抜かずに治す選択肢:外科的挺出法でフェルールを確保する方法
こんにちは。
2025年12月に東京都杉並区で「のだデンタルクリニック西荻窪院」を開院予定の歯科医師、野田裕亮です。
今回は、「フェルール確保のための3つの治療法」の第2弾として外科的挺出法(意図的再植法)についてお話しします。
前回のブログでは、クラウンレングスニング(歯冠延長術)について解説しましたので、まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。
外科的挺出法(意図的再植法)とは?
外科的挺出法は、文字通り歯を一度意図的に抜いて、浅く植え直す治療法です。
この方法は、フェルール(歯を補綴物で覆うための十分な高さ)を確保するために行われます。場合によっては、歯を90°または180°回転させて植え直すこともあります。
この治療法は患者さんにもイメージしやすく、
短期的な成功率は約90%とされています。
しかし、いくつかの注意点がありますので、それを以下で詳しく説明します。
注意点
歯根の形態
外科的挺出法では、治療の一環として一度歯を抜歯します。そのため、歯根の形状が治療の成否を大きく左右します。溝が深い細長い歯根
複数の根があり、曲がった形状(例:タコさんウインナーのような形)
湾曲または肥大した歯根
抜歯時に歯根に大きな負担がかかるので、再植時に生着に大きな役割を果たす歯根膜をいう組織にダメージが加わりやすく、再植後に生着不良が起き抜歯に至る可能性が高いため、注意が必要です。そもそも単純な歯根形態でなければ再植時に元に戻せないので、再植そのものが難しいとされています。
2.患者さんの全身疾患の有無
糖尿病のように術後感染リスクが高い病気や、手術中の止血が困難になる疾患を持つ方は、この治療法に適さない場合があります。また、服用中の薬や既往歴も確認が必要です。
3.成功率と術後のリスク
根尖病巣があっての意図的再植、破折歯に対しての再植法に比べ、残存歯根の歯根膜は健全であることが多いのですが、一度口腔外に摘出した歯が再植となると、治療の成功か否かは術後の歯根膜の付着の獲得の可否によるものが多いです。上記二つの項目も重要ですが、患者さんの年齢や喫煙歴も直接成功率に関わってくる要因といえるでしょう。
まとめ
外科的挺出法は比較的シンプルで短期的な成功率が高い治療法ですが、歯根の形態や患者さんの全身状態によって適応が限られる場合があります。また、術後のリスクについても慎重に検討する必要があります。
次回は、フェルール確保のための3つの治療法の最後の方法についてお話しします。
あなたの歯を1本でも多く残せますように…。
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