書籍を活用して教育を変える試み
本が届きました(^^♪
まずは、全体を把握するために、目次を眺めてみましょう。
どういうキーワードがあって、どのキーワードがないかのチェックです。
この本とその前に出た2冊の本で合わせて40人の方たちが、
これからの教育を語っています。
たとえば、1冊目の最初の章は、出口 治明さん、ロバート キャンベルさん、ブレイディ みかこさん。
テーマは教育改革ですが、
登場するのは、いわゆる教育界の人というよりは、
別の専門分野で活動している方たちです。
ここ3年間の『教職研修』巻頭インタビューの総まとめです。
40人の考え方を集めて、学校ができるか、というと、
これがなかなか難しいわけです。
書いてある内容は、学校であたりまえになっていることを、これちょっとどうでしょうね?見直しませんか?という問題提起。
そうだよね、でも今までの学校の慣習で実際はできていない、というものが多いから。
読者がそれらを自分の頭の中でブレンドして、消化して、
自分の学校でそれぞれの現状に合わせてどう取り入れていくか、
ということが問われます。
あたりまえを一人で変えるには技術が必要だから、
一緒に動いて、そうだよねって言える人が周りに必要だろうと思います。
だから、みんなで、例えば、校長会?職員室?保護者会?PTA総会?有志で
読書会をするというのはどうでしょうか。
一人1章を担当して、
ABD(アクティブブックダイアログ)とか、
青木将幸さんの8分間読書法(好きなところを8分間だけ読んで、8分間で紹介して、8分間でディスカッション)とか
私がいつもやっている読書会の方法(参加者があらかじめ一章ずつ担当してレジュメを作って、15分位で自由にプレゼンして質疑応答)とか、
を使って、
この2冊の内容がざっくり頭の中を通り過ぎるようにする。
そうすると、ちょっと価値観が揺らいで、
翌日からの言動や話題が変化するのではないかなあ。
実践する前に考えて
自分を変えて人も変えなくてはいけないから
変えるのは容易ではなくて、
変化したときに、そうそうその方向って頷いてくれる人が必要なんですよね。
それでは、ご紹介です。まず一冊目は今回出版された本。
『教職研修』編集部・編
価値観を揺さぶる22人の識者からのメッセージ
『2030年の学校を作るスクールリーダーへ」
学校が変わるために、今、必要なこと(教育開発研究所)
1章 これまでの学校の「当たり前」を見つめ直す
■その「子どものため」は、本当に「子どものため」になっていますか?…武田信子 ←私はトップバッターを務めさせていただきました。
■「わかりやすい」ことばかりで、いいのか?…武田砂鉄
■学校には「わがまま」が必要だ…富永京子
■学校の「やめる」練習…野本響子
2章 コロナ禍を経て、これからの学校は
■「学校の新しい生活様式」をつくり直す――過剰な「感染症対策」で疲弊する前に…磯野真穂
■「健康で清潔で、道徳的な秩序ある学校」の先にあるもの…熊代亨
■「コロナいじめ・差別」の社会心理――なぜ、人は「われわれ」と「彼ら」をつくるのか?…北村英哉
■ニッポンの根性論――日本とドイツを比べてみると…サンドラ・ヘフェリン
3章 今、求められる価値観の転換
■「やまゆり園」事件から、私たちは何を学ばなければならないか…奥田知志
■性より個性を――学校の女性管理職問題…村木厚子
■「自立」とは何か――アドラー心理学に学ぶ…岸見一郎
■「何度でもやり直せる社会」を、僕がつくりたい理由…安田祐輔
■日本の「人権問題」を見つめ直す…申惠丰
4章 未来を生きる子どもたちの力と学び
■消費者として、よりよい社会をつくる…色川卓男
■+(プラス)アートで広がる子どもたちの世界…三澤一実
■子どもの「しなやかなからだ」を育てよう――「脱・筋トレ思考」のススメ…平尾剛
■人間を「できなさ」から考える―「支え合う存在をつくる」教育を…出口康夫
5章 2030年の学校に向けて
■ガチガチの学校をゆるめよう…澤田智洋
■学校で「『考える』ことを教える」ことを考える…梶谷真司
■信頼される「参謀」になる、教頭の思考法…荒川詔四
■「幸せ」な学校をめざしませんか?…前野隆司
■パラリンピックから考える、これからの社会…星加良司
***************休憩
教職研修編集長の岡本淳之さんは、
雑誌の発行と書籍化によって、多くの読者に情報提供をし、
読者を力づけて教育を変えていこうと試みている方。
どんな人にインタビューをするか、
どんなテーマを取り上げるか、
それをどう扱っていくか、
その方策に、編集長が実現したい教育改革の方向性、
企んで図っている運動の流れが見えてきます。
そしてそれは、日本の教育の向かう方向を示しています。
編集担当の桜田雅美さんも、
個人として、文章に対する感想を送って下さったりして、
この本の原稿、頑張ろう!っていう気持ちを
執筆者に起こさせてくださる方でした。
教育開発研究所って、そういうふうにスタッフが働ける会社なんだろうなあ
つまり、自分たちの居場所を快適にしようとしている人たちが、
みんなで、気持ちよく生きていこうよ!って
呼び掛けているんだろうなあって思いました。
***********さて、もう一冊の目次です。
こちらは、前の本の前の3年間をまとめた本。
『教職研修』編集部・編
今、スクールリーダーに知っておいてほしいこと
『教育の未来を作るスクールリーダーへ」
18人の識者が語る、これからの学校(教育開発研究所)
1章 教育の未来、キーワードは「多様性」
●自分の頭で考える子どもを育てよう……出口 治明
●「多様性」の問題を“自分事”として受け止めるために……ロバート キャンベル
●多様性は大変だし、めんどくさいけど、いいこと。……ブレイディ みかこ
2章 学校の「働き方改革」実現に向けて
●これからの「働き方」を考えよう……青野 慶久
●なぜ、日本人は定時に帰りづらいのか?――心理学から考える「働き方改革」……榎本 博明
●先生、お願いですから寝てください。……神山 潤
●「男とはかくあるべし」から解放されなければ、働き方は変わらない……田中 俊之
3章 変化する社会と、教育
●「ポスト真実」時代の教育……森 達也
●「動的平衡」から考える、教育という営み……福岡 伸一
●岐路に立つ民主主義と、教育……宇野 重規
4章 これからの学校・教師
●学校がうるさい!「苦情」増加時代の学校のあり方……橋本 典久
●学校の「ハラスメント」問題……鈴木 瑞穂
●安心して絶望できる学校ですか?……向谷地 宣明
5章 未来をつくる子どもたちの力と学び
●「個人の時代」を生き抜くための「主体的な学び」……為末 大
●改めて、「対話」とは何か……井庭 崇
●「科学リテラシー」に人類の未来がかかっている――「科学軽視社会」日本の危機……岸田 一隆
●AI翻訳で、英語学習は必要なくなるのか?……隅田 英一郎
●「認知科学」から考える、AI時代の「学び」……今井 むつみ
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どうでしょうか。読んでみようという気持ちになりますか?
こういう本は、一人で読んで考えるだけでは実践に繋がらないので、
みんなで読むといいと思います。
どなたか、企画して下さらないかなぁ。私も交ぜてもらおうっと。
追記)2022年11月 教育開発研究所主催でオンライン読書会が実現しました❣️
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