赤ちゃんの首を支えよう
最近、首の座っていない乳児を連れて外に出る時に、縦抱きで首を支えない方が増えてきました。月齢が小さくてもしっかり首を支えているから使えますよという抱っこ紐がでてきて、布のタイプの抱っこ紐もまた首を布で支えながらの縦抱きが流行しているようです。
しかしながら、もし短時間でも縦抱きにするとしたら、首の重みや形状、機能を考えると、いずれの場合も、首が据わるまでは首の微妙な動きにフィットする支えが必要で、それは人の手が一番です。自分の首の後ろを人の手のひらで包まれると心地よいですよね。自分で触ってみて下さい。
一方、布や板や枕のようなものでは、頭の重みは重力でそのまま下の方にかかってしまいます。たとえば、飛行機の座席では首枕があればいいけれど、それよりやはり横になりたいですよね(隣の人の腕枕、とか膝枕っていうわけにもいかない(笑))。支えるには頭は重すぎる(たとえ中は空っぽでも笑)。(そういう意味では、睡眠時間の長い赤ちゃんは、横抱き中心で、起きて機嫌のいいときに、ちょっと素手で縦抱き位がいいのですけれど)
若い方は、小さい赤ちゃんを抱っこしたことはもちろん、小動物を抱っこしたりした体験さえ持ちません。ですので、もし首を支えていないだっこをしている方がいらしたら、丁寧に首を支えて、頭の重みが赤ちゃんの首や身体にかからないよう守ってあげることが大切であると伝えていただけないでしょうか。
そんなことを言ったって、ワンオペなのだから両手が使えないと困るという反応がきっとあるでしょう。
一昔前までは、両手を空けるという感覚はなかったと思うのですが、便利さに慣れると戻すのは難しいですね。最初から両手を空けて抱っこするという感覚をつけない方がいいように思います。赤ちゃんは運ぶ荷物ではなく、人に抱かれて全身が育っていく「なまもの・いきもの」なのです。今、便利だから、楽だから、では、赤ちゃんの身体がうまく育たなくてあとで大きくなってから余計な苦労が生じるかもしれません。どんな抱っこ紐を使うとしても、身体がしっかりとするまでは、両手で支えられて(触られて。やわらかな皮膚感覚の刺激が大事)育つ必要があります。そのことを丁寧に説明して下さい。
また、素手だけでは不安だという反応もあるかもしれませんね。素手の抱っこは座った状態で少しずつ練習するといいですね。大きな柔らかい布で赤ちゃんをくるみながら抱っこするといいでしょう。
さて、首据わり前の赤ちゃんを抱っこして連れ歩く時間はそんなに長くない方がいいです。できるだけ寝かせておいて、授乳の時は横抱き、それでご機嫌になったらげっぷさせるときに縦抱き、すぐまた寝かせてごろごろさせておいて、あおむけで窓の外の景色が見えるようにしたりメリーを使ったりあやしたり。ぐずったらオムツを変えてスッキリさせて、またちょっと遊んで、授乳してまた寝かせる、みたいな。
抱っこはたっぷり、というのは、抱っこ紐での抱っこではなくて、両腕で包んであげてということ。座って抱っこならお互いに負担が少ないですね。
支援をしておられる方は、FBグループページの「だっことおんぶを語る会」などに情報が出ていますから、お互いにどんな抱っこやおんぶがいいのかを学び、声かけあって工夫していただけるといいと思います。プロと言ってお金を取っている方でも、赤ちゃんの心身や脳の発達をきちんと学んでいないのではないかと思われる方が散見されます。ブログやインスタにアップしている写真が??!??なのですが、気がついておられないようです。猛烈に勉強してほしいと思います。
赤ちゃんは体が柔らかいので、多少、妙な身体の位置でも簡単に壊れたりはしませんが、長時間、連日となると、身体が凝ったり硬くなったり体のバランスがずれたりして、発達に影響が出てしまうでしょう。人生の最早期をよりよくスタートして、親子がこの社会になじんでいきますように。
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