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わたしの二次創作日記_22

9. 無秩序なTwitter世界に溺れて、ルールがわからず狂っていた2022年の春から夏

①わたし、神に憧れ仏にすがる

年が明けて二月——
ドラマ「聖夜II」は、大詰めに差し掛かっていた。

私の二次創作小説、カップル要素なしの長編「はじまりはいつも聖なる夜に」と、男女カプ「ウィルココ」の「深夜二時、サクレクールで」の2作品のブクマも、かつてないほどに高騰していた。

どちらも、夢の三桁へ(涙)
超・超・超・気持ちぃ〜〜〜〜
(脳内からの分泌物により、ずっとナチュラルハイ)

Twitterのフォロワーも、pixivのフォロワーも増えた。
しかし同時に、聖夜ジャンルでの新作も増えて、私の作品のブクマなど目じゃないほどのブクマを稼ぐ作品も出てきた。

自分のタイムライン、自分の作品のブクマだけ見ている分には超気持ちいい。
が、ダブルスコアの小説作品の存在や、字書きで三桁フォロワー越えの人(私が活動しているジャンルでは、ほぼ皆無)が視界に入ると……
「職場で自分だけお土産をもらえなかった時」的な、ジメッとした感情に支配された。

このジメジメを、超・超・超・気持ちぃ〜〜〜〜(脳汁)で、吹き飛ばしたい。
やって当たり前で、ベタ褒めされることなど無い家事・育児と違って、私のTwitter &Pixivは今、かつてないほど高騰中。
どんなくだらないつぶやきでも、とりあえずアップすれば「いいね」がもらえる。

同人活動をコソコソやっていた頃であれば、罪悪感から少しセーブしようとしたかもしれないが、オタクな自分を受け入れ始めた私は(わたしの二次創作日記_21参照)_
「ママがオタクで、何が悪い! いいね&ブクマをゲットするために、いっぱい考察して、ガンガン小説書くぞ(てへぺろ⭐︎)」
と、すっかり開き直っていた。もちのろんで、毎晩、晩酌もしていた。

そんな、またまたまたもや。
子供そっちのけでスマホ漬け生活に堕ちていた私を、更に沼落ちさせる出来事がこちら。

な、な、なんと!!!!!!

私の二次創作小説、カップル要素なしの長編「はじまりはいつも聖なる夜に」に、「鈴木(仮)」さんからブクマがついたのです!!!!!!

「鈴木」さんとは……
聖夜の一期から活躍している、フォロワー4桁越えの絵師。仕事が忙しいようでたまにしか発信しないが、異常にクオリティの高いギャグ漫画をたまに描く。男女カプも好きだが、カプは描かない。多分、女。一期から活動している私の相互フォロワー「豆大福(省略・仮)」ちゃん(※この頃には、ちゃんづけで呼ぶ仲になっていた)とも、そこそこ仲がいい。

めちゃめちゃアガった私は、前にも増して鈴木さんのアカウントを追いかけるようになった。何か作品があがれば一番に見に行ったし、感想も必ず付けに行った。

そんな努力の甲斐(?)もあり……
ついに、鈴木さんからのフォロバが!!!!!!

嬉し過ぎて【フォロバ、ありがとうございます!鈴木さんの漫画が大好きなので、とても喜んでいます。良かったら、仲良くしてください。よろしくお願いします】と、リプをつけると【こちらこそよろしくお願いします。一緒に聖夜を盛り上げていきましょう!】と返ってきた。

キュン(黙って、胸にスマホを抱きしめる)

もう、恋しているイケメンに喋りかけられたぐらいの勢いである。
ちなみに私の知る同人SNS界隈では、フォロワーが多ければ多いほど、モテムーブ(気になる人とだけお付き合いする、自分の都合が良い時に「今、暇だから、誰か相手してくれない?」など気軽に呼びかけられる、など)が発動できる。

例えば、同じ聖夜ジャンルで活動中&フォロワー4桁越えの「夜更けのシズカ(仮)」さん。
彼女は相互フォロワー以外のリプには反応しない。そして、突然夜中に【今日の聖夜が良すぎて眠れません!誰か、語りませんか?】と突然、もくり(創作界隈で流行?してる通話アプリ】を立ち上げて、都合のつく誰かと話したりしてる。

自分の都合で快適にSNSが運用できる。
これぞ、フォロワーがいっぱいいるからこそできるモテムーブなのである。

しかし、鈴木さんはそんなモテムーブを発動させることなく、私のようなフォロワー50人以下の底辺字書き(おまけに既婚オバさん※独身の人は、フットワークの軽い若めの独身同士で繋がりたがるので)にも、フッ軽のフォロワー万越え独身絵描きさんと同じように接してくれていた(神)

うぉぉおおおーーーー! 神=鈴木さんに認められたい!
鈴木さんの好きな、カプ要素無しの「#聖夜 #ウィル #ココ #ルイ」の長編小説を、公式が終了するまでになんとか完結させて、pixivにあげたい!

漲った私は、五万字越えの長編「聖夜は続くよ、どこまでも(仮)」を、猛烈な勢いで書き出した。
毎週「聖夜II」のドラマ感想をTwitterに投げ、相互フォロワーとお付き合いをしながら、鈴木さんの動向を異常に追いかけるようになった。
そして、集めた鈴木さん情報から、プロファイリングを始めた。
立派な、ストーカーの完成である(鈴木さん、当時はウザ絡みしてしまい本当にすみませんでした。反省)

鈴木さんは仕事が不規則らしく、夜中や平日の変な時間によくいた。
なかなか眠らないジロウに付き合って夜更かし気味&平日昼間が休憩時間の私と、意外にもいる時間が被っていた。
ただ、繁忙期に入ると忽然と姿を消す。そして、ごくたまに、異常にクオリティの高いギャグ漫画を描く……

仕事内容について、アイデア出しや締め切りについて言及していることもあったので、
「あ、もしかして自分がいた業界(広告)?」なんて、勝手に妄想して余計に親近感を覚えたりもした。いやいや、かつて憧れていた「出版業界」の人かもしれないぞ!?とか考えて「うわ〜〜! すごい仕事をしている人と仲良くしてもらっている(ウキウキ)」と、勝手に金魚の糞気分でワクテカしていたら……

ある日突然、【連載決まった!忙しくなるなー!聖夜の最終回までは、なんとかいたい】と鈴木さんがつぶやきだしたのです。

???(全鈴木さんのフォロワー)

【プロの漫画家さんだったのですか?そうとも知らずに、失礼なことをたくさん言ってたかも。すみません】との誰かのリプに【失礼??なかったですよ!?隠してたつもりもなかったのですが……特にお伝えもしてなかったので。こちらこそすみません】と、丁寧なお返事をされていた。

な、な、な、なんと!
シンプルに、プロの漫画家さんだったのです!!!!!!

ここから私は、ますます鈴木さんに傾倒しだすのだけれど……

ちょっと現実の話も。
時が戻って2021年の12月。ジロウの1歳半検診(コロナで遅れに遅れて、もう2歳になる直前)があり、言葉の遅れを指摘された。しかし、入園直後は担任の先生から散々「成長の遅れ」について指摘されていた長男のイチロウが、「半年経ち園に馴染むと何も言われなくなった」いう経験が私にはあったので、ジロウのことも「まだ、2歳になってないし。個人差もあるでしょ? 少し大袈裟なんちゃう?」と、懐疑的だった。
ただ、午前中に遊ばせたら夜はぐっすり眠ってくれていたイチロウと違い……
ジロウは寝つきが悪く、夜中まで起きていることがしょっちゅうで。そのことには困っていたので、薦められるまま、4月から療育に通わせることにした。

つまり——
Twitterと聖夜の話ばかりしていたけれど、春から療育に通わせるため、この冬は結構、現実の方も忙しかったのです。
療育へ通うために必要な「通所受給者証」というものを取得するために福祉センターへ話を聞きに行って手続きをしたり、役所から送付された封書の中に「障害児通所給付費」とという言葉を見つけて、心底ビックリしたり……

しかし——
「ジロウって、障害者なの? 発達障害ってこと? どゆこと?」
というモヤモヤした思いからから逃れるように私は、ジロウのことは深く考えずにTwitterばかり見て、五万字越えの長編「聖夜は続くよ、どこまでも(仮)」を、公式終了するまでに書き上げるため、寝る間を惜しんで書き続けたのだった。

が、それにも関わらず……
全8回、三月中旬に公式が終了。
最終回と同時にpixivにアップした「#聖夜 #ウィル #ココ #ルイ」の小説「聖夜は続くよ、どこまでも(仮)」は……カプ要素がなかったのもあり、ブクマ的には大爆死。

鈴木さんも、宣言通りいなくなった。
最後のドラマ感想絵にラブレターのようなリプをつけた私に【いつも温かい感想、嬉しいです。来週から聖夜が無いのは寂しいけど、nocoさんの小説を読むことを楽しみに、仕事頑張ろうと思います!】という、大人なリプを残して……

少し期待していたものの、鈴木さんからブクマがつくことはずっと無かった——

おまけに最終回から一週間も経つと、
聖夜の話しかしていなかったフォロイー達が、どんどん違うアニメや映画の話をしだすようになり……
若木が成長するようにぐんぐん伸びていたブクマもピタリと止まり、数少ないフォロワーは別ジャンルに移動したのか、日に日に一人、二人と減っていった……

ガーーーーン。
さびしい、さびしい、さびしい……

冷え切った大晦日の夜に、除夜の鐘が鳴り響くように、さびしいがこだまする。

私という人間は……
周囲が凄いと思ってそうな人に認められると、自分の価値があがったように思えて気分がよくなる、という自己肯定感の低い残念な人間で。
婚活難民時代も、好きになった人に対して「顔がいい」とか「気が合う」とか色々言ってたが……
結局は「周りの女子が凄い!」と言ってくれるような人が好きだった。

つまり、凄そうな鈴木さん=めっちゃ片思いしてた人がTwitterから消えたことで、急激に活動のモチベが減退してしまった。
ついでに公式バブル状態だった私のTwitter&pixivアカウントから、フォロワーもいいねも、ブクマも減る一方で。
今、なにか書いたところで評価が得られそうな感触は1ミリもなかった。

それでも……Twitterを見るのも、Pixivを見るのもやめられない。

はい、そうです。また、同じことを繰り返していたのです。
この頃には、初めて夏アミでタクシン(「夏のアミーゴ」という架空アニメの架空BLカップル)小説を書き出してメンタルを崩した時と同じように、「聖夜が好きで好きでどうしようもないから、この思いを誰かと分かち合いたい!」という同人活動の根源的動機は、すっかり跡形もなく消えていた。

そして四月に入った頃には「聖夜の話まだしてんの、私だけ?」というくらいに、タイムラインは過疎化していた。私の「さびしい、むなしい、やりきれない」病はますます悪化していった。

更に、この病状を更に悪化させるような出来事が、現実の方でも起こっていた。

暖かく外でも過ごしやすくなってきたので、ママ友達との公園活動を復活させたのだが……
一人っ子の息子を溺愛している潔癖症ママの蛭間さん(わたしの二次創作日記_19参照)が、コロナ警察に進化していたのだ。

彼女は口を開けば「ワクチン打った? 何回目?」と色んな人に聞いていて、のんきな私は「副反応の心配でもしてくれているのかな?」と思っていたのだけれど……ワクチンを打ってない人の悪口を言いふらしたり、無視したりしだしたのです。
どうやら自分の周囲にワクチンを打ってない人が存在しているのが許せなかったらしい。(ことなかれ主義で、アレルギーも花粉くらいしかない私は一応打っていた)
そんな調子なので、外食している人なんて言語道断。そうして蛭間さんの前では、外食の話も遠出の話も一切NGワードとなり、当時は「天気と、子供の話」だけを当たり障りない調子でしてやり過ごしていました。あの頃は、毎日飯マズの気分だったなぁ……。

今の私なら、「わざわざそんな人と、深い仲にならんでええやん」と、挨拶程度の関係に「距離感の調節」を試みるだろう。

だが、めちゃくちゃ弱っていた当時の私に、そのようなアイデアは全く浮かばず。
育児と無理な同人活動による寝不足と体力の低下により、思考力も落ちていた。

すると——
「蛭間さんに、お酒飲んでいることがバレたらマズい」を、脳が拡大解釈するようになり
「全てのママ友に、私の生活実態を隠し通さなければいけない。バレたらハブられる」という心境に陥った。いわゆる疑心暗鬼である。

こうして、蛭間さん以外のママ友達にも心を閉ざしたまま日々を過ごすようになった私は……反応が薄くなってきているにも関わらずTwitterとPixivへの依存を深めていった。

だからしかたなく?「何か反応が欲しい」という浅ましい動機だけで、「#聖夜 #ウィルココ」の男女カップルものの短い小説を書き出した。
とりあえず反応が欲しいだけなので、浮気男が本妻宅へ戻るような心持ちで「#腐アミ #タクシン」小説も書き出した。

こんな反応が欲しいだけの奴が書いた小説。
誰の心が動くのだろう?

まず「#聖夜 #ウィルココ」の小説。
pixivでブクマ一桁の大爆死。
数日間Twitterもリツイートゼロ。

ちなみにこの春から豆大福ちゃんは、大学で授業が行われるようになったようで(緊急事態宣言が出ていた頃はフルリモート)お友達からのお誘いなども増えて忙しそうだった。結局この作品は、そんな低浮上気味の豆大福ちゃんが、お気遣いの「リツイート」をしてくれたのみにとどまった。しかし、感想はなかった。(あたりまえだのクラッカー)

ううう……つ、つ、つらい。
感想がないと、一文字も書けそうもない。
一文字も書けそうにないけど、Twitterも Pixivもやめられない。
お酒を飲んでも飲んでも、TwitterとPixivのことばかり考えてしまう。

そこで申し訳ないと思いつつ、私は豆大福ちゃんにDMをしてみた。(クレクレおばさんと、仲良くしてくれてありがとう。当時は、本当にすみませんでした。反省)

【いきなり、ごめんなさい。マシュマロの使い勝手を聞きたくてDMしてみました。毒マロとか、本当に来るのかな?使ってみたいけど、怯えています(ブルブル)忙しいと思うので、本当に暇な時にでも教えてくれたら……嬉しいです】

※マシュマロとは……Twitterで利用できる匿名性のメッセージサービスのこと。悪口に対してフィルター機能がある。毒マロは、フィルターをすり抜けてくる悪口のこと

すると豆大福ちゃんは、すぐに超長い返信をくれた。
【毒マロ、怖いですよね!ちなみに、私は感想自体も少ないので(笑)毒マロは一回も無いです。最初は目立たないところにリンク置くのがおすすめです!具体的には……】

と、マシュマロの運用の仕方に加えて、マシュマロ以外の匿名メッセージサービス(質問箱など)の簡単な内容を教えてくれた。

すごくわかりやすい内容に「もっと、早く頼ればよかった。きっと、レポートとか得意なのだろう。親切にありがとうね。豆大福ちゃん」と泣きそうになりながら【DM嬉しかったです!いつでも頼ってくださいね】で締められたDMに感謝の返信を伝えてすぐ。

私のタイムラインに、豆大福ちゃんからの引用リツイートが更新された。

【腐が苦手な人は、ごめん。これ、良すぎたから我慢できなくて】の文字と共に、「#ルイウィル(聖夜の男男の腐カプ)」の漫画。

作者は、「夜更けのシズカ」さん。
聖夜界隈でフォロワー四桁越えの人気絵師さんである。私も、彼女の漫画が大好きでフォローしているが……。
ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2月24日)が始まって以来、「夜更けのシズカ」さんは同人そっちのけで世界情勢についてずっと呟いていた。よって、この一ヶ月ほどは「よく見る」リストから外していたのだが……

はぁ〜〜〜〜……この漫画!!!!!!良すぎるだろ!!!!!!
(スマホを胸に抱きしめながら、ソファの上を転がりまくる)

私は速攻、漫画を引用リツイートしていた豆大福ちゃんのツイートに【刺さりすぎて、ヤバいヤバい!腐オバを、コロしにきてる?苦しい!助けてよ、豆大福ちゃん(笑)】とリプをつけた。
すると【あ!やっぱ、nocoさんも好きだった!嬉しい!ベースが腐女子な私たち(笑)腐からしか得られない栄養もあります】と返ってきた。その言いぐさが面白すぎて、リプ欄でかなり盛り上がってしまった。

以来。
私は「#ルイウィル(聖夜の男男の腐カプ)」の二次創作小説にも、着手したのです。
ちなみにこの頃、タクシン界隈で「#タクシン春のハグ祭り」というタグのついた二次創作作品をやたら見かけたので、よくわからんまま「春」で「タクシンがハグしまくる」二次創作小説も書きだしていた。

もう、なんのこっちゃ。

そうして5月——

情熱のおもむくままに書き上げたルイウィル小説。
パッションが伝わったのか、熱烈なルイウィル好きの方々から、一気にブクマがついて「ふわっ」と一瞬だけ酔っ払ったみたいに気分が良くなったものの。聖夜カプ界隈で、最も人口が少ない(ウィルココの半分以下)ジャンル。あっという間に、「凪」である。ブクマは二桁を少し超えたあたりで、ピタッと止まった。
マシュマロも、こっそり設置してみたが、何か届く気配は皆無。当然、酒量も増えた。

すがるような気持ちで、豆大福ちゃんのつぶやきを探してみたら、【ワクチンやばい。副反応が、キツすぎて熱めっちゃでてる】と二日前に言っていた。
自分のことばかりだったと反省した私は、【わー!大変。もう、熱は下がったかな?1人暮らしやんなぁ?OS ワンとかゼリー買ってきてくれるお友達いる?】と、遅ればせながらリプをつけた。すると【お気遣いありがとうございます(涙)もう大学行けてます!熱出てた時は、みかんゼリーばっか食べてました(笑)】というリプがすぐについた。

「よかった」と安堵したと共に、「学生生活を謳歌してる若者の足を、オバさんが引っ張らるのは絶対にダメだ」と、今更ハッとした。
Twitterばっか見てるより、友達とワイワイしてる方が健全だろう。
それから、元々プロフに「雑多。日常ツイ多め。今はウィルココ。」と書いていた豆大福ちゃんのツイートは、ほぼ大学の話や友達の話で埋まっていたが、私はその様子をほのぼの見守ることにした。

それでも。
せっかく書いた小説の、評価がもっと欲しいという気持ちは全然満たされていないので……
私はワンチャン、夜更けのシズカさんがなにかつぶやいてくれてるかも……と彼女のタイムラインを漁ったが——

「コロナ感染対策」「ウクライナ戦争」「仕事の愚痴」ばかりだった。

現実からの避難場所だったはずのTwitterに、否応なしに現実が入り込んできて息苦しい。2022年の1月末頃から3月末までは「まん延防止」がまだ出ていたし、マスク会食とかも話題になっていたので、「コロナが明けた」という感じはなかった。

当時の私が健全な精神状態だったら、「Twitterやっても気分変わらないし、止め時だな」と悟るだろう。
しかし重度の評価依存症に陥っていた私に、Twitterを止めるという選択肢はなかった。夫にも、子供の話以外では、ママ友の愚痴とSNSでの出来事くらいしか話すことがなくて、私は本当にくさくさしていた。

そんな私が、当時すがるように毎日やりとりしていたのがこの方。
「ともこ(仮)」さん、というウィルの中の人が好きなアラフィフ?の方だ。

???(ここまで読んでくださったみなさん)

ですよね。

この方。そもそも、二次創作界隈の方では無い。
そんなに聖夜の話をしている訳でも無いし、創作もしてないが、なぜか私がフォローしている聖夜界隈の方々(豆大福ちゃん、鈴木さん、夜更けのシズカさんなど)が、ほぼフォローしていた。不思議なことに、フォロワーも500越えている。
私はというと、リツイートのすごく多い方なので、フォローを控えていた。Twitterを初めてすぐ「なんでも流れるガンジス川状態」に陥ったタイムラインを、これ以上混濁させたくなかったのが理由。※Twitterのことを、ガンジス川とおっしゃっていたのはカレー沢薫先生です。

この、チグリスとユーフラテスの流れが肥沃な大地を作ったように?良くも悪くも潤っていた私のタイムラインは、5月に入るとほぼ完全に日照り状態。
ちょろちょろと、夏アミのタクシンが流れてくるが、聖夜界隈はほぼ日常ツイか、新しく始まった春ドラマの話に変わっていた。

こんな状態だから、創作したところで何の反応もない。
通知なんて全然ない。これが苦しくて苦しくてたまらない。まるで砂漠のように干上がったタイムライン。
Twitterに依存しているのが、世界中で自分だけなんじゃないか?という謎の妄想に取り憑かれて、さびしくて、さびしくてたまらなくなる。

うう……つらい。み、み、み、水をください……

切迫つまった私は、聖夜に関係ありそうな人を片っ端からフォローしだすようになっていた。

それが、ともこさんだったのです。
フォローすると、すぐにフォロバを返してくださったので【ともこさん、フォロバありがとうございます。二次創作BLも書いてますので、ご不快でしたら気にせずリムってくださいです。よかったら、仲良くしてください。よろしくお願いします】と、リプをつけた。その内容にともこさんは【nocoさん、はじめまして。ご丁寧にありがとうございます。聖夜がお好きな皆さんと仲良くさせて頂きたいので、フォロー頂いて嬉しかったです。こちらこそTwitterが不慣れなので失礼あるかもしれませんが、よろしくお願い致します】と、丁寧なお返事がきた。

それから大量のリツイートの中に、ともこさんがお菓子の写真と一緒に【今マックス(ウィルの中の人の仮称)が出演しているCMのもの。ローソンさんで発見して、5個も買ってしまいました】とつぶやいてるのを発見した私の目は……

???

お菓子の写真に、いいねとリツイートが三桁越え?
コメントも、50は超えてきている?

当初は首を捻っていたのだが、謎はすぐに解けた。

私は基本「右に倣え」のTHE日本人気質の人間なので、そのお菓子の写真に、いいね&リツイートをして、【好きだと、ついつい買ってしまいますね〜。ゲット、おめでとうございます】と薄いリプをつけた。

すると翌日。
固定ツイにして風景と化していた「ルイウィル小説」に、ともこさんからいいねとリツイート、そしてリプがついていた。
【ルイさんが焼いたクッキーを、ウィルが丁寧にドリップしたコーヒーで美味しそうに飲む場面にうっとりしました。素敵なウィルを書いてくださって、ありがとうございます。】

な、な、なんていい人なんや……
義理にしても、ちゃんと小説を読んでくれてる。
ほ、ほ、仏なんじゃね?
え、だって、ほら。ともこさんってマックスが好きなだけで、特別に聖夜推しでも、ましてルイのことなんて興味ないはずやのに……

ありがとうございます!!!!!!

なんと!
ともこさんという人は、時間がかかっても必ず、自分のツイートについた反応に、律儀にも全てお返しをされていたのです。
いいねを、くれた人にはいいねを。
リツイートして、くれた人にはリツイートを。
リプをつけてくれた人には、リプを、と。
必ず、同程度のお返しを……

メールやLINEと違って、Twitterでは、挨拶したら絶対に挨拶を返してくれるとは限らない。
この、中年にはよくわからないルールだらけのTwitter世界で、「おはよう」と言ったら確実に「おはよう」と返してくれる、お歳暮を送ったらお返しをくれる、そんな人を私は見つけたのだ。歓喜で、ウホウホ。

つまりともこさんのアカウントは、評価依存症難民の駆け込み寺と化していた。

少し元気が出てきた私は、よくわからんまま書いていた「#タクシン春のハグ祭り」というタグ用の小説を書き上げることができたので、Twitterの海に放流してみた。

すると、かなり久しぶりにタクシン小説を書いたにも関わらず、「#タクシン春のハグ祭り」というタグをたどって、思っていた以上にいいね&リツイートがあった。
常に界隈の繁栄に心配りされている山川さんから、コメントもついた。(なんて温かい沼だ……)

そうか……タグか!
タグ作れば、聖夜にもまた、人が戻ってくるんじゃね?と安易に考えた私は……
干ばつが進みすぎて限界集落と化している聖夜界隈、まずは「#ウィルココ(男女のカップル)」界隈の復興に取り掛かったのでした。(「タクシンがホーム」という気持ちを抱えながらも……)

まず、数年前に公式が終わったタクシン界隈の方々が、どんなタグを作っているのか観察してみた。
「公式」という「お題」がストップしたからには、なんとか自分たちで「お題」を考えないといけない。それが、「タグ」である。
例えば……
【11月11日はポッキーの日でサッカーの日。サッカーといえばタクシン!つまり11月11日はタクシンの日なのです(真顔)タグ作ったので、ぜひご参加を!】というつぶやきの末尾に「#タクシンでシェアハピ」という青文字。

なるほど……
これをウィルココに置き換えると……
あ!「ウィル(6)ココ(5)で、6月5日をウィルココの日」なんて、よくね?
まだ二週間以上あるし、時期的にもちょうど良くね?
と考えた結果。
【6月5日をウィル(6)ココ(5)の日に、勝手に決めたよ!よかったらタグ使って一緒に盛り上げてください!私も、書きます! #ウィルココの日】というつぶやきを固定ツイにした。

すると、豆大福ちゃんから【嬉しすぎる。かなり小説書いてないけど、書けそうだったら頑張ります】と、嬉しいリプがついた。もちろんリツイートもしてくれた。
更に鈴木さんが、【ありがたすぎる。参加できそうな方は是非。タグから皆さんの聖夜を見に行くことを楽しみに、連載がんばるよ】と拡散してくれた。

もう日常ツイしかしてない方々もちらほら。
参加表明をしてくれた。

タグすげーーーー!!!!!!

落ち込んでいた私のメンタルは、空腹時にビール大ジョッキを流し込んでしまった時のように、ブワァッと湧き立った。

しかし企画をしながら自分も書いていたので、まぁ寝る時間が削られる、削られる。

テンションは上がっていたものの。
フィジカルの方は、もうめっちゃくちゃ。
この頃にはお酒を飲んでも寝付くことができず、メンタルのお薬(漢方と一緒に、婦人科でお守り代わりにもらっていた)がないと眠れなくなっていたのでした……。

NEXT→ 評価が欲しいだけの私が、腐も男女も恋なしもドラマもアニメも絵師も字書きも無秩序にフォローし無秩序に活動した結果、目的を失った回遊魚のように?Twitterという大海原を放浪する「9. 無秩序なTwitter世界に溺れて、ルールがわからず狂っていた2022年の春から夏②わたし、「地雷」や「棲み分け」に頭を抱える」へとつづく……

※上記の通り依存&ストーカー気質な為、noteでは「note公式」のみをフォローしています。ゆっくり更新にも関わらず、読んでくださっている方々には大変感謝しております。ありがとうございます。

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このみ のこ
ありがたく、角ハイボール(濃いめ)に溶かします。

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