【LaLa.2024.5月号】妄想ワンコの[魔]王子さま / 白藤圭先生【読み切り感想】

あらすじ

小春は妄想シチュエーションのイラストをSNSでアップしているのだがある日学校の王子・光浪にバレ、さらに裏の性格を知るとともに犬にされてしまう。

すきだったところ

・光浪くん、もうちょっと掘ればかなりいいキャラなんじゃないか……！？と思いました。いわゆる黒王子的な裏の面だし主人公を「犬」扱いはするのに言葉遣いは荒れていなくて、たとえばp536のセリフが「大変だったな」じゃなくて「大変だったね」なところが個人的に非常によくて……「魔王子」でさえ彼の本当の姿ではないんじゃないかな～～と思いました。たぶんふつうにいいひとなんだろうけど、目立つ反動でキャラづけしてる感。
・絵柄が安定していて読みやすかった～！　光浪くんのアップの顔がいっぱいみられるのでとてもよいです。
・展開もすっきりしていてすごくよかった。感情の積み重ねとか変にキャラづけのための光浪くんに振り回される小エピソードとかなくてそれが逆にすっごいよかった。
・小春ちゃんの照れ笑い顔がす～～ごい可愛くてこりゃ先に落ちるのは光浪くんだなと思いました。がんばれ。
・白藤先生の描かれる瞳がめちゃくちゃすき。すっごいすき。光浪くん登場シーンすごいかっこよくてよかった。アップになったときの目のきらめきというか潤みというかそういう……というか表紙もすごいすき。絵がうまい。可愛い。

もうすこしほしかったところ

・単純にいまなんでこの題材……！？　とは思った。そもそもドＳ系ってもうなかなか難しい風潮がある（平成のものになっている感）のに、しかも読み切りというページ数で、今の時代犬扱いされたい・犬扱いしていいと言う少女漫画がどれだけあるのだろうか……。題材としてはこすり倒されていると思うし、今回のもちらほら別の大人気マンガが頭に浮かんだし、だけど新しさも別になくて、正直読み始めるまでと序盤のわくわくがなかった。でも白藤先生の、ご自分がとっても描きたくて、しっくりくる題材探しの一環になっているのなら応援。
・白藤先生、絵柄がかわいめだしさら～っとしてる（でもだからこそ王道青春系がすごい似合う～～～ラブコメ群像劇よみたい～～～～！！！！！）のでもっと癖が見たい。こういう男女のわちゃわちゃがほんとうにすきなのなら、脇役に個性派を置いてみるとか語らない人物描写をしてみたほうがいいのでは……？　王道は王道だけれど、今回のふたりあんまり印象に残らないので……。