【映画感想「ドラえもん のび太と竜の騎士」】多摩川の底はなんと! ネッシーは本当にいた! 驚愕の真実が明かされる・・・
<ネタバレありの感想をまとめております>
スコットランドのネス湖に生息していると言われている伝説の巨大生物ネッシー。
一部では、ホラ話だとか都市伝説だとか失礼なことを言われてますが、実はこの世に存在していた!という驚きの真実が明かされるのが、映画「ドラえもん のび太と竜の騎士」。
国民的アニメである「ドラえもん」ですが、映画版は凝った脚本と魅力的なキャラクターのおかげで、大人でも楽しめます。今回は1987年公開の「ドラえもん のび太と竜の騎士」の感想をまとめました。
「ジャラシック・パーク」的なストーリー展開。多摩川に恐竜が出現する!
【ストーリー】
多摩川の河川敷で遊ぶジャイアンとスネ夫。二人はスネ夫のラジコン飛行機で遊んでいた。しかし操縦を誤ったジャイアンが川にラジコンを落としてしまう。落ち込むスネ夫は、その時、川から恐竜が飛び出してくるのを目撃。
その頃のび太は、ドラえもんに頼んでひみつ道具の「どこでもホール」で、大洞窟を見つけてもらう。ここに0点のテストを隠してしまおうという思惑だ。広い大洞窟が気に入ったのび太とドラえもんは、しずかちゃんとジャイアン、スネ夫と共に秘密の場所として遊ぶことに。しかし、恐竜を目撃したばかりのスネ夫は浮かない顔。その場を離れてしまい、行方不明に。
地上に戻った4人はスネ夫の存在を忘れてしまう。しかも「どこでもホール」が壊れてしまい、大洞窟へ戻れなくなる。果たしてスネ夫は見つかるのか⁈
というのが序盤のあらすじです。まるで「ジュラシック・パーク」のようなストーリー展開。1993年公開の「ジュラシック・パーク」より先に、現代に蘇った恐竜という映画を作っており、原作者のマイケル・クライトンは、ドラえもん映画からパクったのでは!と疑ってしまいました。
実は多摩川は地底と繋がっていた!
スネ夫を探すための手がかりが、多摩川で無くしたラジコン飛行機。
ラジコンの行方を追ううちに、多摩川は大洞窟と繋がっていると分かり、一同は多摩川の奥へ。やっと大洞窟に到着し、その先を進むとそこは地底だと発覚します。しかし、地底なのに、緑生い茂る森や海が広がっており、太陽がないのになぜ生物があるのかの謎が膨らみます。この謎に対し、ラストできちんと伏線回収。謎を全て解き明かすストーリー展開はまるでコナン。
物語はさらに進みます。森の奥へ入ったのび太たちは、恐竜顔をした騎士バンホーと出会います。彼は地底で生きる恐竜人の戦士。ちなみに恐竜人とは、独自の言語と文化を持つ進化した恐竜です。興味深いのは映画の中では、「進化=脳の発達」を指していました。つまり強さとは、インテリジェンスなのです(肉体ではありません)、
ネッシーは地底からやって来た恐竜だった!
バンホーから地底界の高度な文明を見せられたのび太一行は、地底には本物の恐竜も生息していることを知ります。この恐竜は恐竜人の監視の下で生きているものの、監視の目をすり抜け、時々、地上へ出る時も。実はかつてネッシーは地上へ上がってしまい、地球人に見られたことが・・・(ここで観客は、ネッシーは本当だったという事実を知るのでした)。
恐竜人たちの世界を垣間見て、文化交流をするのび太たち。街の奥には工場のような建物が・・・。なんとここでタイムマシーンを開発している恐竜人。彼らは恐竜が地上を制していた時代の地球にタイムスリップをし、恐竜の絶滅を防ごうと画策していたのでした。
地上で生きたいと願う悲哀が・・・
なぜ恐竜人はタイムマシーンを作ってまで絶滅を防ごうとしたのか。恐竜が繁栄していたのは、約2億3000万年前。その後、約6600万年前に絶滅するまで、およそ1億6000万年間も地球に君臨していました(参照)。
その後の地球は人間が君臨するのですが、恐竜人はこの時代に戻って絶滅を防ぐことで、地底ではなく地球で生きることを切望していたのです。地上で太陽を浴びて生きたいと願う様は「パラサイト 半地下の家族」を彷彿とさせるほど切ない・・・。
ということで、映画「ドラえもん のび太と竜の騎士」は、ジュラシック・パーク的な要素を入れつつ、ネッシーの真実を明かしつつ、「パラサイト 半地下の家族」の悲哀を感じさせ、しかもコナン並みの謎解きを行い、最後は知力を進化させることが強さである示した哲学的な映画でした。
これだけ内容が詰まっているのに上映時間は90分。YouTubeのショート並みにサクサク見れるので、時代を先取りしています。それでいて、「ネッシーは本当にいた!」という子供の夢を壊さない設定も、さすがの「ドラえもん」クオリティです。
ドラえもん映画はどれも練られたストーリーと正しい道徳が詰まった作品ばかり。NetflixやAmazonプライム会員なら無制限で鑑賞できます。ぜひチェックしてみてください。