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侠客鬼瓦興業 第21話 吉宗くん愛の復活!

憧れのめぐみちゃんとの恋が成就したその日に、不幸にも僕の人生を終結させる最大のピンチが襲い掛かかろうとは…

「この、スケコマシ詐欺野郎…」

怒りがピークに達し、一言そう呟いたハゲ虎は、胸の中から38口径の銀色に輝く鉄の物体をを取り出した

(…ぴ、ぴ、ピストル!?)

僕はさらなる恐怖に、金縛りを通り越してその場に石のように固まってしまった。 

「どけ、めぐみ…」

ハゲ虎は、不気味な声で呟いた。めぐみちゃんは異変を察知すると、恐る恐る後ろを振り返った。

「!?」

そこには無言でピストルの銃口を、僕に合わせているハゲ虎の姿があったのだ。 

「ぱ、パパ、何してるの!?」

めぐみちゃんは慌てて、叫ぶと僕とハゲ虎の間をその体でさえぎった。 

「どけーめぐみー!!その小僧、射殺したるんだー、どけー!!」

ハゲ虎は血走った目でそう叫んだ。

「どかないわよー!あ、あぶないからそんなものしまってよー!」

人間は恐怖のピークに達すると、体から血の気が完全に失せてしまうのか、僕は青い顔を通り越して、まっ白いひな人形のような顔の石像状態になって、二人の口論を見ていた。

「この小僧がー、テキヤ風情のチンピラの分際で、うちの娘をたぶらかしやがって、どけ、めぐみー!」

「吉宗くんはたぶらかしたんじゃない!真剣に心を打ち明けてくれたんだよー!」
めぐみちゃんは石の彫刻と化した僕に目をむけ
「そうだよね、吉宗くん。あなたはウソをつく人じゃないよね!」
目に涙を浮かべながら訴えた。

(めぐみちゃん、あれはウソじゃない、感情の高まりから出たとはいえ、あれは僕の真実の言葉なんだよ!)
僕は彼女にそう言いたかった。石像と化した僕は声を発することができなかったが、心で彼女に訴え続けた。
めぐみちゃんはそんな僕の目をみて何かを察したのか、コクリと小さくうなずくと
「私信じる。吉宗くんのこと信じるから・・・」
そう言ってハゲ虎に向き直った。

(め、めぐみちゃん・・・)

こんな窮地にもかかわらず、僕をかばい、そして信じてくれている、めぐみちゃん。彼女を見ているうちに石像と化した僕の心が、ぽかぽかとあたたまりはじめた。

「パパがなんて言おうと絶対にどかないからー!」

めぐみちゃんは、ハゲ虎のピストルから僕をかばいながら、必死に叫んでいた。

「どけ、めぐみ!そんな詐欺野郎をかばうなら、おまえも許さんぞ!」

ハゲ虎は怒りに我を忘れ、めぐみちゃんにまで銃口を向け怒鳴りつけた。

(危ない!このままではめぐみちゃんが、僕をかばって撃たれてしまう!)

僕は極限の恐怖の金縛りにより石像と化した身体で

(助けなければ!めぐみちゃんを助けなければ!)
必死に心に訴えていた。

と、その時だった、ぽかぽか暖まっていた僕の心の光が突然大きく広がり始めたのだ・・・
同時に僕の身体が石像から人間の身体に戻り始めた。

(助けなければ、めぐみちゃんを助けなければ!)

その熱い思いが、ついに奇跡を起こし、僕は長い金縛り状態から解放された!
そして僕は、
「僕は詐欺野郎なんかじゃない!」
気がつくと大声で叫んでいた。

「吉宗くん!」
僕の言葉にめぐみちゃんが振り返った。

彼女に対する熱い思いが、まるで北斗神拳トキの秘こうを解いて復活したケンシロウのように、金縛りの縛から僕を解き放ったのだった。

「めぐみちゃんへの想いはウソなんかじゃありません!僕は本当に心の底から愛しているです!」

自ら金縛りを解いた僕は、夢中でそう叫んでいた。

「吉宗くん!ありがとう、ありがとう・・・」

めぐみちゃんは僕の言葉に、涙をぽろぽろ流していた。

「僕の方こそありがとう、めぐみちゃん、信じてくれてありがとう」

僕は熱い思いで彼女にそう告げると、颯爽と立ち上がり、めぐみちゃんとハゲ虎の間に割って入り
「僕は詐欺じゃな・・・」
と叫んだあと、その場で目を点にして再び固まってしまった。

なんと僕は、めぐみちゃんへの熱い思いと、金縛りの縛を解き放った喜びで、ハゲ虎のピストルのことを忘れてしまっていたのだった。

「自分から射殺されに来るとは、いい根性だな小僧!」

閻魔のハゲ虎はニヤッとしながら引き金に手をかけた。

「やめてーーー!」

めぐみちゃんの悲痛の叫びが境内に響いた、その時だった・・・

「おい、なんだこの騒ぎは!」

僕たちの耳に聞き覚えのある声が・・・

見るとそこには、義理と呼ばれる、葬儀から戻ったばかりの親父さんが、黒服姿で立っていたのだった。

(お、親父さん!!)

僕は親父さんに助けを求めようとしたが、恐怖で声を出すことができなかった。そこへめぐみちゃんが泣きながら

「おじちゃんー、助けてパパが、吉宗くんのことを !」

「パパ?」

親父さんは、めぐみちゃんの言葉を聞いて、ハゲ虎の方を見た。 

「何だ、誰かと思えば虎三じゃねえか、あらら、みつかっちゃったのか、めぐみちゃん、ははは」

ハゲ虎は僕に銃口を向けたまま、親父さんの方に顔だけ向けて怒りをあらわにした。

「やい鬼辰ー!」

「ん?」

「貴様、またうちのめぐみを、やくざな仕事にさそいやがったなー、この野郎!」

親父さんは平然とした顔で、笑いながらハゲ虎に答えた。

「さそって何が悪い、それにめぐちゃんがバイトしてくれると、売上が伸びるからなー、固いこというな、固いこと、はははは」

親父さんは笑いながら扇子をパタパタさせて、今度はめぐみちゃんの方を見た。

「めぐみちゃんだって大学生だ。バイトをして何が悪いんだ、なー、めぐみちゃん」

親父さんがめぐみちゃんに微笑むと、彼女も親父さんにむかって、うんうんと一生懸命うなずいた。

「鬼辰ー、バイトが悪いなんて言ってるんじゃねえー!、てめえのところみたいな、やくざな仕事をすることが問題なんだー、バカ野郎!」 

「まったく昔から堅い男だなーお前は、そんな事だから禿げるんだ」

「はげ!この野郎、人が気にしていることを」

ハゲ虎はむっとした顔で、親父さんに振り返った

「うわっ!?」

おやじさんはそこでハゲ虎の手にあるピストルに気がついた。

「何だお前、そんな物騒なものチャラつかせてやがって、危ないからしまえ、こらー!!」

「理由はお前の所の腐れチンピラに聞け!このクソガキが、こともあろうにうちのめぐみを騙そうと、ちょっかい出しやがったんだ!」

ハゲ虎はそう言いながら、思い出したように再び僕に銃口を向けた。 

「騙そうとちょっかい?吉宗がか?」

親父さんは驚いた顔で僕を見た。 

「おじちゃん、違います!騙そうとなんかしてないんです。吉宗くんは真剣に私のことを好きだって、愛してるって言ってくれたんです!」

めぐみちゃんは涙を流しながら僕の腕をつかんで、親父さんに訴えた

「何ー、こいつが愛してるってー!?」

親父さんは驚きで目をぱちくりした。同時にあたりににいた的屋の人たちから、驚きの声がわきあがった。 

「閻魔の娘に愛してるっていったのか、あの兄ちゃんは?」

「おとなしい顔して大した根性してやがるなー」

「それに、好きな女を守るために、自分からハゲ虎の銃(チャカ)の前に立つなんて、これはただ者じゃねえ、すげえ男だ!」

そんなテキヤの人たちの声を嬉しそうに聞いた鉄が、大声で叫んだ。

「この不死身の鉄さまが、あ、あ、兄貴と認めた人ですよー、あの一条吉宗って男は!」 

「俺との勝負の時も、一歩も引かなかったからな、あいつは、一条吉宗ってのか」

鉄の後ろでスキンヘッドの熊井さんが呟いた。 

「一条、吉宗か…」

「一条吉宗…」

「一条吉宗」

ガラの悪いあたりの人たちの間で、知らぬ間に僕の名前がとびかっていた。僕は思いかけないことで、その筋の世界で名前を轟かせてしまったのだった。
そんな中、冷静な目をした鬼瓦興業の若頭、高倉さんが、腕を組んで見ていた追島さんにささやいた

「やばいなー、ハゲ虎の旦那」

「そうっすね、若頭」

追島さんはあたり見渡した、そこにはこの白昼の事件におびえる群衆の顔があった。

「一般大衆の前で鉄砲(チャカ)なんぞ、ちらつかせちまったんすからね、捜査四課の鬼刑事、閻魔のハゲ虎も終わりっすね」

追島さんは笑いながら高倉さんを見た、しかし高倉さんは、眉間にしわを寄せながら何かをじっと考え込んでいた。 

「旦那には日ごろ恨みこそあるが、めぐみちゃんの親父さんだからな、それに親父さんとの関係もあることだ、ここは何とかせなならんだろ」

高倉さんは冷静な目で、ハゲ虎を見ていたが、急に顔を真っ赤にして吹き出した。

「それにしてもあのおっさん、なんてかっこしてんだ?」

高倉さんにつられて追島さんも、こらえきれず笑ってしまっていた。

 

そんな高倉さんたちの心配をよそに、ハゲ虎は怒りに満ちた顔で僕に銃口を向けながら親父さんを睨み据えていた。

親父さんは、全く動じず冷静な顔で、僕とめぐみちゃんを見ながら

「ほう、ただのおとなしい兄ちゃんと思っていたが、めぐちゃんに愛の告白とは、これは驚いたもんだ」

笑いながら手にしていた扇子を開くとパタパタ仰いでいた。 

「笑いごとじゃねー、鬼辰ー!、てめえんところのチンピラが、とんでもねえ不祥事おこしたんだぞ、こらー」

ハゲ虎は目を血走らせながら親父さんに食ってかかった。しかし親父さんはまったくあわてた様子を見せず静かにハゲ虎にささやいた。 

「不祥事を起こしちまってるのは、お前の方だろうが、頭冷やしてまわりを見てみろ」

親父さんは小声でそう言うと、持っていた扇子で周りにいるギャラリーを指した。そこには恐怖に怯えた顔で境内の物陰にかくれている、お祭り客の姿があったのだ。 

「う!?」

ハゲ虎はそこで、めぐみちゃんのことで冷静さを失った結果の失態に気がついた。
親父さんはハゲ虎だけに聞こえるくらいの小さな声で 

「現職刑事、白昼のお祭りでピストル騒ぎ、逮捕~!明日の新聞の一面トップだな、ぶははは…」

親父さんは笑いながらつぶやいた。 

「パパが逮捕!?」

めぐみちゃんも驚いて目を丸くしていた。 

「うぐ!」 

ハゲ虎はピストルを持ったまま固まっていた。そんなハゲ虎に対して今度は笑いながら親父さんが

「ところで虎三、お前なんでそんなかっこしてるんだ?」

そう言いながら、我慢していた笑いを抑えきれず、ぶーっと噴き出して、大声で腹を抱えて笑いだした。 

「…?何だー?何がおかしいんだ鬼辰ー?」

「ぶはは、ぶははははは」

親父さんはお腹を押さえながら、ハゲ虎の股間を指さした。 

「何!?」 

気がつくとハゲ虎は、僕にズボンを下ろされたままのフルチン姿で、ピストルを持って叫んでいたのだった。 

「どわーーー!?しまったーーーー!!」

ハゲ虎は真っ赤になって股間を抑えた。 

「おーい、いたぞーーーーーー!」

そこへ、大きな声が聞こえてきた。

振り返ると、高倉さんと追島さんがマスクに白衣姿で、走り寄ってきていた。

 「まったく、施設を抜けてどこへ行ってたかと思ったら、こんなお祭りに来ていたんだね、虎三さん」

追島さんはそういいながら、ハゲ虎の腕をつかんだ。 

「すごいおもちゃだね、さてはそこの、くじ引きであたったんだね。よかったねー虎三さん、大好きな、太陽にほえろ ごっこが出来たんだね」

高倉さんは近くにあった、くじ引きの露店に飾ってある、「一等賞、モデルガン」と書かれたはり紙を指さしながら、ハゲ虎の手からピストルを奪い取ると、ハゲ虎のスーツを広げて胸のホルダーに収めた。

「あ~、あ~!まったく人前で大事なものだしちゃって、まったくこまった虎三さんだ。さあ、いっしょに、施設に帰ろうねー」

追島さんはそう言いながらハゲ虎の体をかかえあげた。

「何しやがるコラー、人をもうろくジジイみたいに言いやがって、この野郎はなせー、」

ハゲ虎の抵抗も、さすがに追島さんの快力にはかなわなかった。ハゲ虎はそのまま成すすべもなく神社の外まで連れ出されてしまった。 

「皆様お騒がせしましたー」

静まりかえって境内から
「何だ、施設を抜け出した徘徊老人だったのか・・・」

「びっくりした・・・」

ざわざわと声が聞こえた。

高倉さんはマスクの中から親父さんに目配せをした、そんな高倉さんに対して、親父さんは軽く「うん」とうなずいて見せた。 

「た、高倉さんありがとうございます」

めぐみちゃんは、小声で高倉さんに声をかけると、僕を振り返った。

「ごめんね吉宗くん、私のためにこんな怖い目にあわせてしまって」

めぐみちゃんはポロポロと涙を流しながら、悲しそうな顔でそうささやくと

「おじちゃん、ごめんなさい。せっかくアルバイトさせてもらったのに、パ
パがこんな騒ぎを・・・」

「あー、気にせんでいいよ。またバイトできるときは頼むよ。はははは」
こんな事件の後にも関わらず、親父さんは平然とした顔で笑うと、めぐみちゃんの肩をぽんとたたいた。

「怒られるかもしれんが、娘を思ってしたことだ、今日は虎三のところに行ってあげなさい。」

めぐみちゃんは静かにうなずくと、固まっている僕に近寄り

「吉宗くん、初めて会ったときに感じた不思議な風、あれは偶然じゃなく本当だったみたい。」

「ありがとう、今日、私に言ってくれた吉宗くんの言葉、ぜんぶうれしかったよ」

キラキラ輝く笑顔でそう告げると、親父さんに頭を下げて、高倉さんと一緒に境内から去っていった。

「・・・・・・」 

僕はめぐみちゃんの後ろ姿を、ボー然と見つめていた。 

ドン!ドン!ドン!

遠くから太鼓の音が響きはじめた。

「おー、宮だしだぞー、」

誰かの声とともに、あたりにいた人たちは、ざわめきながら散っていった。僕は今までの緊張から心臓をバクバクさせながら、石畳に崩れ落ちてしまった。 

「おい、大丈夫か?」

親父さんが声をかけてきた。 

「お、親父しゃん、うぐうぐうー!」

僕は親父さんの顔を見たとたん、今までの張りつめた恐怖と緊張から、声を出して泣きだしてしまった。

「まさか、お前がめぐみちゃんに愛の告白をなー」

「ひく、ひく」

僕は泣きながら親父さんにうなずいた。

「一つだけ聞かせてもらうが、おまえ遊びのつもりじゃねーだろうな?」 

親父さんの言葉に、僕は慌てて首を横に振った。

親父さんは僕のことを真剣な目で見たあと、嬉しそうに笑いながら

「お前の気持はわかった!めぐみちゃんは本当にいい子だ、俺は反対はしねえ・・・」

僕の頭をポンとその大きな手でたたいた。 

「だがな、好きな女をものにするには、命がけの根性が必要だ、まあ、俺もうちの母ちゃんと一緒になるときは苦労したもんだが、ははは…」

親父さんはそう言いながら、遠くを見つめて笑っていた。 

「根性…、でしゅか?」 

「おう、根性だ、だが、吉宗、お前が惚れた女、めぐみちゃんは、今ので分かったとおり、並の根性だけじゃ物にはできねえぞ…」

親父さんは、そう言うとやさしい目で笑いながら僕を見た 

「お、親父しゃん…」

僕はいつのまにか、親父さんの怖いけれど、懐の深いあたたかい目が好きになっていた。そして親父さんの目を見ていると、不思議な勇気が湧いてくるのだった。 

「男になれ吉宗、男になってあのバカ親父をねじ伏せて見ろ…」

親父さんはそうつぶやくと、僕の頭を大きな手で揺すぶって、その場から去って行った。 

(男になれ…)

人生で初めて言われた、そんな言葉を、僕はじーっとかみしめていた。

そして静かに目を閉じると、別れぎわに見せためぐみちゃんの、キラキラ輝く笑顔がよみがえってきた。

「めぐみちゃん…」 

「男になる…」 

僕はそう言いながら立ち上がった。

「僕は、男になる!!」

「絶対に男になる!!」 

親父さんの大きな背中を見つめながら、僕は何度も何度もそう呟いた。

「そうだ吉宗、男になれ!」

背後の声に振り返ると、そこには銀二さんがニヤニヤしながら立っていた。

「ぎ、銀二しゃん」
僕は銀二さんを見て、ふたたびポロポロ泣き出してしまった。

銀二さんはそんな僕をしばらく見たあと
「ただ、男になるのはいいけど、めぐみちゃんの別名知ってるか?」

「めぐみちゃんの別名?」

銀二さんはニヤッと笑うと

「閻魔の娘」

そう言いながらケラケラ笑い出した。

「閻魔の娘って、それは閻魔のハゲ虎・・・さんの娘だから・・・」

「それもそうだが、それだけじゃねえ・・・ククク」

「えっ?」
僕は目をパチパチさせた。

「閻魔の娘・・・そのうち解るよ・・・」

銀二さんは意味深にそう言うと、持ち場のたこ焼き売り場に戻っていった。

「閻魔の娘?・・・」

僕はそう言いながら、ふっと一瞬見せためぐみちゃんの怖い顔を思い出した。

「そういえばあの時・・・」

僕はぞっと青ざめたあと、ぶるぶる首を横に振り
「ちがう、ちがう、あれは恐怖の中で僕が見た幻覚のめぐみちゃんだ」

そう言いながら優しいめぐみちゃんの姿を思い浮かべた。


しかし、またすぐに怖い顔のめぐみちゃんが脳裏に浮かび、あわてて首を横に振ると、笑顔のめぐみちゃんで怖い顔に上書きをした。

「閻魔の娘・・・、ちがう、ちがう」

「閻魔の娘・・・、ちがう、ちがう」

僕は今までの騒動で崩れた露天を直しながら、めぐみちゃんの怖い顔と優しい顔の上書きをくりかえしていたのだった。

続き 愛のモーニングキッスはこちら^_^

前のお話はこちら↓

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