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昭和19年の十銭硬貨の価値

先日、上司の机から何故か十銭硬貨が出てくるという珍事が起きた。

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裏を見ると昭和19年とある。
昭和19年といえば、戦争でいよいよ物資が不足しまくっていた頃のはず。
お金だってそうそうたくさん発行されてはいなかったと思うのです。硬貨の材料になりそうな素材って、軍事用に回収されまくってそうじゃないですか。寺の鐘まで持ってかれてたっていうし。

もちろん、この十銭硬貨を売ろうなんていう気はありませんけど、もし売った場合、今ではどのくらいの価値があるのか気になったので調べてみました。

結論:現代の価値では80円

発行数 450,000,000枚
極美品 80円
新品  100円

思ったより安い。笑

極美品でこれですからね。昭和19年物で新品扱いのものなんてあるのか?って感じだし。

この発行数が多いのか少ないのか私にはよくわかんないですけど、少ないわけではないようです。だから別に珍しいもんでもないってことですね。
ただし穴が開いてないだとか傾打がズレてるなんて物だと、珍しさアップで価格は跳ね上がる、と。万超えとか!

失敗作が後々とんでもない価値を生み出すこともあるという、いい例だね。

素材のせいで安い

この頃のお金は臨時補助貨幣と呼ばれていました。戦時下、貨幣の材料調達事情に合わせて製造されていたお金のことだそうで。
あの材料は今入ってこないとか、これは軍事用で持ってかれるから~とかで、硬貨の素材を変えてたんですね。

昭和19年発行の十銭硬貨は錫でできている、錫貨幣です。
錫の産地はマレーシア。
マレーシアは当時日本の占領下にありましたから、手に入りやすかったんですね。

ところが戦局悪化に伴い、錫の輸送も難しくなってきた。
錫に変わる素材で作んなきゃ!ってことで作られ始めたのが陶貨幣。しかし作ってる最中に終戦を迎えたため、これは発行には至らなかったようです。

錫ってのは軟質で、本来は硬貨に向かないとのこと。
なるほど、手元の十銭を見ると相当深い傷がある。

現代でいまいち値段がつかないのは、ヤグくて傷物が多いからという理由もあるんですね。

昭和19年の物価

気になるのは当時の物価。どれがいくらで買えたのか、いくらかかったのか、いくらで食べられたのか、ってことですが…

昭和19年というピンポイントで調べると、これといったものが出てこない。
昭和15年ではまたちょっと違うだろうし…ちなみにタバコは10本10銭くらいだったようですが、タバコも途中から配給制になってますよね?配給制になってたものって、普通に店で買えたのかな?

食べ物だって「今日は配給がこれしかなかった」とか言って、ほんのちょびっとじゃないですか、ドラマや映画を観てると。あれは昭和20年代に入ってからの話なのかなぁ…

と、いうわけで、私の手元に昭和19年の映画雑誌がございます。
こちらを観てみましょう。

「新映画」昭和19年11月号です。

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65銭。

てことは、10銭っていうと今の100円程度のものと考えればいいのか…
てことは?さっきの「10銭を売りに出したらいくらになるか?」の金額と同じなんだ!

アンティークな分加算しますよ的なものは全く無いんだ…笑

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