『旅のラゴス』の世界。ラゴスの足跡を追う
筒井康隆さんの『旅のラゴス』が好きだった。
『旅のラゴス』は、「高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした世界(裏表紙より抜粋)」が舞台。旅=人生のメタファーであることが、重い小説でも童話でもなく、ちょうどいい物語になっていて好きだ。すごいワクワクするとか、感動するとかいうことはないが、長い人生と思って眺めることができる。どんな辛いことがあっても、その状況を受け入れて、旅に復帰するラゴスの強さに憧れる。
『旅のラゴス』のような物語について分析したいと、過去、何度も思ったけれど、できていなかった。とりあえずラゴスの足跡を追って、記録しておく。
『旅のラゴス』各章
集団転移
ラゴスの年齢:20歳代前半?
場所:リゴンドラ→シュミロッカ平原
主な登場人物:ムルダム一族、ポルテツ(族長:体格のいい中年男・独身)、ヤシ(若い娘)、デーデ(少女)
能力:けものと精神の同化(ムルダム一族)、トリップ・転移、集団転移
解放された男
時間経過:ムルダム一族に逗留5日
場所:リゴンドラ→シュミロッカ平原
主な登場人物:ヨーマ(20歳前後の若い男)、ポルテツ、ヤシ、コルドン(ヤシと二歳違いの弟)、デーデ(※ラゴスとデーデは9つ違い? 後半に記載)、マグウ(石工)、ゾム(ポルテツの部下)
能力:心がわかる(ヨーマ、デーデ)
顔
時間経過:ムルダム一族と離れて10日
場所:南への旅の途中
主な登場人物:ザムラ(似顔絵描き)、マル(泥鰌髭の愛想がいい男)、ズダロフ(乞食。元は金持ちの色男)
能力:相手の心に鮮明に浮かんだイメージが見える ← 同じ顔に変化する(ザムラ)
壁抜け芸人
時間経過:
場所:オレンジの市
主な登場人物:ウンバロ(顔の浅黒い大道芸人)、ドリド氏(町の名士)、ドリド婦人、ジョウン(ドリド氏のひとり娘)
能力:壁抜け(ウンバロ)
たまご道
時間経過:赤道直下を通り過ぎて一週間
場所:石造りの町
主な登場人物:タリア(宿の女主人)
能力:
銀鉱
時間経過:奴隷狩りに捕まって七年
場所:バドスの町~歩いて2日ほど歩いた山岳地帯 ~ サリュート港
主な登場人物:シャクロ(宿屋の主人)、ラウラ(美貌の未亡人)、ジグ(町一番の金持ち。太った男)、モニク(町の警備隊長)、ダロ(奴隷狩り頭目の息子)
能力:予知能力、予知夢(ラウラ)
着地点
時間経過:
場所:小型帆船~キチ
主な登場人物:サルコ(ラゴスより少し若い行商人)、ボニータ(5歳の男の子を連れた女性)、タッシオ(ボニータの息子)、ゴゴロ爺さん
能力:記録者(タッシオ)
王国への道
時間経過:ポロの盆地に到着時30歳 17年(ラゴス47歳)
場所:ポロの盆地
主な登場人物:カカラニ(森番の娘。12歳)、ニキタ(村の娘。12歳)、タッシオ
能力:同化(ニキタ)、浮かんで移動(カカラニ)
赤い蝶
時間経過:ポロ盆地を出て2年
場所:シュミロッカ平原
主な登場人物:コルドン、ヤシ、ポルテツ、ゾム
能力:
顎
時間経過:顎の原
場所:チタン(40歳余の織物の行商人)、盗賊、スカシウマ
主な登場人物:
能力:空中浮遊(スカシウマ)
奴隷商人
時間経過:北へ4カ月
場所:
主な登場人物:ムト(中年男。盗賊)、ウラムジ(若い男。盗賊)、デノモス(ラゴスのいとこ。商業都市オノロの視聴)
能力:
氷の女王
時間経過:~ラゴス55歳 ~ その後、68歳で旅立ち
場所:キテロ市 ~北へ
主な登場人物:ゴルノス(ラゴスの兄)、ゼーラ(嫂)、・・・・、ドネル
能力:
これから
それぞれ、ラゴスがどのように苦難を乗り越えたのか、この記録を元にそのうち分析してみようと思う。特に、奴隷に身をやつした時の考え方、行動あたりかな。