![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84956148/rectangle_large_type_2_30abbfe18b694a85451940aa79b6830d.jpeg?width=1200)
北米駐在員のルサンチマン
先日シリコンバレーの日本人駐在員と話したときに、日米の給与格差の話になった。日本人ボスの給料(駐在員手当を含む)よりも、米国人マネージャーの給料のほうが高いのはもう当たり前として、まだ2,3年目の若手の給料さえ、日本人ボスの給料を上回ると嘆いていた。(円安の影響もあるだろうが。)
日本の給料水準が30年前から上がらず、国際的に見て格安なことは広く知られるようになった。しかし、生活水準に絞って眺めてみると、違う絵も見えてくる。
国際的に取引される物品の価格は、大なり小なり同じ価格に収斂していく。しかし、輸入できないもの、例えば、不動産、教育、医療、保育といった価格はそうではない。
今日の日経のコラムによると、これらの価格は日本の数倍になりうるという。たしかに日本の不動産も高くなってきたとはいえ、まだまだ米国よりも割安だ。
それを考えると、そこまで怨嗟の感情を燃やさなくていいのかもしれない。我々は、中進国の仲間入りをし、収入は欧米よりも格段に劣るものの、例えば日本のアッパーミドルはタイのアッパーミドルと同程度の暮らしができているのではないか。米国のアッパーミドルには、やはり負けているとは思うが、収入金額が表すほどの愕然とする差ではないのではないか。
そう考えたところで、ルサンチマンは収まらないのだが、気休めにはなる。