日本が生き残るためのグランドデザインを想定する【改訂版】
日本のグランドデザインを私ごときが描ききれるわけもなく、計画経済を実行したいというわけでもない。ただ、『グランドデザインを想定しながらモデルケースとなる部分最適を作る』ことが人生の大きな目標となりそうだと予感していて、『部分最適のコミュニティ形成とミドルマン育成』が私の役割となるだろう。
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今後の日本を考える上で鍵となるのが、大都市に集中した人口の動向であろう。現在、大都市に富は集中し、あてにした人が群がる構図となっている。そしてお互いをサービス産業で潤すという形をとっている。
しかし、富の再配分が進むわけでもなく、若者を中心に貧困を味わいながら、その利便性と活気にあてられて自己満足を得た気になり、逆に労働力を搾取される。感情をすり減らすことすら、やむを得ないと納得させられる。
”均衡は遠からず瓦解する”
人間、衣食住が最低限あれば生きてはいけるが、都市部で何とか生活できたのは、100円ショップや、半額の総菜、カップ麺、格安の牛丼があったからだ。物価上昇と仕事減少により買えなくなったら『同棲・生産・略奪・死』あたりの選択を強いられる。ベーシックインカムや生活保護は解決策にはならない。
行き場を失った人(大都市に物件を購入していない前提)は『トカイナカ』へと移行することになるだろう。大都市へのアクセスと商圏の呪縛から極端に離れることはないし、インフラの維持という観点からもコンパクトシティ規模の集住は必須の条件となるからだ。
その際に鍵になるのが『半農半X』というスタイルだ。少なくとも地方の農業では後継者不足は深刻で、休耕地が大量に発生しつつある。特に体力が必要な畑(稲作ではなく)が余りまくっている。家庭菜園の拡大版を運営しながら、何らかの仕事を兼業するという選択肢が妥当なところだろう。
農地は借りることになる(地主小作制の復活)だろうが、自治体や農業委員会による休耕地の把握レベルは向上している。技術を習う必要もあるが、YouTubeには家庭菜園の工夫に関する動画が大量に転がっている。家庭菜園での技術習得は、大都市にいる間にスタートしたほうが絶対によいが。
自然エネルギーを使った効率的な発電と蓄電、EVトラクターや電気自動車による生産や輸送、生産物の保存には真空技術の応用。ポケマルなどの販売網もある。DXを駆使しつつも大掛かりな仕組みは必要ないところまできている。効率化や持続可能性はDXに任せてしまえ。
最大のネックとなるのは、『ローカルコミュニティとの折り合い』『虫や臭い』だというのが現状いろいろ見てきた中での印象だ。命がかかれば、理不尽でも頭を下げ、虫や臭いを嫌がっている場合でもなくなるだろうか。
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また、公的な高等教育や大学での教育内容が現状のままでは、いったんトカイナカに移ってしまうと身分的に流動性が少なくなる可能性もある。高専から優良企業への直接雇用ルートの整備で流動性を担保するしかないが、そこは「神山まるごと高専」の取り組みの成否にかかっている。
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大体のイメージをつかむために、宮崎駿氏のアニメ『未来少年コナン』の世界観を拝借した。また、今後も自らの学びを進めていく中で、このグランドデザインは適宜更新していく。私自身の「問題意識マップ」だとご理解いただきたい。
【未来少年コナン的世界観】
①ハイハーバー(左)
②インダストリア(右)
③委員会(中央)
④肝となる課題
・国際競争力の高い生産の継続
・圧倒的資源不足
・有能な人材の海外流出
・教育内容の早期精査・変更
・デジタル人材の早期育成
・多様性という武器を残す
・職業選択の自由
・地方の最低賃金
ここ2か月ほど「地方創生」にポジショニングしようとしてみたが、どうやら年齢的にもスキル的にも、地域おこし協力隊などの雇用ニーズにはあまり合致していないことが分かった。『起業』が必須条件となりそうなので、教育に軸足を置きつつ、自身で家庭菜園をスタートしてみるか。
(2022/10/1・改)