46,000日分のお詣りに。暑さに負けずほおずき市に行く理由
ほおずき市をやっている浅草寺に行ってきました。川向うの墨田区に住んで10年以上経ちますし、浅草寺まで徒歩10分くらいのところに住みだしてからも2年以上経ちます。
でも、近くを横切ったことはありますが、ほおずき市には行ったことがありませんでした。
お寺さんには、普段よりご利益の得られる「功徳日」と言われる日がありますが、ほおずき市の日は「四万六千日(しまんろくせんにち)」といって、一回の参拝で46,000日(126年)、日参した分のご利益があるといいます。
ちょっと大盤振る舞いすぎませんか!
もともと、7月10日が市だったそうですが、前日9日から参拝者で賑わうようになり、9日、10日の両日が縁日とされたようです。商売上手ですね。
神社や寺に行くと、お祈りをします。神様仏様に手を合わせます。だいたいは手を合わせ目を閉じる時に一緒にお願いごとも伝えます。
神様仏様がこちらのことを把握しているとは限らないので、
自分の住まいと名前を伝えて、お願いごとに他の人が登場する場合はその人の住まいと名前も伝えます。神社なら「祓え給い、清め給え、神かむながら守り給い、幸さきわえ給え」と唱えます。
お願いごとのフォーマットはだいたい決まっています。
「私は〇〇を望んでいます。努力するので見守ってください」
見守ってください、と言えば、いい結果が得られた時に、神様仏様に感謝できますし、うまくいかなくても、ああ、俺の努力が足りなかったんだな、と思えて、神様仏様のせいにすることがありません。
神様なんていないから、お祈りなんて無駄なことをしないで、正しい努力さえすればいいじゃないか、という現代人的な思考も理解はできます。
でも、自分のことであっても、何でも自分に関わる問題や原因が把握できているわけではありませんし、正しく問題や原因を要素分解できるわけじゃありません。
自分で気づかない無意識の行動が、周りの誰かに影響して、その影響が、自分に対して、悪い結果の遠因になってることもあるでしょう。バタフライ効果みたいに果てしなく、複雑で想像できない因果関係ででなく、風が吹けば桶屋が儲かる程度の因果関係でさえ、理解できているわけではありません。
ネットで発言力がある有識者を見ればわかるでしょう。地頭がよくて、知識も多くて、論理的に考えられる人であっても、すべてが見えていないから犯罪者になってしまったり、不祥事を起こしたり、事件に巻き込まれたりします。
自分と自分の周りのことを、よりよくしようと考えて、行動することはできますが、必ず、見えていない、コントロール不可の部分があります。発生する事象について、運や運の流れみたいなものがあると考えている人には、それが見える、感じることもあるでしょう。私は、そうしたものは見えません。見えない何かに怯えなくて済むよう、神様仏様に手を合わせます。
信心深いわけではありませんが、自分が見えていないこともあると自覚することで、見えない部分に対しても用心深く、殊勝な気持ちでいられるのだろうと思っています。
ずっと、その土地で、いろんな人の祈りを受け止め、時には、ネガティブな感情、不満、怒りも一つの場所で受け取ってきたところで、そうしたお祈りをすることは割と効率がいいことかもしれません。
9日、10日と、大盤振る舞いされた両日にお詣りをしてきました。250年近い日参をした効果を得てしまいましたね。でも、その大盤振る舞いの効果に大きな期待を寄せず、明日からも、見えないものを不用意に恐れず、生活に、仕事に、向き合おうと思います。
浅草寺のサイトを見ると、本堂の開堂時間は、午前6時~午後5時となっていますが、日曜日には、19時近くにも本堂は開いていました。
暑い日中を避けて、夕方訪れるのもいいかと思います。
興味が湧いた方がいれば、ぜひ来年、46,000日分の功徳を得に、浅草寺に行ってみてくださいね。