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【小説紹介】表紙がカッコイイ小説3選!

こんにちは。今回は表紙がカッコイイ小説を3冊紹介します。

①『教育』(遠野遥 著)

【あらすじ】

一日三回以上オーガズムに達すると成績が上がりやすいとされていて――。勝てば天国、負ければ地獄の、規律と欲望が渦巻く学校。私の幸せは、正しいのか? 人間の倫理を問う、芥川賞受賞第一作初長篇。
デビュー作『改良』で文藝賞、第2作『破局』で芥川賞、そして――
ようこそ、危険な学園へ。全人類、未体験の読後感! !
『教育』遠野遥


『教育』遠野遥 著


イケメン風の男性の目元を覆う不穏な影。

「ハレンチ×超能力×ディストピア」小説と呼ばれている本書のすべての要素が込められているデザインで、ついつい引き込まれてしまいます。

内容は18禁(?)気味なのでおすすめする人を選ぶ必要がありそうですが、個人的には好きな世界観でした。

疑うことなく当たり前に享受してしまう世間的な尺度や常識は本当にすべて正しいものなのか。

独特な世界観と設定が、あなたに考え直す機会を与えてくれます。


②『家庭用安心坑夫』(小砂川チト 著)

【あらすじ】

夫との平穏にみえる家庭に漠然とした不安を抱えた専業主婦小波が、ある日、日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったはずのシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。小波はいまも実在する廃坑テーマパークに置かれた、坑夫姿のマネキン人形があなたの父親だと母に言い聞かされ育つが、やがて東京で結婚した彼女の日常とその生活圏いたるところに、その父ツトムが姿を現すようになって……。
現実・日常と幻想・狂気が互いに浸蝕し合いながら、人間の根源的恐怖に迫っていく作品。想像力と自己対話によって状況を切り抜け成長していく主人公は不可思議で滑稽な言動と行動に及ぶが、それがかえって小説としての強度となり、ある種のユーモアを孕みながら読む者を惹き込み、我々を思ってもみなかったような想定外の領域へと運んでいく。
『家庭用安心坑夫』小砂川チト


『家庭用安心坑夫』小砂川チト 著


真っ白な清潔な服にブラウン色の髪の毛を上品に整えた紳士のような男性。

の顔に浮かぶ宇宙空間のような無限の奥行を感じさせるシュールレアリスム的なデザイン。

タイトルや表紙のデザインだけではこの小説がいったいどんなお話なのか想像つきづらいですよね。

本書は第167回の芥川賞の候補作&第65回群像新人文学賞に選ばれた作品で、小砂川チトさんのデビュー作でもあります。

本書はゴリゴリの純文学作品で人によって読みづらさを感じてしまう内容ではありますが、ぼくはめちゃくちゃ好きでした。

なんといっても、主人公の頭のネジが10本くらい外れた、常軌を逸した行動と思考のドラマがたまらない。


③『原因において自由な物語』(五十嵐律人 著)

【あらすじ】

謎を解かなければ。
私は作家なのだから。

人気作家・二階堂紡季には、
誰にも言えない秘密があった。
露呈すれば、すべてを失う。
しかし、その秘密と引き換えにしても、
書かねばならない物語に出会ってしまい――。
『原因において自由な物語』(五十嵐律人 著)


『原因において自由な物語』五十嵐律人 著


こちらも何とも言えないシュールレアリスム的なデザイン。

顔にもらがかかっているデザインといい、顔に宇宙空間みたいな模様がくっついたデザインといい、顔に骸骨がくっついていたデザインといい、ぼくは顔になんかついてるデザインが好きなのかもしれません。

ぼくは本書を表紙だけでなく、タイトルの不可解さも込みで魅力に感じ読んでみました。

「原因において自由な物語」とは何なのか?

このタイトルは実は「原因において自由な行為」という法律用語が元になっています。(著者は現役の弁護士さん!)

原因において自由な行為とは、完全な責任能力を有さない結果行為によって構成要件該当事実を惹起した場合に、それが、完全な責任能力を有していた原因行為に起因することを根拠に、行為者の完全な責任を問うための法律構成をいう。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より


なぜ表紙の人物の顔は見えなくなっているのか?

こちらも非常におもしろい世界観のミステリー小説なので、ミステリー好きの方におすすめです!

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