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中江藤樹先生との出会い

高校生の時でした。

ラグビー部で思うようにいかないことが多い時、私は自己啓発本を読むようになりました。わかりやすいところでいくと松岡修造著『本気の言葉』。高校生らしくないのだと、J.マーフィー著『マーフィー 欲望が100%かなう一番の方法』など。本に何かを求めはじめた時でした。

苦労をどう乗り越えようがもがき苦しんでいた、そんなある日。
書店でふと新渡戸稲造著『武士道』の書籍が目に止まったのです。

すでに日本の歴史には興味を持っていた私は、早速購入し読み始めたのですが、これが運命を変える一冊の本となりました。

『武士道』は元々英語で書かれている本で、日本人のことを海外の人たちに知ってもらうための本。それを逆輸入して、日本語に訳して出版されています。

そこに描かれている昔の人の徳の高さ、人格者としての立派な姿。
現代の日本では見ることのない次元での立派なあり方に深く感動しました。

ちなみに、高校の卒業論文で『なぜ武士道は日本人の心に浸透していったのか』を書くほど影響を受けた。

(※「葉隠武士道」との違いは後に学びを深める中で知ることになる。)


そして!

時を同じくして出会った書籍が内村鑑三著『代表的日本人』でした。

『武士道』『菊と刀』と並ぶ三大逆輸入書籍の一冊で、ここでは五人の日本人が紹介されています。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、日蓮上人、そして中江藤樹。

この書籍は『武士道』を読んだことで知ることができました。そう思うと、あのときの書店でのインスピレーションに、ありがたい気持ちでいっぱいで。直感をしっかり大切にして『武士道』を手に取った自分を褒めたいと思います(笑)

そして、ここがいちばん大切な所なのですが、当時の私は、なぜか中江藤樹先生(この後は藤樹先生と書かせていただく)に一番響くものがあったのです。

理由はハッキリはしていなくて、これも直感的で、インスピレーションの賜物という感じ。感覚的なものはかなり大きかった気がします。

背景として、日本の学校教育に対する憤りが強かったことは大きく影響していると思われます。しかし、それ以上に、人としてのあり方に感動して。今までに聞いたことのない人としてのあり方、哲学がそこにはありました。

そして、「もっとこの人のことを知りたい」「一人を選ぶなら中江藤樹先生」そう思って、藤樹先生の書籍だけ別で購入したのです。

【Amazon履歴】
2006年4月6日:『代表的日本人』
2006年6月4日:『小説中江藤樹<上・下>』

当時は、高校二年生。
小説を読みながら泣いたことを今も覚えています。

これが藤樹先生との出会い。

当時原稿用紙に書き残した藤樹先生の言葉は今も大切にしていて。
ボロボロで茶色になったまま部屋に飾っています。

その言葉はネットにあげることはせず、自分自身へのメッセージとして一生大切にし続けようと思います。見るたびに、まだまだ未熟であることを思わされています。

(つづく)

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