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プロ空港おじさんの憂鬱(9) 自分より偉い人

数年前、出張先から帰京する際のこと。

僕は優先搭乗を利用できるので、先に窓側席に座っていた。が、遅れて隣に来たオヂさんが妙に僕に刺々しく、肘掛けから腕をはみ出し偉そうに座る。

見た目の若い僕が優先搭乗していたことが悔しいのか、或いは、ノベルティが欲しかった僕がCAと笑顔で会話していたのもオヂさん的にはムカつくことだったのかもしれない。

降機の際、荷物を下ろそうと棚を覗くと、ボディバッグが残されていた。前方の出口ドアで侍っているCAに自分の座席番号を告げてバッグを渡そうとすると、何とあのオッサンが現れて
「あ、それ私の」
とかっさらい、眼も合わさず礼も言わずに早足で消えていった。
これにはCAも僕も眼を見合わせて唖然としてしまった。

飛行機に乗ることが特別だから自分は偉いと思い込む人種は時々見かけるけど、自分より偉い人がいてはならないということなのか、いやはや。
ここまで民度の低い輩は初めて見たので驚いた。

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