『イマジナシオン』のPartⅣ,Ⅴで好きだった短歌
2022年12月の誕生日にもらった歌集『イマジナシオン』
一気に読むのがもったいなくて、少しずつ読む… はずだったが、つい読み終わってしまった。仕事する場所の近くにずっと置いていたのでしょうがない。
noteタイトルは、「Ⅳ,Ⅴで好きな歌」としているが、このnoteではⅣからは取っていない。Ⅳ章は、他の章とだいぶ雰囲気が違った。句またがりの歌、定型から外れたものもあって、さらに、誰目線かわからないものが多かった。最後に書いてあった山田航さんの解説を読むと、最初から連作として作られたものらしい。他の章と同じように、一首一首をつまむように読んでいたので、うまく入ってこなかったのかもしれない。Ⅳ章は、またあとで全体を眺めてみようと思う。
今回も気に入った歌を取り上げて、感想を書いておく。
影を描かないから、そこに光が当たっていたことに気づく。
やらないから。触れないから。そこにあるものに気づくという場面は、他にもあるだろう。こういうところに気づける人になりたいし、そんな歌を詠みたい。
星が少ないのはもちろん、地上の建物の明るさによるものだけれど、「借景」という言葉もあるように、風景を眺めながら歩く時、またいろんな場所から東京駅に帰ってきた人が気持ちの中に星を映す時に、景色の一部である星を借りることがあるかもしれない。だから星が少ないのだ、と言われれば、そうなのかな、と思わせてくれる。「ひと」がひらがななのもいいですね。漢字とかなのバランス、字面から受ける感触としてもちょうどいいですね。
もうすぐ半世紀になる私も冬の寒さに驚きます。もちろん、厳密に言えば、昔とは気候が変わっているし、成長の過程、体の変化で、感じ方も少しずつ違うわけだけれど、繰り返す、同じ季節という認識なのに、それでも驚いてしまえるという事実、それも何度も何度も。驚いた事実、年を重ねている事実を組み合わせただけで、そうだよなーと思える歌でした。
『イマジナシオン』の感想
やっぱり、あぁ、ここ切り取っちゃうのか! というtoron*さんの短歌が好きです。でも、きっと歌集のタイトル通り、想像だけで作った歌も多いのだと思います。狙いすぎたように感じることもあるので、すべてがするする入ってくる歌ばかりじゃないけれど、
一目見て、あっ! と思って、でも歌はするする入って、飲み込んだ感触も悪くない。そして、もう一度、読んでみて、うん、いいな、と感じる歌が多くて、よかったです。ごちそうさまでした。おいしかったです。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。