詩 「湿地」

記憶とは全く異なる
自分の顔が
カーテンの無い
窓に醜く映る

薄い壁は
騒がしい音を通さない代わりに
静かな音を淡々と響かせる

湿地のような湿度と明度の
一室で
昇らない陽を
いつまでも待っている

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