一人の母が安心して暮らせるため。その2 テレビ電話
距離が離れていても、母が少しでも安心して暮らせるために実施している 3つのことから、今回は、テレビ電話のお話です。
初期費用は、Amzon Echo Show8 の費用 14,980円円。
月額費用は、Wifiの費用だけで、他にはかかりません。
(音楽をたくさん聴きたい場合は、別途月額費用がかかります)
最初のテレビ電話 : ipad Facetime
テレビ電話は、母が一人で実家で暮らすようになった時、母との物理的な距離を少しでも縮め、表情を見ながらのコミュニケーションをはかることを目的として始めました。
実際には、9年ぐらい前に、ipad の Facetime機能を使って実家とのテレビ電話環境を構築しました。
最初は、母に、ipad の操作を覚えてもらうことが大変でした。
テレビ電話の機能に絞り、操作を理解してもらうようにしましたが、いろいろありました。
特に、母にとって、アイコンのタッチが難しかったようです。
アイコンを軽くタッチすれば良いのに、アイコンをずーっと押してしまって、「なんか、画面全体がブルブルしている」とよく、電話がかかってきました。
「何かあれば、ipad の ホームボタンを押せば大丈夫だから」 と言っても、なかなか最初は大変でした。
それでも、テレビ電話を通じて、顔を見ながら話ができるということは、母にとっても、私にとっても、楽しく安心できる時間で、母は、操作の難しさを感じながらも続けて使ってくれました。
また、母が一人で、契約書にサインする際、テレビ電話ごしに確認しながら行ったこともあり、相手に対する抑止力にもなったことがあります。
新しいテレビ電話環境 : Amazon Echo Show 8
今回、ipad の Facetime機能を使ったテレビ電話を、Amazon Echo Show 8 (以下、Echo Show)を使ったテレビ電話環境に変更をしました。
Echo Show は、amazon が提供する アレクサ という人工知能が搭載された、画面の付いた機械です。
声一つでいろいろなことができ、その機能の一部であるテレビ電話の機能を今回は主に使っています。
テレビ電話を使うために必要なものは、Echo Show、Wifi環境、amazon のアカウントです。
Echo Show の購入は、amazon のプライムデーなどの期間は、安く購入できるので、ねらい目です。
私が購入した、Echo Show は、8インチのテレビ画面が付いた機器で、大きく見やすいのが特徴です。
価格は、最新モデルが、14,980円です。
10インチのテレビ画面が付いた機器も発売されていますので、もっと大きな画面が必要な場合は、お薦めです。
amazonのアカウントは、無料アカウントでも問題ありません。
テレビ電話を使うにあたり、毎月払うような料金も発生しません。
ただし、amazon music などの有料コンテンツ使う場合は、別途、料金が必要となります。
なお、自分たちの家に、Echo Show を設置しなくても、現在お持ちのスマホやタブレットを使って、実家の Echo Show とテレビ電話をすることが出来ます。
私たちは、母から、Echo Show の使い方の質問などが来た時に対応することが出来るようにしたいのと、Echo Show を自ら使って、Echo Show の楽しさを味わうため、私たちの家にも設置しています。
実際、Echo Show は、私たちも便利に使っています。
ipad から Echo Showに変更した理由
今回、ipad の Facetime機能を使ったテレビ電話を、Echo Show を使ったテレビ電話環境に変更した理由を記載します。
■ Echo Show が言うことを聞かなくなった場合、家電商品のように、コンセントを抜き差しすればもとにもどる。
母にとって、普通のコンセントにつながった家電商品のような感覚で、何かあっても、コンセントを抜き差しすれば良いという安心感があります。
また、常に、コンセントにつながっているので、ipad の時のような充電切れの心配もないもの良いようです。
ipad が言うことを聞かなくなった場合は、画面の対応や、電源の再投入など、電話で話しながら行っていました。
また、OSの更新作業も母にとっては、大変な作業であり、私が、実家のipad の遠隔操作をすることができるものを探したりした時期もありましたが、私の希望にかなう製品は結局、見つかりませんでした。
遠隔操作が出来ることは、セキュリティの問題にも関係しますので、ipad のセキュリティの考え方にはあわないのかもしれません。
電話ではどうしようもない時は、実家まで行っていました。
加えて、今回は、スマートプラグと言うものを接続しています。
スマートプラグは、Echo Show のコンセントと、コンセントの差込口との間に入れて使うもので、私が遠隔で、コンセントの抜き差しと同じことができるものです。
Echo Show は、長く電源を入れていると、時たま、反応しなくなることがあります。
この状態になると、こちらから、テレビ電話をかけても、もちろんつながりません。
実際に何度か経験しています。
そのような場合、遠隔地にいる私が、スマートプラグを操作して、Echo Show のコンセントを抜き差しすると同等の操作をすることができますので、遠くにいても安心です。
■ テレビ電話を音声で操作できる
テレビ電話に出るのは、音声で対応することができるので、とても便利です。
もちろん、ipad でも音声で対応することはできますが、音声を前提とした Echo Show の方がはるかに楽です。
また、母にとって、どこでもおける ipad より、場所が決まっている Echo Show の方が、いつもそこにある安心感が強いようで、ipad の時に比べて、早くテレビ電話に出てくれるようになりました。
■ 音声でいろいろなことが出来る
Echo Show は、テレビ電話以外に音声で簡単に操作できる機能が充実しています。
現在、母が良く使っている機能は、以下です。
・amazon music
・写真
・あいさつ
・しりとり、じゃんけん
・タイマー
・ラジオ
テレビ電話は、Echo Showに変更しましたが、ipad も活躍しています。
ラジオの聞き逃し配信、オセロを始めとしたゲーム、情報の検索(Googleの音声認識機能をつかって入力をしています) など、iPad に対する抵抗感も薄れ、使っています。
※amazon music
amazon が提供する音楽の配信サービスです。
例えば、母の好きな美空ひばりの曲を聞きたい時は、「アレクサ、美空ひばりの曲をかけて」 と言えば、Echo Show で美空ひばりの曲をいろいろと聴くことができます。
自分の好きな歌手を言えば、その歌手の曲を簡単に聞くことができるので、大変よろこんでいます。
実家に行った際、Echo Show から流れてくる曲を聴いて、母の好きな歌手や曲を知る機会になったりもしています。
※写真
Echo Show が何もしていない時は、Echo Showの画面には、写真を表示するようにしています。
写真は、amazon の写真をクラウド上に保管するサービス Amazon Photos に保存した写真が表示されます。
Amazon Photos は、写真を無制限に保存でき、その中から表示する写真を指定することができます。
私は、保存した全部(約30,000枚)を表示するように指定しています。
Amazon Photos に私が保存している写真は、風景の写真も多いのですが、Echo Show で表示される写真は、家族が集まった写真や、結婚式の写真など、笑顔が多い写真が多く表示されます。
ふとした時に、Echo Show を見ると、過去の懐かしい写真に出会え、それから会話が弾むことも多くあります。
※あいさつ
「アレクサ、おはよう」 と、Echo Show に声をかけると、今日は何の日だよ、今日の天気は晴れ、今日のニュースなどを教えてくれます。
「アレクサ、おやすみ」 も含めて良く使っています。
1日だれとも話をしないような時、Echo Show に声をかけると、声を返してくれることはうれしいところがあるようです。
・みまもりカメラとなる
Echo Show は、こちらから強制的に、テレビ会議を開始することができる機能(呼びかけ機能)があります。
母に何かあって、母がテレビ電話にでられない場合に、こちらから、実家の様子をみることができます。
この機能があることは、母には伝えていません。
普段、テレビ会議をする場合は、この機能は使わず、普通に、テレビ電話をかけ、母の応答を待って、テレビ電話を始めています。
使ってもらうために工夫していること
母に使ってもらうために、いくつかの工夫をしました。
やはり、母にとって、Echo Show を使うことは、なかなか難しいところがあります。
■ よく使う言葉を、Echo Show の画面の上下に紙で貼った。
私も初めてこの手のものを触れた時、アレクサ と呼びかけることがなかなかできませんでした。
そのため、テレビ電話にでる時の言葉「アレクサ、美空ひばり をかけて / アレクサ、やめて」、美空ひばりの曲をかける時の言葉 「アレクサ、電話に出て / アレクサ、やめて」 を、Echo Show の画面の上下の余白の部分に、紙に書いたものを張りました。
まずは、Echo Show に、「アレクサ」 と呼びかけることに抵抗が無いようにすることから始めました。
やはり、機械に向かって、呼びかけるのは誰でも慣れが必要と感じています。
■ 普段よくいる場所に、設置する。
設置場所は重要です。
Echo Show が、身近な存在となってくることが、使ってもらうためには必要です。
実際には、テレビの横や、普段よくいるくつろげる場所に置いています。
Echo Show を使ったシステム構成
全体のシステム構成は、母、義母、私、弟 の物理的に離れた、4ヵ所の場所に、Echo Show を1台ずつ設置しています。
各、場所には、Wifi環境 が必要ですので、Wifi環境がない場合は、まず、Wifi環境を作ることから始める必要があります。
各Echo Showの設定の際に必要な、amzon アカウントは、私の amazon アカウントを使って、4台すべてのEcho Show を設定しています。
アカウントを同じにすることにより、4台のEcho Show の管理(Echo Showの状態、会話の履歴 etc)を行うことができます。
母、義母ごとに、別のamazon アカウントを作る方法もありますが、管理が大変になるので、一つのアカウントで運用しています。
また、テレビ電話をかける際は、かけたい相手のEcho Show につけられた名前(デバイス名)で、1対1でテレビ電話をかけることができるのも1つのアカウントで運用する利点です。
アカウントを別にした場合、相手のアカウントにかける場合、相手のアカウントの個々のデバイスを指定してかけることができません。
家族の間であれば、アカウントを悪用されるようなこともないと思いますので、家族の間のテレビ電話であれば、一つのアカウントで運用するのが良いと思います。
先述のamazon music は、最大6名まで同時に amazon music のすべての曲を聞くことが出来るファミリープラン(月額 1,480円)を契約しています。
現在、Echo Show が 4台(自宅、実家×2、弟)稼働していますので、Echo Show 1台毎に契約できるプラン(月額 380円/台、4台で1,520円)に入るより得と判断しています。
また、同時最大6名なので、自分の端末も登録したり、子供が、自分のアカウントを私のアカウントに紐づけて使っていますが、今のところ、特に問題はありません。
Echo Show にして、良かったこと。
Echo Show にして、以前に増して、母がテレビ電話を積極的に活用してくれるようになり、私も、特に用事が無い時でも、気楽に電話をするようになりました。
以前は、1週間に1度の頻度でしたが、今は、1週間に2度の頻度で、テレビ電話をして、たわいのない会話をしています。
たわいのない会話が一番です。
今後は、食事中に、テレビ電話をつけっぱなしにして、話したい時に話すようなことも出来ないかなと考えていますが、まだ、実現できていません。
壁一面に画面が映し出され、隣の部屋に、母がいるような環境が早くできなかなとも考えてみたりしています。
とは、言え、母と会って話すことの重要性は変わっていないと思っています。
やはり、母と会うための時間は、きちんと取っていきたいと思っています。
母と話す時間、母と会う時間は、私にとって大切な時間です。
今後とも、母との時間を大切にしていきたいと思います。