俵万智先生から歌詠みの手足について教わる
2019年3月26日(火)ほぼ日の学校[万葉集講座] 第6回の講師は、
俵万智さん(歌人)です。
授業の前に
先生については、やはり『サラダ記念日』の印象が強いですね。
Kindle版、購入しました。いくつかの知っている歌がありましたが、購入したのは初めてかもしれません。というかね『サラダ記念日』すごいです。
下手なりに詠むことをしていて、強くそう感じるようになったんだと思います。
選び取る言葉の新しさ、いざ声に出してみて反応する心の動き、もう、先生すごいっす!
一瞬で世に出られた方という印象でしたが、ご経歴を拝見すると『サラダ記念日』が出版される前から、いろんなところで短歌が認められているわけですね。
当たり前です。
いくらセンスがあったとて、昨日今日詠んだくらいで、たくさんの人に読まれ認められる歌は出てきません。三ヶ月に満たない程度しか詠んでない、センスがない私でもわかります。
そして、私にとっては歌を詠むことを始めて、一番最初に手に取った歌詠みの技術的な本の著者です。
以前書いたnoteにはこんなこと書いてました。
やったー、虎の巻ゲットーだぜ!と思ったけど、そう簡単じゃなかった・・理解できる説明もあるし、そーかー?と思うことも。なんと技術すらまともに学べないレベル・・
私と先生の距離は、想像もできない遠いということです。
もし、先生に質問が許されるなら、
「こんなに下手でも、センスがなくても、詠んでもいいですか?」
いっそ、厳しい口調で「あなたは詠まないでください!」と叱られたほうが、私の人生のためになるような気さえしてます。歌詠みの方に触れると、異常に殊勝な心持ちになるんです。
という気持ちのまま、授業に臨みました。
(以下、例のごとく、授業の内容は、あまり書いていません)
授業を受けて
これまでの授業の中で一番実践向けだったかもしれません。
今回は、授業の数日前に恋の歌を詠んできてね、という宿題がありました。
そして、授業の直前、集まった歌に対して投票がありました。授業の中で、それらの歌に対するフィードバックがされます。
授業の前半は、万葉集の恋の歌に対する解説です。
始まってすぐは、普通の学生に向けた授業向けのトーンですが、段々と先生の持つ口調に変わっていきます。先生が選ぶ恋の歌、それに対して、学生のときに気になったこと、歌人になった後に感じたことなど、お話されます。
詠み手に対する、先生独自の感想を聞けたのは貴重な体験!
授業の後半は、宿題の歌に対して、票が集まった歌についての解説、票は集めなかったけど、先生が気になった歌の解説がありました。
残念ながら、私の歌は選ばれず・・
先生がおっしゃられた「選も無言の批評」という言葉をずっしりと重く感じて、胸のあたりに質量を感じます。ただここで聞いた歌々に対するフィードバックは、参考になりました。実際にごく最近詠まれた歌、体温を感じる歌に対して、先生がいいと感じた理由、生徒の皆さんの感想も交えて、参考になる話だったと思います。
授業の最後、質疑応答の時間をしっかりとっていただきました。
いざ、その時間になると・・・緊張するもんですね。
これまで、こういう場面で緊張しないよう、自分をしつけてきましたが、[万葉集講座]の時間、歌を詠む方々を前にすると、生来の弱気が顔を出します。結果、挙手することは叶わず。
でも、いくつか生徒の皆さんの質問が出て、回答を聞いて9割の溜飲は下がりました。
結果、
気に入った歌人の歌をたくさん読もう
下手ながら、歌を詠み続けよう
と思いました。
あとは、選に漏れることも含めて、フィードバックが得られる機会をつくること、短歌会への投稿をしようと気持ちを固めました。
(まだ短歌会の諸手続が完了していないので、投稿はできていません)
帰り、有志が集まるいつもの感想戦の途中、
「のーどみさん、わりと(歌で)説明するよね」と、アイタタ・・と感じるフィードバックもいただきました。
ま、分かっちゃいるけど・・・というところですが、説明ではなく、どうにか観察できる対象を切り取る歌を詠みたいと思っています。
次回(4/3)は、発酵学者の小泉武夫先生。
実は、私、小泉先生の授業が受けたくて、[万葉集講座]を申し込んだんです! 先生の食のエッセー、初めて読んだとき、なんて下品な表現なんだ・・と思いましたが、しばらく経って印象が忘れられず、いつの間にやら先生の表現の虜になりました。授業がある日は、息子の誕生日ですが・・妻と子の許しを得て、何とか参加する所存。
他にはこんな予習をしていました。
歌詠みを散々disっておいて、ちゃんと歌についての心構えを教えてくれた本。
天上の虹。全巻読了しちゃいました。
おかげで、今日の恋の歌の背景が入ってて助かりました。
(11巻はサムネが変だけど、ちゃんと11巻が届きましたよ)