詩 「夜の暗さ」

一番遠い距離にある星は
一生懸命に輝いている
一番近い距離にある星は
つまらなさそうに輝く

一番遠い星と一番近い星との距離は
百年より長く一瞬より短い

決して線では繋げないはずの星々を
いとも簡単にチョークで線を引いては
星明かりより小さな嘘をつく

夜の暗さを知らない
ゆっくりとした他者の沈みも
上り続ける鼓動の速さも知らない

いつもより手を強く振って
体重より重い歩をなんとか前に進める

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