出生数70万人割れのニュースを見て、我が子について思うこと
今年の出生数が70万人を割る見込みだというニュースが話題だ。つい2年前は80万人割れがニュースになっていたので、ものすごいペースだ。2年前は「相変わらず日本終わってるな~」くらいにしか思っていなかったが、今年は違う。
なぜなら、その60万分の1が我が子なのだ。このニュースを見て、「自分の子どもの同級生はだいたい60万人くらいなんだなあ。」と思った。
ところで皆さんは自分の同級生の数を知っているだろうか。私は無駄に人口とか調べるのが好きなので把握しているが、1990年生まれなのでだいたい120万人くらいだ。早生まれなので厳密には同級生とは異なるが、大差ないのでこのまま120万で話を進める。
気になる人は、色々方法はあると思うが、例えば下記URLから調べられるのでご参照ください。
つまりだ。私の同級生は120万人。子どもの同級生は60万人。たった30年で同級生の数が半分になってしまったのである。日本ヤバいね!
そこで今日は、我が子が生きていくであろう、自分のときと比べて同級生が半分になった世界を考えてみたい。
専門家でもなんでもないので的はずれなことを言っているかもしれないが、そこはご容赦を。
まず最初に思ったのが、「高校とか大学に入る難易度って自分の時より下がってない?」だ。調べたところ、宮崎美子さんと同じ母校の2024年度定員数は400人と20年前と同じだった。同じく母校の国立大学の経済学部の定員は270人から240人に少し減っていたが、おおむね変わらなかった。
もしこのまま15~18年後も変わらないのだとしたら、ライバルが半分になっているので、単純に2倍入りやすいってことにならないだろうか。今年生まれた子どもが将来東大に入ったとして、その下半分は自分の世代では合格できなかった東大生ってことになるので、全体的にレベルが低くなるのかな、と思った。(母数が少ない分、少数精鋭で教育のリソースが割けるので全体のレベルは上る、とかの可能性はあるかもしれない。)
就職活動も同じだと思う。採用人数は学校の定員と違って流動的だが、それは景気に呼応するので、出生数とは関係ない。今でさえ超売り手市場でどこも人が足りないと嘆いているので、自分の子どもが就職活動をするときは日本人ってだけで重宝され、割とどんな会社でも入れるような世界になっているかもしれない。
まさに就活生が企業を面接するような、この風刺動画のような世界。
これは演出なので極端だが、実際にはすでにこのような状態になりつつあると思う。そう考えると、これは「『人に迷惑をかけるな』と言ってはいけない」の書評でも書いたが、親が子どもに「たくさん勉強していい大学に行っていい会社に入ろうね」と言う時代ではもはやない。
(ちなみに上記の書評、ビジネス書を読んで爆笑するとは思わなかったのでおすすめです。)
となると、子どもに勉強させる意味って何だろう。世の中のことが分かるための最低限の勉強は必要だが、競争のための詰め込み勉強は、自分のときと比べて価値は下がっていると思う。
我が子が大人になるとき、会社に入るハードルが著しく下がっているのだとしたら、そこは目指すべき場所ではなくて受け皿として存在するような気がする。
つまり、ここからが結論だが、我が子の将来は自分の時代よりもチャレンジしやすい環境になっているんじゃないかな、と思ったのである。勉強なんてほどほどにして、スポーツ選手とかアイドルとか起業とかYoutuberとか何でもいいけど、若いうちから色んなことに挑戦しても全然OKな世の中。だって会社はいつでも人手不足でいつでもwelcomeなんだから。
だから親として子どもにしてやるべきことは、塾に入れて勉強させることじゃなくて、色んなことを経験させること。そして、好きなこと・得意なことを見つけて、その道のプロを目指す環境を整えてあげること、だと思う。
失敗してもなんとかなるさの精神で、夢を追いかけるのを応援する。たぶんだけど、例えばスポーツ選手になるのも同級生が半分になってるなら可能性はあがっているんじゃないかな?(全体的な低レベル化はさておき)
もちろん、例えば車が大好きで将来トヨタで車を開発したい、とかだったらある程度いい大学に行く必要があるから、そのために勉強をさせるとかは全然ありだと思う。だけどそうじゃないなら、「いい大学」に入って「いい会社」に入るために、小学生の頃から塾に入れたり受験させたりするのは、昔と比べて目指すべきゴールがズレていると思う。言い方が良くないかも知れないけど、会社に入るのはスポーツ選手になれなかった人や起業に失敗した人が行くようなイメージで、繰り返しになるが、ゴールじゃなくてライフラインとしての受け皿でしかない。
最近問題になっている体験格差の話もまさにこれだと思う。裕福な家庭は旅行や習い事などたくさんの経験をさせてあげられるが、そうじゃない家庭はそれがなかなか難しい。そもそも日本人のパスポート所有率は17%しかないらしいけど、海外旅行なんて子どもがいたら難しいよね。
でも、頑張って色んな経験をさせてあげることが親の役目だと思う。そんなことを思った、出生数70万人割れのニュースでした。
昨日500ページの本を1日で読んでレビュー書いて疲れたので、今日はニュースの感想でも書いて終わるべと思ってたら、思いのほかアツくなってしまった。でも普段思ってたことを言語化できて、気分スッキリ!
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