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ストーリー17 ジュニアゴルファーの育成にはげむソウヘイさん

ソウヘイさんは、かつてプロゴルファーとして活躍していました。若い頃は自分の技術をいかに高めてスコアを伸ばせるか、それだけが関心事でした。
ところが、あるとき伝説のゴルファー、ボビー・ジョーンズのことを聞きました。ゴルフに対する取り組みをすっかり変えてしまうほどの衝撃を与えました。

ボビー・ジョーンズは生涯アマチュアとしてプレーし続けましたが、その実力はプロを凌ぐほどのものでした。しかし彼の名を広く世に知らせることになったのは、その実力ではありません。

一九二五年の全米オープンです。初日の十一番ホール、ボビー・ジョーンズが打とうとしたボールがコロッと動いてしまったのです。ルールではこれも一打のペナルティに数えられます。でも誰も見ていません。自分が申告しなければ、ペナルティはありません。

ボビー・ジョーンズは、この一打を正直に申告しました。
「言わなければ分からないのに、なぜわざわざ?」
同じグループの選手たちがあきれました。それでもボビー・ジョーンズの信念として、ごまかして一打のペナルティーを免れることは、どうしてもできないことだったのです。

最終日のプレーを終えたところで、ボビー・ジョーンズは首位タイでしたが、プレーオフの決戦に敗れて優勝を逃します。もし、あのペナルティがなければ、単独首位で優勝だったのに。ボビー・ジョーンズは、それでも後悔しませんでした。

「だって自分の信念を裏切ったら、思い出したくない優勝にしかならないだろう?」

ソウヘイさんはボビー・ジョーンズのエピソードを聞いて、自分がいかにスコアだけにこだわってプレーしていたかを思い知らされました。仲間を蹴落とそうとしたり、フェアとはいえないプレーをしてきたことが恥ずかしくなりました。

プレーヤーとしての限界を悟ったソウヘイさんは自分の夢を捨て、ジュニアの育成に取り組むことを決めました。

「百年後の子どもたちの伝説になるような、日本のボビー・ジョーンズを育てたい」
ソウヘイさんは新しい夢を思い描いて、ジュニアの選手たちと向かい合っています。

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中澤信幸「等身大リーダーシップ」コーチ
ほめられると調子に乗って、伸びるタイプです。サポートいただけたら、泣いて喜びます。もっともっとノートを書きます。