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橋本治さんに仕事の向かう姿勢を教えられた話

ほぼ日の学校アドベントカレンダー三日目です。

2020年、「ほぼ日の学校」で大きなことと言えば、何といっても「橋本治をリシャッフルする」講座が、コロナ禍の中、無事、終了したことでしょう。

講師の皆さま、運営の皆さま、ありがとうございました!

「橋本治をリシャッフルする」講座は、2019年に亡くなられた橋本治さんを取り上げた講座です。これまでの「シェイクスピア」「歌舞伎」「万葉集」「ダーウィン」と違い、現代をまさに生きてこられた方、そしてその作品を扱った講座です。

講座とコロナ騒動

2020年に始まったこの講座は、コロナ騒動の影響をもろに受けました。
第一回(1月下旬)、第二回(2月上旬)、第三回(2月中旬)までは、何とか予定通り開催されましたが、3月以降の講座は一旦中断。

日程変更や、徹底したコロナ対策を行うことで、ようやく7月に再開されることになりました。コロナ対策(一部の方の動画視聴への変更、講義の教室を複数に分けること、時間短縮など)を行った講義は、運営にとって本当に大変だったと思います。

9月に、無事、最後の講義を終えた「橋本治をリシャッフルする」講座をふりかえってみたいと思います。

橋本治さんとその仕事

橋本治さんは、ご自身の仕事で、丁寧に、そして一般の人にもわかるように伝えられてこられた方です。

橋本治さんは、本を書く時、自分が理解できるところからスタートするそうです。
(多くの人は、初心者がわかりそうなところからスタートする)
わからないことをわかったふりをしません。ある分野に取り組むとき、その分野の地図(誰かが作った知識体系のようなもの)を用意しないそうです。地図がないから、スタートした地点から見える景色(事実)から書き始めるそうです。見える範囲からスタートするので、丁寧に描写し、説明せざるを得ない。そこから見えるものを丁寧に写生されるとのことでした。

また、橋本治さんは徹底的にパブリックな人だったということが、たびたび講師の方から語られました。自分がやるよりしょうがないことに出会って、他の人がやらないからやる。誰もやらないから、人類という共同体の一員として、それを伝える義務を感じてらっしゃった。義務を負っているから、丁寧に伝える努力を惜しまなかったということでした。

私の仕事

私は、2019年の8月、20年近く経験してきたシステムエンジニアという職種から、編集・ライターにジョブチェンジしました。講義を受けて、橋本治さんの姿勢、わかったふりをしないこと、公共性という使命感を持って取り組むことに毎回、驚かされました。このnoteのような記事にしても、雑に書いてしまう自分。わかったふりをして、それすら気づかず書いてしまう自分のダメさを一つ一つ指摘されるようでした。仕事に対して慣れない、スキルが無いなど、自分に言い訳を用意していることに腹を立てるより情けなくなることばかりでした。

会社員だし、会社の広報的な役割を持っているので、仕事で書くものに、一つ一つ公共性を持つことは難しいでしょうけれど、記事の読者に対して、なるべく丁寧に伝えることはしていこうと思いました。

だって、そうじゃないと講座を受けた甲斐がない!

(でも、わかったふりをしないって難しいだよなぁ)

そんな心の声を感じつつ、、仕事で、手を抜いたことに気づいたときには、あのやさしそうなお顔を思い浮かべたいと思います。

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のーどみたかひろ
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。

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