詩 「冬、春」

昨日の続きの今日

曇空の隙間ない広がり
街の輪郭を縁取る小川の渇き
行き交う電車の間に吹く風の速さ

進み続ける
刻み続ける時間が
今が今であることに無自覚な身体を
ただひたすらに揺さぶっている

ほろ甘い微香が
曲がった背筋をぐっと引き上げると
やわらかい音が鳴って
瞬間が止まった

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