詩 「壁」

部屋と部屋
街と街、国と国
を隔てる
闇のような壁
朝は低く、夜は高い
夏は厚く、冬は薄い
呼気が届く距離にありながら
手の届かない距離にある壁は
時間の経過と季節の移ろいによってのみ
変化し、その変化に合わせて
通り抜けて来た
暗号のような、呪文のような
言葉の破片を拾う

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