60分のロミジュリでも新たな発見があるのね
『2019年年末 カクシンハン特別公演 ロミジュリ・フェス「ロミオとジュリエット」』を見てきました。
男性3人の演者による「ロミオとジュリエット」。それも何と60分!
(通常は150分くらいだそうです)
3人で演じるため、役もころころ変わる。60分と時間も短い。
話の筋の説明は挟みますが、初めて「ロミオとジュリエット」を見る人はついていけたんでしょうか?
(あんまり、初ロミジュリという人はいないのかな)
時間が短い分、「ロミオとジュリエット」で、冗長と感じやすいシーンである
パーティ前後、乳母が街中をさまよう場面、ヴェローナの街の外の話、墓のシーン、がない分、楽に集中できたように思います。
渡部さんのジュリエット
渡部哲成さん(カクシンハンスタジオ第1期)は、ジュリエット・・に見え・・・なくもない。確かに動き・仕草は、女性のものでした。もともと、ロミオには惚れられる女性だけれど、役だけで好きになるタイプではないですよね、ジュリエット。キャピキャピしてたり(13歳だからしょうがない)、背伸びしてる感が妙にうざかったり(13歳だし)。オリビア・ハッセーが演じるとか、見た目で好きになる要素があれば別ですけど。なのでジュリエットが男性という違和感は、思った以上に感じませんでした。ただ、男性同士なんで、キスしたり、抱き合ったりというシーンで必要以上に、キャーって気分にはなります。
配役の妙
アフタートークでも話題が出たように、カクシンハンでは、配役の妙で役の違った側面が見えることが多いです。
※私が好きだった配役の妙を感じたカクシンハンの冬物語(↓)
若い人への理解を示しながらも、結果的に立ち振る舞いをまずってる、ロレンス神父とジュリエットの乳母が同じ役だったという話をアフタートークで聞いて、あぁ、この二人は、主役の二人の外側にいる人だったのね、と改めて理解しました。
通常の長さの「ロミオとジュリエット」で、ロミオが女々しくなり、ジュリエットがたくましくなるという流れがありますが、そういえば、神父も乳母もそれに手を貸してはいません。主役二人は、状況に対して勝手に変化するだけです。
時間が短くなることで見えなくなることが多いと思いましたが、これもアフタートークで話されていた通り、二人に集中することによる効果、見えるものもあるんですね。
配役、シナリオを削る、削るだけでなく単に時間を短くするということも、演劇を変えるおもしろい、されど危険な要素なんだということを知りました(だって、劇が壊れてもおかしくないわけですから)。
平日の晩、ちょっと仕事を忘れる時間をいただき、ありがとうございました。
日曜は、リーディング・ライブ「海辺のロミオとジュリエット」があります。
こちらも楽しみにしています。
(重い話らしいけど)