ストーリー09 使命を全うした宣教者パウロ
聖書の中に、パウロという人物が出てきます。イエス・キリスト以降の教会の歴史において、一番大きな影響を残した人物だと言われています。多くの人に対して真理を明らかにし、キリスト教を伝えた宣教師です。かつてはユダヤ教徒であり、キリスト教会を熱心に迫害した人物でした。しかし、劇的な回心を経験してキリスト教徒となり、その結果、地中海一帯の都市を回って大胆に自分が見出した真理を語り続けました。
パウロの歩みは、順風満帆だったわけではありません。宣教を続けていくと、度重なる迫害の困難が身に降りかかってきました。当時の政治的指導者たちからは、ローマ皇帝を否定する反乱分子であるとされました。同胞であるはずのユダヤ人たちからは、伝統的な律法の教えを否定する異端分子とされました。これらのゆえに受けた迫害は数え切れないほどでした。
同時に、「肉体のトゲ」と表現される病に悩まされていたようです。目の病気であっただろうと思われます。宣教活動にも支障がありました。パウロはこれを取り去ってくれるように願い、何度も真剣な祈りをささげました。しかし、その祈りが聞かれることはありませんでした。
パウロは、神の語りかけを聞きました。「わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである 」神の恵みが十分ならば、他に何かを求める必要はありません。与えられた歩みで満ち足りることができます。
目が見えても見えなくても、病が治っても治らなくても、迫害があってもなくても、パウロの覚悟は、はっきりしていました。状況に左右されることなく、神の恵みを受けて、ただ自分自身の使命を貫くことができました。その歩みが用いられ、ますます各地にイエス・キリストのことが伝えられるようになりました。
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