対話の文化へ:4つのDの違いを知る
みんなが、対話、対話という時代。
でも、使い方が違うんじゃないかな、と思うことがあるから、
まとめてみようと思う。
ディべート(討論)、
ディスカッション(議論)、
ダイアログ(対話)
と
ダベル(おしゃべり) の違いは、国語でいつ教えるのかな。
対話が大切、とよく言われるようになったのだけれど、
日本の場合、まず、
公の場で発言しない・できない人が大多数。
そういう文化の中で育っていないから。
傷ついてきているからね。
以心伝心、心を読む、察する、思いやる、言外ににじませる
忖度する、含みを持たせる、空気を読む、結論は最後まで言わない、
根回しする、口を濁す、奥ゆかしい、二枚舌。
そういう中で、
話すことが得意な人、
人の話を聞かないで自分のペースで話を進めることに違和感を持たない人、いわゆる声の大きい人、
の意見が通りやすいという経験があって、
「言ったもの勝ち」
「自分の論理を(筋が通っていなくても)通し切った方が勝ち」
「相手の話に乗らないで、自分のストーリーで話し続けたほうが勝ち」
となる。
そういう人を前にすると、
こちらが論理的に話を進めようとすればするほど、
相手は気にせずズレがあるまま論理展開を進めていき、
こちらが整理しようとしながら混乱している間に、
相手のペースに巻き込まれて、
話の流れがわからないまま修復困難になり、
気づくと、相手の話が先に進んで、結論に向かっている。
だから、4つのDの違いは、意識しておいた方がいい。
Debate ディベート
相手を打ち負かして、自分の領域を広げようとする。
そのためにこそ相手を理解して弱点やスキを突く。
どちらか片方だけでもこの競争関係の意識、相手の上に行こうとする志向を持っていると、対話や討論は難しくなる。
勝つという結果が大切であり、プロセスや正しさは必ずしも求められない。
Discussion ディスカッション
互いの言葉、互いの持つ情報を活用しながら、刺激を受けつつ論理を詰めていき、論理的に正しいと思われる共通の新しい地平、結論、抽象的概念等を、客観的な思考を通して見出そうとする。
いわゆる研究論文の最後が「Discussion 考察」で終わるように、
それまでに集まった情報をもとに、そこまでの結論を出すことを求める。
知的な強さが大切であり、正しさを示すために自分のベストを尽くす。
一度出した結論は、後に新しい情報を得て、更新されていく可能性がある。
Dialogue ダイアログ
相手の話と感情に関心を持って耳を傾け、
お互いを理解してよりよいコミュニケーションを図り、
よりよい関係を保ち続け、
よりよいコミュニティを作ろうと協力し合うプロセス。
リラックスできる、安心できる場を互いに作ろうとしていて、
互いの強みを大切にし、本心をオープンにし、失敗や間違いから学び合う。相互リスペクトがベースにある。
Daberu おしゃべり (だべるは日本の若者語です)
自分の話したいテーマについて、自由に話して、
結論が出ようが出まいが、好きに情報交換、意見交換をする。
日本人でも、少人数になると少し話せるようになる。
経験上、
普段からの特に仲良しでもない人たちの集まりでは、3-4人。
場を仕切ってしまう人がいなければ、
3-4人なら少しの配慮で多くの人が話せるけれど、
5人が限度のように思う。6人だともう話せない人が出てくる。
(6人だと、2人か3人の塊ができる)
(お酒が入ると、ちょっと変化が出てくる場合があるけれど)
対話、を促進しようと思ったら、
ちょっとした配慮、工夫、と、
みんなが、4つのDの違いを知っていること。
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※ 写真はコンテンツとは関係なく、ポルトワインのセラー2014。