詩 「交差点」

何の変哲もない
ただの交差点

空より高いビル
卵型の朧月
薄く霞んだ停止線

こちら側と向こう側の歩道とを
繋ぐ夜の横断歩道は
ほとんど吊り橋のようで

一歩ずつ足跡を確かめながら進める歩みは
とても遅い

横断歩道の途中で止まり
歩くのより速い回転で思考する

信号の青が照らす歩く意味や目的
歩き始めた瞬間の光の点滅が
視覚の根底に沈んでいる

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