明神弥彦が好きだ
『るろうに剣心』の京都編が好きだ。
特に明神弥彦vs飛翔の蝙也戦が好きだ。
蝙也は骨と皮だけになるくらいに絞った肉体で、爆風に乗って空を飛べるという超人的な力を持っている。余裕の表情で空を飛びながらダイナマイトを落として遠隔攻撃してくるのだ。
対して弥彦は言ってしまえば凡人で、しかも武器は竹刀だ。竹刀でも実際はきっと立派な武器なのだが、『るろうに剣心』では大抵みんな真剣で戦っているので、竹刀だとどうにも心許ない気がしてしまう。
弥彦が蝙也に勝てるわけがない、きっと間一髪のところで比古清十郎が助けてくれるに違いないと思いながら見ていた。
でも弥彦は勝った。障子の戸を羽代わりにして、爆風に乗って蝙也より高く舞い上がり、後頭部に会心の一撃を与えたのだ。
これには胸が熱くなった。
私は普段ルーティンワークを好み、あまり挑戦したりしない。
何か困ったことがあると、たとえ些細なことですら自分で考えてどうにかしようという心持ちがなく、誰かに頼る方向にばかり考えがちで、いつも誰かが助けてくれることを期待している。
今は少しマシになったが、油断しているとそんな他力本願がすぐに顔を出す。
だから明神弥彦の戦いぶりは私の胸を強く打った。
私だったら絶対勝てないと思って諦めてしまう場面で、自分よりもずっと若いキャラクターが自らの頭で考え、その結果、見事に状況を打破したのだから。
同じ理由で『HUNTER×HUNTER』のグリードアイランド編でのゴンvsボマー戦も好きだ。
ゴンは自分より強そうな相手と対峙するとワクワクしてしまうという戦闘民族的な気質を持っていて、そんな風に気持ちで負けることがないゴンは見ていて本当に頼もしかった。
(ちなみにこの頃、キルアは割と強い相手でも余裕で勝ってしまうことが多く、それはそれで安心感はあったが、その戦いぶりにはあまり魅力を感じていなかった。私がキルアの良さに気づくにはキメラアント編まで待つことになる。)
主人公最強系のアニメも良いけれど、圧倒的不利な状況でも果敢に挑戦し結果を残すキャラクターは、やはり熱い。
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