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ノスタルジーなしらかわごう

茅葺き屋根、合掌造り、白川郷。
聞いたことがある言葉もあれば、ない言葉もあると思います。

この写真を見れば、何となく知っているという人も多いと思います。
岐阜県北部の豪雪地帯に位置する白川村は、通称白川郷と言われています。

いきなりマニアックな話になりますが、
合掌造りは、想像以上に急勾配の屋根(55-60度)や、太いはり、いっさい釘が使われていない設計、屋根裏に2-4層の空間を確保できる高い天井で構成されています。
屋根の位置にも工夫が凝らされていて、夏の時期には気化熱作用により、屋根裏を涼しく保つため、冬の時期には融雪と茅葺屋根の乾燥が配慮された向きになっています。

ハード面ばかりに目がいきがちですが、
白川郷が誇る最大の地域資源は上述した『合掌造り』と、もう一つ、相互扶助の精神『結』という文化が残っています。
家族はもちろんのこと、住民がともに助け合いながら紡いできた歴史。
もっとも大切なのは「世界遺産」というブランドではなく「白川郷」に住む人々の生活や風土、文化であることを忘れてはいけません。この場所ならでは、田舎ならではの素朴さや温かさ、少々のおもてなしが観光競争力の原点なのです。

葺き替えの様子

屋根を大勢でふき替えている様子を見たことはありませんか?

過去、豪雪地帯で生活環境が厳しい山間部の村では、『結』により互いに助け合って生活を維持してきました。
昭和初期には日本各地でも「隣組」という組織があり、沖縄にも「結(ゆい)マール」があり、当たり前のように「都会は、隣に住んでいる人の顔も知らない」と揶揄されることを思えば、信頼の度合いは違えども、人間は人と助け合って生きていきたい生き物なのでしょう。
だからこそ、いまもなお受け継がれている『結』に安堵するのかもしれません。

いま世界が目指しているのは、『サステナブルな社会(持続可能な社会)』です。観光における『サステナブルツーリズム(持続可能な観光)』では、「地域の文化や自然環境に配慮し、本物を体験し味わうことなどを通して、観光地の住民と観光客とが相互に潤うことが重要」という概念が生まれています。

ぜひ、足を運んで、むかし懐かしの古きを知れる日本を感じてみてください。
自然と生活の調和で輝く 「白川郷」の魅力を多くの人に感じていただけたらと思います!

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逆境のパッショニスト
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