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#続・学習者起点 不親切な授業のススメ。かわいい子には旅をさせよ。学習者起点の学びを振り返る。
まえがき
令和4年度の授業も残りわずかとなった。これまで、学習者起点の学びの授業実践をし続けた。年度末となり、本日実践した授業を振り返るために、1時間の流れを記事にする。学習者起点の約束事を振り返り、来年度につなげていく。
1.約束事
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2.教師の心構え
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3.中学2年生理科の実践(2023.3.20~22)
(1)席替えする理由を生徒に問う
これは、グループ活動で対話を通して、学習課題に向かうためである。
対話は、信頼関係を築き相互理解のためのコミュニケーションという意味合いを持つ。これは、人それぞれ持っている価値観が異なる、という前提に立ち、相手を真っ向から否定するのではなく、お互いを尊重し合い話し合うことで新しい答えを導き出すことである。
生徒に向けには、
「それ、違うんじゃない?」と指摘してくれる人こそが大切にしよう。同じ意見の人といたって、あなたは成長しないんだ。
(2)教師の説話
LED電球の直流と交流を比較する考え方をはたらかせる演示実験をして、生徒の疑問から問い(学習課題)をつくる。
<参考資料>直流と交流の違い
<参考資料>理科の見方・考え方
見方
●エネルギー:主として量的・関係的な視点
●粒子:主として質的・実体的な視点
●生命:主として共通性・多様性の視点
●地球:主として時間的・空間的な視点
考え方
●比較する ●関係づける ●条件を制御する ●多面的に考える
生徒の「LEDが点滅している」のつぶやきから学習課題を設定する。
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(3)対話中心のグループ活動
対話が苦手な生徒が多い。言葉で伝える前に、一人ひとりの思考を整理させるために「思考ツール」を利用し、紙に書く活動を仕組んだ。対話する環境をつくるためである。
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(4)不親切な授業
この活動が生徒にとって難しいのは、以下2点であるが、教師は一切この点には触れない。
◆直流について、生徒の理解が不十分であるため、まず直流とはどのような電流の流れかを知らなければならない。
◆LEDが点灯するためには、LEDのプラスに電源の+極を、マイナスに-極つながねければ点灯しないことを呼び起こさなければならない。
(5)後押し(コーチング)するタイミング
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各グループを個別に周りながら、支援をしていく。学習課題やグループによって、毎時間支援する内容が異なる。教師は、その場に応じた、効果的な支援をグループや個人にする必要がある。
あきらめそうなグループへの、効果的なコーチングは、できたグループの生徒からである。学び合いが生徒にとって一番よい。
・あきらめそうなグループ : 具体的なヒント
・あともう少しのグループ : 批判的アドバイス、具体的な教科書ページ
・できたグループ : 賞賛し、他のグループを支援するよう指示
(6)生徒からの発信
1時間の予定であったが、グループ活動に十分な時間を当て2時間授業での展開をした。最終的な、生徒の成果物が下の画像である。オンラインツールでの「思考ツール」の使用を考えたが、紙によるワークシートとした。今回の場合は、紙によるワークシートの方が試行錯誤しやすく表現が豊かになるのではと考えたからある。
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紙のワークシートを生徒がタブレットで撮影をし、学習eポータル「まなびポケット」に投稿する。教師が、「まなびポケット」から大型テレビ装置に表示させ、各グループが発表をする。
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(7)振り返り
授業の最後は、オンラインの振り返りシートに記入をする。過去の自分の振り返り、級友の振り返りを一覧で確認できるように表計算シートを共有している。この時間は、十分に振り返りの時間ができなかったことが失敗であった。
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振り返りの視点も大切にしたい。何とく学習課題について、振り返りを書かせると「〇〇について、理解した」などの内容が多くなる。振り返りの視点もしっかりともっておく。下記以外に対話活動の振り返りなど、授業のねらいに応じた振り返りをする。
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(8)教師の振り返り
学習者起点の学びに向けた生徒の活動について、教師から説話する。
「今日のグループ活動は〇〇だったね」「〇〇さんの発言は、友達の疑問を引き出したね」など、学習起点の学びに向かう生徒を賞賛することが大事である。
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4.不親切な授業のススメ
不親切な授業は、生徒にとって、わかりづらい授業である。
不親切な授業は、生徒が対話を通じて学び合う授業である。
不親切な授業は、未来を切り拓く生徒の主体性を育む授業である。
5.不親切な教師の役割
教師は、わかりづらい授業をデザインする。
教師は、学び合いの環境をつくる。
教師は、課題に向かう生徒を励まし、背中を後押しする。
あとがき
不親切な授業は「わかりづらさ」がポイントである。どの程度、難しするかで、対話時間や個別支援の仕方が変わってくる。学級や生徒の実態で、授業の流れが変わってくるのである。
しかし、この流動的な授業を教師がコントロールすると活動的な授業となる。教師の腕の見せ所である。教師にとって、この流動的な授業は楽しい。
また、大きなポイントは、生徒自身で「問い」を立てることである。これを授業で展開できるよう実践を重ねていく。
教師の役割は、デザイナー、ファシリテート、コーチングと役割が変化していることを自覚しつつ、見合ったスキルを身に付けよう。
ただし、教科に精通した教師という側面も大事である。子どもと社会を結ぶ教師として、これからも学び続けていく。