NewJeansと「ヴァージン・スーサイズ」の共通点を探る
いまさらですけどNewJeansを説明
2022年の夏に韓国でデビューし、瞬く間に世界中で人気ガールズグループとなった NewJeans。
グループの特徴は
・聴き心地の良い曲
・2000年以前のカルチャー感が漂っている
・儚げな雰囲気
・なんかメランコリックな空気感
デビューしてすぐに人気者となった彼女たちですが、人気を不動のものにしたエポックメイキングな曲が、2023年1月にリリースされた「Ditto」と「OMG」。
「Ditto」
注目は「Ditto」。MVは2本も制作され、MVの舞台裏を追った動画までYouTubeでアングラ的に公開されるなど独特の世界観を放っています。このMVの舞台は1998年から1999年の韓国のとある高校。仲良し5人組の女子高校生たちの学校生活を、家庭用のビデオカメラで追いかけるというエモい構成となってます。
「OMG」
そして「OMG」は、精神病院に入院している女の子5人組が主人公。心が壊れてしまった彼女たちの精神状態を映像化させ、フィクションと現実を融合させたハイパー不思議なMVとなってました。
「ヴァージン・スーサイズ」の世界観と似ているNewJeans
私はこの2曲のMVを見て、あっ「ヴァージン・スーサイズ」がK-POPに変換されたと思いました。
「ヴァージン・スーサイズ」とは1999年に制作されたソフィア・コッポラ監督の長編デビュー作。
ストーリーはと言うと、厳格な母親に育てられた美しい5人姉妹が、学校生活を送りつつ、憂鬱な日々になんとなく嫌気を感じつつ、最後は母から自由になるため自殺するというメランコリックな展開でした。
公開当時、おしゃれで感度の高い人たちから圧倒的な支持を得た「ヴァージン・スーサイズ」。人気のワケは、ガーリーな雰囲気漂う映画だったからです。淡い映像と可愛い衣装。女の子が好きそうなアイテムが詰まった美術はおしゃれ観たっぷり。何より女の子たちを儚く神秘的に撮っており、初めて本作を観た時、「女の子ってこんなに素敵なんだ」と同性ながら驚いたことを覚えてます。
5つの共通点をまとめました
じゃあNewJeansと「ヴァージン・スーサイズ」のどこが共通しているかと言うと、
共通点#1:時代
「Ditto」は1998年から1999年を舞台にしていますが、この時代に「ヴァージン・スーサイズ」は制作されました。ただ「ヴァージン・スーサイズ」の映画の時代設定は1970年代です。
共通点#2:主要キャスト
どちらも5人組の女の子が主人公の作品です。
共通点#3:制服
「Ditto」 の舞台は高校。「ヴァージン・スーサイズ」も高校のシーンが出てきます。どちらも女子高校生たちの日常を追っており、劇中では制服を着ています。
共通点#4:心の問題を抱えている
「OMG」は精神病院が舞台。「ヴァージン・スーサイズ」も心に闇を抱えた姉妹たちを描いており、どちらも精神的な問題を抱えた人々が描かています。
共通点#5:女の子の雰囲気
どちらの作品でも女の子たちが自分の世界を持っていて凛としている。
そしてどこか儚げで消えてしまいそうな雰囲気を漂わせている。
フレンチポップ繋がり?
「ヴァージン・スーサイズ」のサントラを追っていくと、音楽を担当したのはフランスのポップ・デュオAir。ダークさが漂うちょっとホラー感のある音楽が並び、NewJeansの曲の中では「Cool With You」の間奏と似ている雰囲気です。
NewJeansのプロデューサーであるミン・ヒジンさんは雑誌「ポパイ」(2023年7月増刊号)で、フレンチポップすきと公言しており、「ヴァージン・スーサイズ」の世界観と感性が似ているのかもしれません。
f(x)の「Electric Shock」と同じ世界線で生きるNewJeans
本記事のテーマとは関係ないのですが、筆者はミン・ヒジンさんの前職であるSMエンターテイメント時代の仕事ぶりが好きで、特にf(x)のビジュアルプロデュースはお気に入りでした(これも「ヴァージン・スーサイズ」っぽいアートワークです)
特に2ndミニアルバム「Electric Shock」のビジュアルイメージは今のNewJeansに繋がっているというか「ASAP」のMVと同じ世界線にあるような仕上がり。
ということで、NewJeansと「ヴァージン・スーサイズ」の共通点をまとめてみました。まとめてみたところ、両者の最大の共通点は、ビジュアルというよりは儚げな世界観が似ているということ。
ミン・ヒジンさんが「ヴァージン・スーサイズ」の影響を受けているのかどうかは不明でしたが、アートはアート同士が繋がっているので、同じ世界線で共存していると勝手に思っています。
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