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物語を紡ぐ喜び:「少年サンデー」を救った編集長がマンガ原作者になるまで

「ほぼ日の學校」アドベントカレンダーです。

今回視聴した授業

前日のnoteにも書きましたが、作品を作る人、それで食べていけてる人たちには尊敬しかありません。特に、漫画は、テーマ、ストーリー、演出、絵、人間の想像力も加担して出来上がる、すばらしいコンテンツジャンルだと思っています。編集長から、いち原作者になって、マンガに関わる人の話に興味が湧かないわけがありません。

少年サンデーを救った剛腕編集長、 すべて脱ぎ捨てマンガ原作者になる
市原武法 (マンガ原作者)

2021年に公開され、たくさんの反響が届いた市原武法さんの授業、第2弾です。前回は、廃刊の危機に瀕していた週刊少年サンデーを、編集長として700%アップの回復で立て直したお話をうかがいました。その後、市原さんは、2022年に小学館を退職し、マンガ原作者になることを宣言。市原さんはどうして会社を辞めたの?少年サンデーを離れることはつらくなかった?マンガ原作者を選んだわけは?新しい形でマンガと向き合うことを決めた市原さんの言葉には、「好き」を仕事にしていくヒントが詰まっています。

公開日:2024.03.12

授業で学んだこと

市原さんは、編集者として担当したい作家さんと仕事もして、編集長として「少年サンデー」の立て直しまでして、マンガ編集者として、やりたいことはなくなったそうです。仕事や人生について、インタビュアーに「葉隠」に例えられるような、身を捨てて臨む感は、仕事への向き合い方やキャリアについて真似したいようなところはありませんが、マンガ、「少年サンデー」への向き合い方は、とても真摯なものでした。

週刊連載の大変さ

昨日のタナカカツキさんの話でも触れられていましたが、週刊連載は特殊技能のなせるわざらしいですね。それに、それなりのノウハウもありそうです。

100人来てマンガ家の才能がある
プロになれるという人が10人いたとして
10人育成したとしても
その中の何人かは
「週刊連載は勘弁してください」
と言う人絶対いるんですね
「月刊誌とか『サンデーうぇぶり』で
隔週連載させてください」と
「週刊誌は私には無理です
ぼくには無理です」という人がいて
それは全然悪いことじゃなくて
本当に無理なんで

でも、週刊連載はに向かない人にやらせないようにしたおかげで、週刊連載に向かない人の作品も読めるような時代になりましたし、無理やり毎週ピークを作るような作品も読めるようになったわけです。それは読者にとっても、作家にとってもよさそうに感じますが… 漫画雑誌という形を取る出版社にとっては、それだけじゃ済まなさそうです。

少年漫画の危機

市原さんが編集長だった時、企画も立て、知り合いの先生を連れてきて、という異常事態だったそうです。だって、それを編集長がやるのなら、編集者の仕事はなんなのか?! となってしまいます。

企画も全部編集長が立てて
それを中心に新連載構成を...

ある時期半分ぐらい全部
ぼくの企画なんですよ
それはすごくいびつなことで

ぼくが企画して立ち上げて
自分の知り合いの作家さん連れてきたなんて言ったら
現場は何のためにいるんだ
という話なので
あれは本当にぼくにとっては
恥ずかしいことでしたね

これを自分でやらなきゃいけない
状態というのは どんだけ異常か
よくわかっていたので
(略)
緊急事態です やらないと新連載がはじまらないので
読者にとっては「なんだ?この雑誌」という話なので
どんな手段を使ってでも新連載をはじめなければ
いけないので
色々自分の知り合いの
作家さんたちには
無理を聞いてもらいましたけど
原作者の不足というのが
ぼくにとっては本当に
心を痛める事態だったので

会社で偉くなって、自分が責任の取れない範囲を許容しながら、雑誌の体制を整えるよりも、一兵卒で貢献したいという姿勢は、物語作り、作品作りの魅力に取りつかれたから、かもしれませんね。あと、ずっとお付き合いのある、武論尊さんの生き方への憧れかもしれません。いずれにしても、私には真似できない仕事への取り組み方、生き方です。

編集者の仕事、原作者への道

漫画家に必要なスキル、知識は一人に任せるにはあまりに多岐にわたります。だから、得意な人がその一部を担う方法が必要なことも理解できます。

マンガ家さんって原稿を描かなきゃいけないので
絵を描くってすごく時間がかかるので
インプットする時間が
圧倒的に足りないんですよね

なので例えば
キャラクターも絵もうまい
キャラクターもつくれる
演出もできる
例えばストーリーつくるのも
得意だったとしても
新連載を何度も切り替えていくと
ネタがなくなっていくわけですよね

そこも全部できるってなると
まあちょっとよほどのことがない限り
なかなか難しい
あだち充先生とか
高橋留美子先生みたいな
何本もヒットを
切り替えて飛ばしていく人って
マンガ界にも数人いるかいないか
だと思うので

その部分をマンガ編集者は本来
補充っていうか
補填しなきゃいけないので
マンガ編集者っていろんなことを
知ってた方がいいんですよね
好奇心が強くて
「こんな面白いものがありますよ」
「こんな面白いネタどうですか」
って提示できなければ
編集者は失格だと思うんですけど
それが僕は楽しかったので
いろんなことを調べたり
遊んだり 経験したりする

それの延長線上にやっぱり
武論尊さんがいたので
「死ぬほど遊んで死ぬほど好奇心を持って
いろんなところ行かねえと」
「原作者なんてやってらんねえよ」
ってよく言ってたので
だから本当にアグレッシブっていうか
いろんなことする人ですし
いろんなものを読みますし
ちょっと何かシンパシーがあるっていうか
本当にそれをプロで仕事にしてると
こうなるんだなっていうイメージが湧いたので
全然編集者と延長線上ではないんですけど
でも何かどこか似通ってる部分もありますし
それが魅力でしたかね

感想

物語を作りたいと思っています(ちょっと作ってはいますが、評価はされてない)。それは今在籍しているソフトウェア開発業界の人間の魅力を伝えるため、というのが目的の一つです。もう一つは、今は内緒。届け方は、自分にできる、できないは脇に置いて、そのためなら、映画でも、マンガでもいいわけです。今のところ、そんな機会はないのですが、マンガ編集、原作、といった方法もあるのかもしれません。自分にできるかどうかはやっぱり置いといて。読み切りの原作は、5千字くらいは、書いてみようかな。


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のーどみたかひろ
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。