、そのギャップに驚きと感動が得られるといいます。

想像することは、インタビューの質問についてだけではありません。どうして今の姿や状況になったのかを想像することの重要性を教えていただきました。取材対象となる人だけでなく、サービスなどに対しても、いろんなことを想像しておく。その背景について、想像すれば想像するほど、今の状況が生まれたことの凄さを感じることができるようになり、人やモノに対して、リスペクトが湧く。本の中でも語られていましたが、このリスペクトする気持ちが大事になります。それはインタビューの時、身を乗り出して聞く姿勢、感動したことについて誰かに丁寧に伝えたいという気持ちにつながります。

私は、仕事としてインタビューするときには、乱暴に言ってしまえば、こういう発言が拾えれば、みんな納得するんだよね、と決めつけて話を聞いていることがあります。そんな雑な予定調和の文章なんて、誰がおもしろく読むんでしょう。『取材・執筆・推敲――書く人の教科書』の中では取材対象のことを好きになる、という書かれ方をしていますが、一番大事なことだけど、私に一番足りていない姿勢ではないかと思っています。想像する、相手のことを好きになる、話を聞いてみたいと思う、聞いて驚く、さらにリスペクトする、伝えたいと思う、丁寧に書く。記事は、文章よりも、書いた内容がおもしろいかどうかが、記事の評価だと思うのです。想像すること、好きになることをいつも念頭に置いて、日々、過ごしたいと思いました。

「執筆」

「執筆(書く)」についても、普段、書かない人に向けてのアドバイスがふんだんにありました。おもしろい話が聞けても、やはり手が止まることはあります。メールやブログの記事について、筆が進むようになるコツについても教えていただきました(ブログ書いちゃう人は、世間的には書く人に分類されるかもしれないけど)。

例えば、主語を自分が使い慣れた一人称(僕、俺)にして書いてみる。普段使い慣れない、「私」で書き出すことで本音が引き出せない可能性があると言います。一人称は後で記事を公開する時に修正すればいい。

もう一つのテクニックとして、例えば、冒頭に「あの頃はごめんね」などの言葉を入れて書き出してみる。そうすると、誰に対して謝りたかったのか、なぜ謝れなかったのか、そうした理由を浮かべやすくなります。私も文章を書く時には、なぜそうなったのかという理由、具体例を大事にしていますが、上っ面だけで本音が出てこないことがあります。理由や具体例を引き出すこうしたテクニックはそのまま参考になりました。

他にも、冒頭に入れてみるといい言葉の例や、客観的な文章を書く方法などお話しされましたので、「ほぼ日の學校」アプリで講座が公開されたらぜひ見てください。

古賀さんへの質問

書かない人のための講座でしたが、予想通りというか、予想を超えて、書くことに悩む私の助けになりました。これから書き続けることができるとすれば、間違いなく大きな要因に古賀さんがあると言えます。いつかちゃんと御礼を伝えたい。

ちゃんと、というところが大事で、、
実は、古賀さんには、一度、直接お声掛けさせていただいたことがあるんです。古典を学ぶ場として立ち上がった「ほぼ日の学校」で、シェイクスピアの講座が行われていた2018年。古賀さんは、よく授業を見に来られていました。

まだ私がシステム開発の仕事をしていて、自分がライターと名乗るようになるなんて想像もできなかった頃、古賀さんの本を読んで、目が開かれる経験をしました。

糸井重里さんのTwitterなどを通じて、授業に参加されていることは知っていました。古賀さんに感謝の意を伝えたいと思いました。古賀さんの顔もよく存じ上げず、ほぼ日の方に、「今日、古賀さんいらっしゃってます?」と聞き、「あの人が古賀さんです」と教えていただきました。

とにかく一言、何か言わなきゃと思って、古賀さんに声をかけ、顔を向けられた瞬間、吐いた言葉が「おもしろかったです」…

この本には、ライターとして世界の見方、世界への解像度を上げることができるという話が書いてありました。それなのにフルコースの料理を食べた後、単に「おいしかったです」みたいな感想。。

言ってしまった後、自分に絶望しました。

実際、本の中にも『「あー、面白かった」しか言えない人』
という項目があり、考えを深められていない人や状況を嘆いている話もあったのに。。

そういう経験もあり、本講座の当日もいろいろと聞きたいことを思い浮かべつつも、あー、この質問の回答は本に書いてあったな、と思ったり、古賀さんに馬鹿だと思われたくないと考えたりしながら、黙って、他の方の質問とそれに対する古賀さんの回答に耳を傾けていました。

質問をしないまま終わるかと思っていたところ、事前にTwitterで受け付けられていた私の質問をほぼ日の永田さんに取り上げていただきました。

古賀さんの回答。
書き出す前の時間、「うーん、どうしようかな」なんて悩んで、コーヒーを飲んでいる時間は、実際には何も考えてない。とにかく何でもいいから一行書いてみる。そうすれば、「これじゃない」と思ったり、「これで行こう」と判断することができる。とりあえず書き出してみる、そうすれば、その文章がいいかどうか判断できる。書く、判断する、それを繰り返すのだ、というお話でした。

最後に自分の質問を取り上げていただき、満足して帰路につきました。聞いた話を反芻しつつ、自分の仕事に照らしながら、家までの1時間半ほどの道を歩いて帰りました。次は、自分の口でちゃんと古賀さんとお話ししたい。御礼を言いたい。とにかく、今週もまた古賀さんの本を手元に置いて、とにかく書く、判断することを繰り返していこうと思います。

ありがとうございました。
これからも、よろしくお願いいたします。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。