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小説「闇祓」ネタバレ感想

辻村深月「闇祓」角川文庫
ネタバレありますので回避したい方は読まないでください。

Amazonでたまたま見かけて、初版限定イラストカードにつられて
入手しました。山田章博氏の表紙に抗えるわけがない!
(しかしこのカードはポスカより小さいし、白い縁取りが大きすぎるし…
もう~せっかく絵は超素敵だというのに)
辻村深月さんは「なんか有名な人」程度の知識で、
表紙が欲しいから買っただけで、
内容はたぶん面白いんじゃない?程度の軽い気持ちで……
すみませんでした滅茶苦茶面白かったです!!
※この小説を読む予定の方は、以下のネタバレ感想を読まないでください。

うう、面白すぎて徹夜。
一章は「なんだよリア充恋愛小説かよー」と思ってたら
どんどんモラハラが…
人外ホラー要素もたっぷりあるんですが、人怖要素もかなりあります。
二章のママ友マウントが一番怖かった…
素敵にリノベーションされたキラキラインテリア、完璧ファッション
完璧手作り料理、すべてが素敵なはずなのにどんどん悪意が増すんです。
意識高い系ママと、自信たっぷりパパ
そこに、ちょっとマウント取れちゃうよ~という
ステキ肩書を持った主役が訪れたら…ステキ肩書同士が出会ったら…
(いや、主役はマウント取りたいなんて思ってないし
ひけらかすわけにはいかないってセーブしてるけど、それもなかなか
自意識過剰でこれはこれでちゃっかりマウントだと思う)
すでに関係性できあがってるママ友集会への疎外感とか
いきなり距離なし会話とか、人怖要素もすごく面白かったです。

どういう風に面白いのか、説明できるほどの語彙がありませんが…
章が進むにつれて、登場キャラの下の名前出てくるけど
そういえば名字こそが重要キーになってくるだとか
小説だから登場キャラの顔見えないことがトリックだとか
謎要素がめちゃくちゃ面白かったです!
章ごとにキャラも場所も変わってしまうけど、間接的につながってるので
「あの場所は、あの人はどうなったんだ」というのが
見えそうで見えない、断片的に見えてくるのが絶妙です。
この作品の敵(元凶)は人に対して思考操作もできちゃうというか
その人が元々持ってた闇を増幅できちゃうというか…
なので、キャラの思考を読んでいても、どこまでが影響下で
どこまでが本人のものなのか分からなくて
その区別の曖昧さも怖かったです。

なんでもかんでも「〇〇ハラ」言いすぎだー!とも思うけど
まあそこも物語の大事な要素だから…
あともうひとつネタバレですが。
死亡事故というデリケートな話題のときに、
ぽんぽん軽いLINEスタンプが飛び交うママ友グループチャットが
めちゃくちゃ怖かったです。
こっちはこれからスタンプ制作しようって時に
「スタンプ怖ええええ」って逃げたくなりましたw

感想はただひとつ… はやく続編出して!!!

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