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おれはそれを信じない
みなさんはサンタクロースの存在を信じていたのは何歳頃まででしょうか?
私は幸か不幸か、昭和生まれ田舎育ちの両親に育てられたおかげで家庭でクリスマスというイベントはありませんでした。幼稚園とのときかな、世の中にはクリスマスというイベントがあって、サンタとやらが夜な夜なプレゼントを配って回るらしいと知った。何とも夢のある話だ。それが私のサンタとの出会い。
カミさんは小さい頃からクリスマスを家族で楽しみ、それなりに成長するまでサンタを信じていたと言うので、私たち夫婦に子どもが生まれると、イブには子どもたちが寝ている間、夜中にこっそりプレゼントを置くという作業が毎年の恒例行事となりました。昨年、私が単身赴任になってからはカミさんがサンタ役を1人でやることになり、子どもたちにバレないように緊張のイブを過ごしたとのこと。お疲れ様でーす。
じゃあ、わが家の三兄弟はサンタを信じているかという話。
これがですねえ、三者三様なんですよね。先日、子どもたちに「サンタクロースって、本当にいると思う?」と質問してみた結果が下記のとおりです。
三男(5歳):「うーん、わかんない。」
ま、そんなもんだろう。
次男(8歳):「フフッ、いるわけないでしょ。」
お、鼻で笑ったな。
長男(10歳):「サンタクロースはいると思う。」
え、マジか。
そう、一番年長の長男だけがその存在を信じている。これってどうなんだろう?面白いのでもうちょっと話を聞いてみると、クリスマスプレゼントは親が買ってくれているらしいことは、学校の友達の話を聞いて知識としては知っているとのこと。でも長男は、彼が小学1年生のクリスマスイブに、カミさんと私が布団で寝ている姿を確認して少しの間、目を閉じて次に目を開いた瞬間に枕元にプレゼントが置いてあったという経験をしたのだと言う。その時だけは本物のサンタクロースがプレゼントをくれたと今も信じているらしい。
「おれはさあ、サンタクロースが存在しないっていうことを信じたくないんだよ。」
と長男。
なるほど。確かに。サンタがいるという証明はできないけど、サンタがいないってことも証明できないよね。サンタがいない世界と、サンタがいるかもしれない世界。それは似ているようで全く異なる世界だ。どっちの世界を生きるのかで、人生のワクワク度は大きく違ってくる。
それはサンタに限らないよね。なんだか、小学生の夏休みに買ったUMA(未確認動物)の本を思い出した。いるかいないか分からない存在、おらワクワクすっぞ(by 雅子)。そう考えると、妖怪もサンタもトトロもUMAだわ。
そんな長男は、その会話の後に今年のクリスマスプレゼントをネットで検索し、1万円以上するモデルガンをサンタに頼むと言ってきた。もちろん即刻却下してやりましたよ。でもさあ、これってものすごく夢のないやり取りだと思うんだけど。それでも長男はサンタを信じるというのかな。
まあ、でもそれくらいの緩さで良いのかも。空想の世界では思う存分楽しんで、現実世界は堅実に生きる。人生を楽しむためにはそんな緩急、切替えも大事だなって思いました。子どもだけじゃない。大人だって、ささやかな可能性を信じることを忘れたらつまんないよね。
今週末はクリスマスイブ。今年も私は単身赴任先の仙台で1人でイブられる予定です。昨年同様、クラフトビール飲んで、干し柿食べて、ユーミンでも聴きながら過ごしたいと思います。
おわり
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