「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」
6月21日(金)から公開される「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」を試写で。
クリスマス休暇に、全寮制男子校に取り残された家族のいない独身の偏屈教師、家族に見捨てられた生徒、戦争で息子を亡くした給食係ら実は孤独と闇を抱えてる面々の時が過ごす2週間を描いた物語。
設定が1970年なのでオープニングに流れるユニバーサルのロゴも当時仕様がなんだか嬉しい。さらにざらついたフィルムのヴィンテージテイストも70年代アメリカンニューシネマな趣。ハル・アシュビー監督作品や「いちご白書」なオーマジュカットや空絵の切り取り方も素敵。
ウィットと機知に富んだセリフのやりとりを何度もしがみたくなる(知らないキーワードもいっぱい出てきて見終わって調べた/ペロポネソス戦争、トリメチルアミン尿症、リブリウムなど)。
※ペロポネソス戦争→アテナイを中心とするデロス同盟とスパルタを中心とするペロポネソス同盟との間に発生した、古代ギリシア世界全域を巻き込んだ戦争である。
※トリメチルアミン尿症→魚臭症候群
体内に発生したトリメチルアミンという物質が息や汗に混ざって体外に排出されることで、口臭や体臭を引き起こす疾患です。トリメチルアミンは魚の鮮度などが落ちたときに腐った臭い、生臭い臭いを発生させる物質で、高濃度になるとアンモニアのようなニオイを発します。
※リブリウム→不安神経症や不眠症、退薬症候群の治療薬
ポール・ジアマッティの先生、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフの給食のおばちゃん、ドミニク・セッサのトラブルばかり起こす、実はかまってちゃん男子のアンサンブルがいい。そしてそれぞれがストンと納得のいく、ビターで人情話的なオチも好き。
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