【小説紹介】タイトル見たらわかる、おもろいやつやん!
こんにちは。今回はタイトルを見ただけで「うわ!これ絶対おもろいやつやん!!」ってなる小説を5冊紹介します!
①『殺した夫が帰ってきました』(桜井美奈 著)
【あらすじ】
一見するとふつうに見える人間でも、バックグラウンドにはさまざまなもの(闇だったり深い傷だったり…)を抱えていて、断片的に切り取られがちな行為も、それに至るまでの過程には善とも悪とも甲乙つけがたいことが多いんだなぁ、と感じさせられる小説。
実際読んでみて、思っていたような展開とは少し違いましたが、今まで読んだことがないタイプの小説だった記憶があります。
②『死にたくなったら電話して』(李龍徳 著)
【あらすじ】
物語の始まりから終わりまで、終始アングラな雰囲気が漂っていて、
この物語に出てくる登場人物は、いってしまえば、とんでもなく”出来損ないな人たち”なんですよね
でも、そんな”出来損ないな人たち”が人生で抱える感情だったり、物事に対する考え方や価値観だったりというのは、案外”ふつう”の生活を送るぼくたちにも相通じる部分があるんじゃないか?、と
みんなそんなことを考えてはいるけど、表には出してないだけで、きっと自分はそんなんではない!と否定したいだけなのでは?、と
あらすじに「人間の無意識に潜む破滅への欲望」とあるように、人生の中で自分への”抹消願望”が芽生えた時、この世界での自分の存在を肯定できなくなった時、
自分は何を想って、どんな行動に出るのか……
物語の最後まで登場人物たちが、予め定められていたに抗いながらも、どんどんおかしな方向へ行ってしまう……
最後まで読めない展開で、思わず一気読みしちゃいました。
③『15歳のテロリスト』(松村涼也 著)
【あらすじ】
あなたの家族や大切な人が、少年犯罪の被害者になったとき、どんな感情が芽生えますか?
あいつの存在が憎い、のうのうと生きてるのが許せない、自分の人生を滅茶苦茶にしたあいつを殺してやりたい…
本書の主人公である篤人は、過去に母親と妹を17歳の少年によって殺された過去を持っています
その事件は篤人の人生は凋落させ、幸福な日々は一生癒えることのない大きな傷を生み出した
その憎しみや悲しみの情念を吹き飛ばすかのごとく、篤人はとんでもない事件を巻き起こし、、、
とても臨場感のある描写と、道徳的な感情に訴えかける著者からの問題提起は、ひとりの人間として考えさせられる部分が多かったです。
④『家庭用安心坑夫』(小砂川チト 著)
【あらすじ】
タイトルだけだとどんな内容の小説なのか、まったくわかりませんよね。笑
ついでに表紙もなんだかシュールレアリスム的な不思議な世界観が漂っています。
本作の主人公は、いい感じにトチ狂っています。
純文学に出てくる主人公らしい「偏愛ぶり」が発揮され、ただその偏愛を突き詰めていった結果、おかしな方向に拗らせていってしまう
感覚としては、『むらさきのスカートの女』と若干似た感触を覚えました。
個人的に第167回芥川賞候補作のなかでいちばん好きだったな。
⑤『おまえなんかに会いたくない』(乾ルカ 著)
【あらすじ】
これまたパンチ力のあるタイトルですよね。なんかズシっとくる感じの。
本書はいくつかの章にわかれており、それぞれ一人称で描かれているのでひとつの出来事に対して複数の思惑や視点が浮き彫りになってきます。
その描写力が臨場感アリ、現実感アリのおもしろさ。
「スクールカースト」も扱っており非常に現代的な内容も含んでいるので、自分の学生時代を重ねあわせながら楽しむこともできると思います。
「同窓会」「復讐劇」…。こんな同窓会は嫌ですね。(笑)
以上、5冊を紹介しました。
一冊でもみなさんの気になる小説があったらうれしいです!