音楽劇 A BETTER TOMORROW 男たちの挽歌観劇レポ


6/24~7/8  東京 日本青年館ホール
7/12~7/16 大阪 オリックス劇場

 上記の日程で行われた 音楽劇【A BETTER TOMORROW 男たちの晩歌】の観劇レポを書きます。なお、のえ担でありますゆえレポ内容に偏りがございます。(ネタバレを含みます。)
印象的だった台詞や歌詞を書いていますが、記憶上間違っている場合もあります。ニュアンスぐらいで捉えていただけるとありがたいです。
できるかぎり流れに沿っておりますが、場面が前後しているかもしれません。ご了承ください。


  冒頭 1989年 不夜城(香港)に到着した場面。
・着いたぜ、香港!と嬉しげで可愛かったです。
・「前進シマス前進シマス」のマークが可愛かったです。
・文通仲間だ(自信満々)→(墨を刷る様子から書く真似)の流れで大阪公演のあたりから「よ」「ろ」「し」「く」「ね」「♡(らぁぶ)」と♡が追加されてました。「ね」で高音なのも可愛かったです。
・「兄貴はいいよー、親父さんもいるし弟もいる、俺は天涯孤独一人っきり~」といじけるのも可愛かったです。
「俺には兄貴しかいねぇ、兄貴しかいねぇ、兄貴しかいねぇ」とホーの耳元で洗脳でもするかのように言っていました。低音のイケボの時もあれば高音の時もありました。
・5年前というのもあるのか、無邪気さを感じられました。
・香港の歌(レッツ・ゴー香港!)もミュージカル感がありつつ、踊りが優雅でした。
・犬かきも可愛かったですし兄貴の額にチュッチュしているのも可愛かったです。

  
ここで映像が流れるのですがかっこよかったです。(日本語と広東語?で演者の名前が流れました。)

  

 キットの大学卒業を祝う場面。
 ・階段から降りてくるマークの歩き方が治安悪めの兄さん感があって歩き方からマークでした。卒業祝いに何をあげるのか、女か?と言うマークが可愛かったです。キットのちんちんにリボンをつけて〜と言いながら自分のにリボンを結ぶ動作をしているのも、ホーに断られ、リボンを解く動作をしているのも可愛かったです。
・キットとディエン(父親)が来てディエンが階段を駆け上がっては駆け下りたりハイになったりしているのを見て心配するキットとふざけるディエンの会話が微笑ましかったです。アドリブが入る時もあって楽しみながら見ていました。大千穐楽では「無駄な動きが多いぞ、キット」と言われていました。
・そしてキットから伝わる兄さん大好き感が切ないです。ホーを見かけると「兄さんー!」と手を広げて上手から下手へ走る{往復×2(?)}をしホーに抱きつくキットからは中々帰ってこない時もあったであろうホーと、伝わる愛、続かない幸せな一時が感じられ明るい場面なのに泣きそうになりました。キットが嬉しそうに警官になったと報告するのも、その後のマークとホーの反応も泣きそうになりました。
・ジャッキーらマフィアの人間が来た時にホーに伝えるマークのさり気なさが良かったですしこうやって2人で仕事してきたのかなと思いました。ホーが台湾に行くことが決まった時に俺も行きますと言うマークと、残って組をまとめてくれと言われるのがまた刺さりました。マークがブラッキーとは親しげに絡むもシンには馬鹿にしたように絡むのが気になりました。まるで文通していたのはブラッキーだったかのような空気感でした。下手でブラッキーに「おすわり、お手、ちんちん」と言われ、正座し、片手をだし、ちんちんを見せようとするマーク可愛かったです。ズボンを脱ぐ動作の時もあれば座って足をV字に開いてる時もあって可愛かったですね。
・ショットグラスが届き「乾杯だ」とディエン、ホー、マーク、キットでそれぞれキットに「おめでとう」と言いながら乾杯しているのが可愛かったです。「乾杯ー!」というマークが可愛かったです。ショットを煽るマークかっこよかったです。また上手側のテーブル席で足を広げて座り酒を煽るのもかっこよかったです。
音楽が流れ、階段で踊っているマークが可愛いです。(Good Night 香港)腰を振ったり回ったり、階段を降りながら投げキスをするのも手慣れてました。プレイボーイ感が良かったです。投げキスも複数パターンがありました。どのパターンでくるか楽しみに観ていました。
ステージ上で足を少しあげる振りも大きくクラップするのも可愛かったです。
・ホーを見送る時には階段上で気をつけて、お前もなと言葉の重みがありました。ハイタッチからの身体をぶつけ合う?全身のハイタッチ的なのも良かったです。


 
 ホーが逮捕される場面
・シンとホーの会話がメインで進みました。他の人を逃がし自首すると言うホーの決意がみえました。組をどうするのか尋ねたシンに対し、組はブラッキーに任せる、マークにブラッキーをサポートするように伝えろとシンへの言及はありませんでした。

  

 ディエンの病室での場面
・キットとディエンの会話で、ディエンが「今夜は看護師さんと𓏸𓏸をするんだ」という所の𓏸𓏸が何か毎回楽しみにしていました。ジャッキーとディエンのやり取りでは、着替える場面で正面に立つジャッキーに「ワシのヌードが見たい?」と問いかけるのもジャッキーが離れるのも面白かったです。そこからいきなり花瓶を投げ、戦いになる一瞬の変化が引き込まれました。
・キットがジャッキーを刃物で切ろうとするのを瀕死のディエンが「やめろ、キットお前は警官だ」ということで止めるのも、死ぬ間際、キットにホーが捕まったこと、ホーが偽札を作る組織にいたこと、それは生活のためだったから憎まないでほしいことを伝えるのも切なかったです。
・キットの歌(兄さんを憎む)どうしようもない憎しみが節々から伝わってきました。ナイフを床に突き刺す動きも、そこから赤が血のように広がっていく映像の演出も一層そう感じさせました。

  
 
 偽札工場にマークが来る場面
・シンがマークと呼ぶと「呼び捨てか?偉くなったなぁ、坊ちゃんよ」と言うのも、ホーが自首したのはお前らの為じゃなく、弟と親父さんの為だと言うのも刺さりました。机に散らばる偽札をなぎ落とし、そのうちの1枚に火をつけて煙草を吸うのが絵になっていました。サングラスに黒のロングレザージャケット、赤い柄シャツと衣装も相まってでしょうか。キンにブラッキーの始末を尋ねるのも、いいですか?いいんですね、俺がいきます、俺一人で……と敵討ちに燃えているのが伝わりました。サングラスを外すのも目がバッキバキなのもより気合いが感じられました。
・後半になるにつれ、煙草を吸う回数が増えた気が……(気のせい?)

 
 敵討ちに行く場面。
・上手側からバイクで登場し、下手に停めるまでかっこよかったです。
・後ろ姿で指パッチンから歌が始まるのは一瞬君だけに(デビュー魂のえげん)の亡霊がいました。
・マークの♪裏切者に制裁を〜の歌(Kill Them All!)から憎しみや怒りが伝わってきました。
・ブラッキータイムは公演ごとに違いがあって面白かったですし、毎回楽しみにしていました。「これが本当の男たちの挽歌」というのも好みでした。(途中からだった気がするのでアドリブですかね)
・下手から「やぁブラッキー久しぶりだな」と最初は穏やかに登場するのも、ブラッキーが近づいてきた途端豹変するのも臨場感がありました。ホーの兄貴嵌めたのテメェだろと詰め寄り、「証拠は、テメェが白だっていう証拠は」と責め立ててました。
ブラッキーが話す時にゆっくりなのを「早く言え」
というのも、噛んだら「噛んだな」や「噛むな」とその時々で違うのも舞台の生物みを感じられて良かったです。銃で撃ち込む場面かっこよかったです。
・ブラッキーをナイフで殺す時に一切の躊躇いが見えないところが良かったです。ジャケットを投げて位置を晦ますのも、立ち去ろうとして足を撃たれてしまい苦しみながらもその場を去る姿も惹かれました。


  
 ホーが釈放される場面
・ジョン部長とホーの会話で組には戻らないと言い切るホーからも強い覚悟がみえました。ホーを追えと言うジョン部長に対し動かないレイ(?)に追うの意味わからない?警官の人ですよね?と返すのが面白かったです。走れと指示出しても止まるのを見て、走るの意味も分からないの?というのがまた面白かったです。走るのはとジョン部長の動きを真似するのも走って逃げるのも、走れるじゃんとなるのも一連の流れが笑えました。

 

 ホーとキットが再会する場面。
・ホーが差し出す紙袋を払い除け、見えないかのように振る舞い、怒りを露わにするキットと許しを乞うホーが心苦しいです。ホーを責め立てるのも、死んでしまえばいいと吐き捨てるのも、あれだけホーを好いていたキットが、、と切なくなりました。ホーの歌(明日はどこだ?)がまた泣けます。「♪右手で幸福を掴み左手を悪に染めた〜俺の明日はどこにある、Where is my tommrow?」が染みましたし、A BETTER TOMORROWの意味がわかったような気がしました。

 2幕

 
 ホーがスクラップ座に行く場面。
ビッグママが素敵なキャラクターですね。ホーが差し出した紹介状を「いらん、いらん、いらん、いらんが3つよ!」と言った後に、去ろうとするホーに対して「3回繰り返すのが気にいらん?あら、4回になってしまったわ」と言うの面白かったです。
沢山の仲間たちとビッグママの歌(ビッグママにおまかせよ!)は楽しかったです。頭に残りますね、ふとした時に「♪オーマイ ベイビー嫌なことがあったら (ビッグママ!)」と言いそうになります。笑

  

 マークがホーとシンを人力車に乗せて歩いてくる〜マークとホーが別れるまでの場面。
・足を引き摺りながら歩くマークもシンにお世辞を言い、ニコニコして、ホーが断り、シンがばらまいたチップを拾うのも切なくなりました。シンが去った後、ホーがマークになぜシンに頭を下げる、お前はシンの兄貴分だろと言っているのも苦しかったです。
・マークとホーが話しているのを見てキットがホーを問い詰めるのも、嘲り、それに対しマークが噛み付くのも関係性の変化が心苦しかったです。マークがキットに「撃てるもんなら撃ってみろよ、さぁ撃て」と自身の額に銃口を向けさせて、ホーが仲裁するのは臨場感がありました。そのあと、ホーとマークの会話でマークが「俺は行くぜ、兄貴。キットが危ない、キットはシンを追っている、俺より本当の弟のこと気にかけてやってくれよ」と言うのが切なかったです。それだけを言って誰も乗っていない人力車を片足を庇いながら引いては去るマークの背中にどうしようもなく泣けました。どことなく悲しげで苦しげな表情が胸を締め付けてきました。本当の弟と弟分の違いをマークが感じていることが伝わってきました。


   ホーが森の妖精さんになる場面
・声の切り替えが凄いですね。森の妖精さんだよ、ちちんぷいぷいが可愛かったです。キットが「サンキュー 森の妖精さん」と高音で言ってから「帰れ!」となるのが面白かったです。レイがキットとホーの仲を取り持つのも、キットに「もう会えなくなる、たった一人の家族だろ」というのがまた切ないですね。キットの本音でしょう、「兄さんを信じていた、だから許せない、なんで教えてくれなかった?教えてくれていたら兄さんに甘えて大学なんていかなかった、刑事になんてならなかった、もう別々の道を行くしかないんだよ」と葛藤やホーにぶつける怒りには組織に手を染めさせてしまった自責の念も多かれ少なかれ含まれているのではないかと思いました。信じていた分裏切られたと感じたのでしょうか。
キットとレイの歌(帰らざる日々)が沁みます。歌に入る前のレイの戸惑いが面白いです。そしてハモりが綺麗なんですね。


   マークが偽札のデータを奪う場面。
・二丁拳銃で撃ち込むマークがかっこいいし、アクロバットで避けるのも流石でした。マークをホーが助けにくるのもさっと自転車?の後ろに乗り銃を受けとって撃ちながら去るのも良かったです。
・笑ったり痛がったりするマークが可愛かったです。どっちだ?とホーに聞かれ痛い……と崩れ落ちるように横になるマークがサラシに血がついていたのも含めかっこ良かったです。
・イギリスで商売するとキラキラしているのがよかったです。「俺は一人で行く」「いってやるー」と寝そべり足をバタバタさせながら駄々をこねるように言っていたのが可愛かったです。
マークが「兄弟ってのは厄介だなあ」と言いホーに「おまえもな」と言われているのが微笑ましかったです。
ホーが断るのは「本当の弟のためか?……あんな薄情な弟に……」とマークの感情がみえたかとおもいきや、お調子者のキャラが戻ったかのように「それとも弟に手錠を嵌められるのが怖いのかー?」と言っていて、ゆえに本心が零れてしまったのかなと思いました。
・ホーになんでこんなことをしたのかと聞かれてマークが「チャンスを狙ってる」と返すのが切なくなってどうか報われて欲しいと思いました。過去を忘れろというホーと忘れられねえというマークが泣けます。「今の俺を見ろよ、兄貴も俺も昔はバリッと三揃いのスーツで決めてたのに」(ポスターやパンフレットのスーツビジュアルの回収でしょうか。)「ビッコになって小銭拾い、口惜しくてよ、恥ずかしくてよ、惨めでよ、自分がボロ雑巾になったみたいでよ」と畳み掛けるのが余計に辛くなりました。「俺がどんだけ兄貴が帰ってくるのを待っていたか。兄貴が来たらまた戻るって信じて、信じて、待って、待って、、なのに兄貴は変わってしまった、腑抜けになってしまった。」と訴えるのが切ないです。シンに頭を下げていたのもずっと組にいたのもホーが戻ってくるのを信じて待っていたのが伝わってきて、苦しかったです。悪気がないのは分かりますがホーがマークに「キットに縁を切られた、弟と言えるのはお前だけだ」「俺はお前まで失いたくないんだ」と言うのが残酷だなと思いました。ここでも弟と弟分の違いで、マークは弟にはなれないんですよね、そしてそれをマークもわかっている。それがまた心苦しくなりました。ホーはマークを大切に思っているし、マークもホーを慕っている。
・ホーが手刀を入れてマークを気絶させ、「許せ、マーク」というのが沁みました。

  

 ホーが偽札のデータを返しに行く場面。
・キンとシンの会話でキンが「ホーがデータを返しに来る、今回マークがしでかしたこと、わしは多目に見ようと思っている、マークはあのような身体になっても組に尽くしてくれていた、お前も水に流せ」とちゃんとマークのことは見ていてくれていたのかなと思いました。シンが銃を取り出しキンを撃ったのは驚きました。「ブラッキーは組を裏切っていないこと、あんたを1番憎んでたんは僕ですわ」と言う所は鳥肌がたちそうでした。吃音気味のシンが「あんたを1番憎んでたんは僕ですわ」の台詞ではスムーズに話し、憎しみがにじんでいました。シンの思いは「ブラッキーやホーやマークのことばかり気にかけるからそうなる」ここに詰まっているように思いました。マークにからかわれたり、ブラッキーと比べられたり、と劣等感や憎しみをずっと溜めてきたのでしょう。もし誰かがシンを気にかけていたらまた結末は違ったのかもしれません。ホーの逮捕後、偽札工場で偉そうな態度に豹変したのも、今迄のが爆発したがゆえだったのかもしれません。
・撃たれたあとキンが「あのなこれだけ言うとくぞ」とシンの母親との惚気や初デートの場所、新婚旅行の場所を言うのも、シンがその度に撃つのもあり、苦しい場面ではありながらもし苦しくなりすぎずに観られました。キンが倒れた後、ホーを通し、警察が来たタイミングでホーに罪をなすりつけるのは意外でした。ホーにはブラッキーやマークほど憎悪を感じていないと思っていたので。(台湾の時に密告していますが。)




 ホーが逃げ切りマークと話す~シンと戦う場面。
階段に座り背中合わせのマークとホーがいいですね。ホーが「運命を信じるか?」「よかれと思ってすることが全て裏目にでる」というのに対し「これからは違う」と返すマークといった関係性が素敵だなと思いました。「一」「蓮」「托」「生」だと強調していうマークに希望がみえた気がしました。
マークがホーの運命になるというのもそれを託せるのも信頼関係がいいなと思いました。
また、シンが船をだすことに条件をつけなかったのを妙だというマークの洞察力が光っていました。情に厚く人を信じやすいホーとお調子者のようでいながら頭の回転がはやいマークは良い義兄弟なのでしょう。
・シンに会い銃で撃とうとしたときにブラッキーがキットを人質にしてあらわれました。シンを撃つならキットを撃つと流れの時にブラッキーが「撃て、撃て」と煽っているのと、それをシンに指摘されるのが面白かったです。キットとシンがすれ違う場面で、キットがシンを捉えた途端戦いがはじまるのが緊張感ありました。ホーが倒れたのを見て、マークがキットに「よく見ろよ、お前の兄貴だ、お前をかばってこのざまだ」、「満足したか?十分償っただろ」と言うのが泣けます。ホーが「俺が全ての責任を負う、マークを見逃してやってくれ」と言うのも「死人に口なし」と言うのも切なく兄貴!!となりました。ホーが「俺はもう駄目だ、堅気になるんだろ、遠いところで商売やるって……」とマークを想っていうのも、マークが「兄貴がいないと意味が無い、俺をおいていかないでくれよ、兄貴!」とゆさぶり訴えかけるのもそれぞれが想っているのが泣けます。
・シンがマークに銃口を向け撃つ真似をし、マークがビクッとしたのを嘲笑するのも、「おれは出頭する。けど金使ってすぐ出てくる。お前らは死刑だ。死刑台のしたでお前らのためにお経唱えといてやろうか」と言うのもかつての鬱憤が怖いと思いました。元々は同じ組織のもとにいたのですが……。これを受けてマークが「金があれば黒も白になる、覚えておけ」とキットに向けて話しているのが印象に残りました。
・マークがキットに「シンとつながってるのはあいつだ、お前の上司だ」とジョン部長のことを指していうのも、権力社会の怖さや政治と金の闇を垣間見した気になりました。
・キットがシンを撃とうとしたとき、ホーが「やめろ、キット。お前は正しい道を行け。」と言うのがまた泣けました。ホーがシンを撃ち、殺されたシンを見るマークの目には何が映っていたのでしょう。キットの声に反応して悲しげにホーを見る切り替えが切ないです。
・「fly to the moonだ」と、戦いの前、ホーに月に連れて行くと言ったことを実現しようとしていました。キットに手伝えとホーを左右で担ぎ3人でフライングして月に行こうとするのも「やっぱりむりー」と着地するのも臨場感ある場面ではありながらも、微笑ましいと感じました。
・マーク、ホー、キットが手錠をかけられるところが予告映像の場面とつながりました。


 最後、正月の花火大会での場面
・キットとレイの会話でキットが「警官には戻らない、向いてないのがわかった」「あのとき本気でシンを殺そうと思った、兄さんに止められてなかったら引き金をひいていた」と言うのも、レイが「警官に向いている、正義感があるのを誰よりもしっている」と言うのも刺さりました。最終的に離れることになるのもキットがレイに「さよなら」を言うときにレイの方を見ないで明るく言おうとしているのが沁みました。
・暗くなる前に明るくビッグママが登場するのですが。笑
ビッグママのことを「社長」呼びするマークが面白かったです。マークが階段を降りてくる時に黄色い花束をもっているのですが、この花束が水仙だとしたら、花言葉は「もう一度愛して欲しい」「私のもとへ帰って」となり、ホーへの想いが込められているのでしょう。ただ水仙はそなえてはいけないらしいので違う可能性も大いにあります。菊だとすると「長寿と幸福」になります。何の花かはさておき、マークとキットが穏やかに会話をしていてよかったです。墓参りに一緒に行くか?とキットを誘うのも、キットに花束を差し出すのも仲の良さが伝わってきました。
ビッグママとマークのやりとりは面白かったです。
キットとマークとビッグママの歌(I belive in a better tomorrow)もよかったです。「明日も がんばるね 愛してるよ」は刺さりますね。

 


 カテコ・総評
・このときにはマークの衣装を纏った川島如恵留になっていて、のえまちゅの絡みや他の役者さんとの絡みが可愛かったです。
・アイドルを感じる瞬間がなく、歌い踊る場面も役に入りきっていて、マークやキットが舞台上に存在していました。書き切れてない部分もあるのですが、何度でも見たくなる舞台で、再演してほしいです。我が儘を言えば、円盤が欲しいです。
・繰り返し観ることで登場人物への理解が深まるし、流れを知っていると、明るい場面ですら、泣けてきました。マークはけがしたあとずっと片足を引きずって歩いていて、凄いなと思いました。
声の演じ分けがはっきりしていて、声を荒げたり、泣いていたり、感情の変化が伝わってきました。
・ホーが捕まり、組織内での立場が変わりマークが染まっていくのも、キットが警察内での立場に苦しみ、ホーへの憎しみが増すのもまた心苦しくなるくらい伝わってきました。
・これからも舞台に立ち続けてほしいと思いました。舞台の人だなと改めて感じました。

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