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かつて人々の賞賛を集めた「神聖娼婦」とは

リクエストにお応えして、COBRAの2018年3月6日の記事「Sexual Energy」で紹介された記事「Who’s The Sacred Prostitute & Why Was She Honored?」を翻訳しました。

※翻訳がお気に召しましたら、記事下部からサポートのご検討をお願い申し上げます。


"性的エネルギーは女神の秘儀と最も深く関連しています。

それによって、男女の両極性は再統合されてアセンションにつながります。これが真の意味で練金術的な公式であるsolve et coagula”(溶融し凝固させる)です。

紀元前3000年 から300 年までの期間には、女性は女神の寺院で性的なヒーラーとして自己表現することができました。"


元記事


By Christina Antonyan| July 21st, 2016

「神聖娼婦の光は、この闇の中心にまで入り込む。...あの女性は神殿で女神エネルギーを受け入れるために聖別をされた尼僧だ。彼女の中には女神の女性原理の力が流れていて、人体の美と情熱を喜びをもって表現することができる。」
-神話作家・心理学者マリオン・ウッドマン


ケネス・スタブス博士の著書『Women of the Light:The New Sacred Prostitute』をはじめとする「神聖娼婦」について書かれた本がたくさんあったり、2012年の映画「セッションズ」という映画でセックス・セラピーが描かれているのを見て、「なんで売春行為が神聖なのか」の疑問に思っていました。

娼婦は 「世界最古の職業であり、世界各地のあらゆる社会に登場する職業」 と言われています。大昔の娼婦たちは「神聖娼婦」と呼ばれていたそうです。

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なぜ娼婦が神聖視されたのか?

メソポタミア、シュメール、ギリシャ、エジプトなどの古代文明には、今日のような売春宿は存在しませんでした。

代わりに、神殿巫女としても知られる「神聖娼婦」が集まる寺院がありました。性行為が聖なる行為であることを理解するには、まず自然と調和した社会で生活することが不可欠です。

女神イナンナと女神イシュターの神殿では、神聖な性交の習わしが実践されていました。古代メソポタミア文明ではとても重要な儀式であり、一般市民にも親しみがあるものでした。神聖な性交で生み出された聖なるエネルギーによって、その土地の肥沃さが強化されると信じられていたのです。

ナンシー・クールズ=コーベットの本には次のように説明されています。「再生の力として生成された欲情や性的反応というのは、人々にとって神の祝福として受け止められていた。男女の性は、それぞれが宗教的に格式高いものでなければならない。」

この観点でみれば、なぜ性と霊性が同一であって、宗教的な礼拝行為になったのかが理解できます。

女神神殿では神聖娼婦によるサービスが何千年もの間提供されてきました。

インドは宗教と神のセクシュアリティについて豊富で多岐に渡る伝統や宗教を持つ、歴史ある国です。ヒンドゥー教を見ればお分かりのように、人々は神や女神の行い対して、自然にエロティックな態度をとっています。

ヒンドゥー教では神聖娼婦は「デーヴァダーシー(神の侍女)」と呼ばれ、寺院において神への奉仕を行う巫女として知られています。

神聖娼婦とは

性的なヒーラーと言えるでしょう。

輝かしい女性僧であり、力、英知、清純、愛への意志をその身と心をもって体現した女性です。

女神巫女たちは愛と性の化身であり、最高格の霊的権威を誇る存在でした。

男性達は巫女たちの支援を受けることではじめて自分自身と再接続することができました。その喜びと祈りを通して、自分の霊的な力を思い出すことができたのです。

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神聖娼婦は自分のことを恥と全く思っていません。自分が犠牲者だとは考えませんし、誰もそう思っていません。「性行為は強要されるものではありません。」自ら進んで行動し、他者へ奉仕することを選びました。

よく知られる神聖娼婦たちの能力の一つに、「男性から戦いを取り除く方法」があります。戦争から帰還した傷ついた男性戦士達は、家に帰る前に巫女たちに心と体を癒してもらうために、女神寺院の門をくぐったとされています。

女神巫女たちは戦士たちが戦いで負った肉体的、感情的、精神的な傷痕を洗い清め、なだめ落ち着かせ、揉み解して癒してあげていました。

巫女たちは自分の磁場を拡げ、そこに男性の傷ついたエネルギーを吸収させていきました。彼の体、心、魂からは戦争の影響がその磁場へと文字通り吸い込まれていったのでした。

そして巫女のエネルギーと純潔な女性らしさによって、彼女は優しく、やわらかく、彼を元の状態に戻して愛してあげたのです。

古の時代、神聖娼婦(女神神殿巫女)の信条は、大母神(グレート・マザー・ゴッデス)の信仰と結びついていたとされています。

自らが女神の化身となって、参拝にやってきた男性たちと神聖な性的の儀式を行いました。

女神神殿巫女は「天界娼婦」として賛美されていました。神々の化身となって神聖な愛の儀式を行うということは、大変な名誉だったのです。

聖なる娼婦の終焉

この慣習も歴史の中で消えていきました。その原因は複数あると考えられ、価値観の変化も組み合わさって非常に複雑であり、この記事の中で扱うには広すぎる範囲になってしまいます。

しかし、人々は女神を信仰しなくなってしまい、女性の体と心を否定し、邪悪なものと見なす時代があったのです。

これだけは覚えておいていただきたいのですが、「神聖娼婦」 とは単に女性が男性を性的に喜ばせるために体を売った女性ではありません。

そのような自己破滅的な行動では全くありませんし、そのような概念を超えた存在だったのです。

今この時代に生きる我々にとって、「神聖娼婦」はどのように見えているのでしょうか?


記者クリスティーナ・アントニアン

参照文献:
-Hutton, R. The Triumph of the Moon (Marvelly, P. Women of Wisdom)
-Nancy Qualls-Corbet, N. The Sacred Prostitute
-Deena Metzger – Tree and the Woman Who Slept With Men to Take the War Out of Them
-Marvelly, P. Women of Wisdom

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