ストーリー07 与えることを喜びとするオサムさん
オサムさんはどこにでもいる普通の人ですが、ひとつのことを心がけています。
「何か特別なものが手に入ったら、人のためにすべてを使おう」
たとえば、時間です。約束がキャンセルになりました。半日自由に使える時間ができました。では、どうしようか。自分の仕事のためとか、楽しみのために使うことはしません。人のために使うことに決めているからです。まわりの人の仕事を手伝うとか、登録してあるボランティアに飛び入りで参加するとか、家族の用事につきあうとか、人のためにその時間を使うようにしています。
お金もそうです。思いがけない臨時収入は、人のために使おうと、専用の口座に貯金しているそうです。
プレゼントを受け取ったときも、同じように考えます。仕事の付き合い上、何かとものをもらう機会も少なくありません。食べ物にしても、ハンカチやネクタイなど身につけるちょっとしたものにしても。たいてい、なくても困らないものばかりです。であれば、とオサムさんは、すべてをあげることにしています。仲間に配ったり、部下たちに分けたり、必要な人に届けたり、自分のものにすることはありません。
もったいないとか、自分が使おうとか思わないのか、不思議に思えるでしょう。
「まったくそういう気持ちはない。むしろ、自由にできるものが手に入るとうれしい」
「どう活用しようか、誰にあげたらいいだろうか、と考えるのが楽しみなんだ」
オサムさんは、同じような立場の人たちとくらべると、とてもつつましやかな生活をしています。それでも、何にも代えがたい大きな喜びを見出しているようです。
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